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キャリアや仕事は「決めず」に「流れる」のも楽しみの1つ~予測は驚くほどあてにならない時がある~
このnoteの概要
こんにちは、村井庸介です。
就職・転職における内定取り消し、自宅待機が増え今後のキャリアについて悩む方の話を聞く中、僕が世の中に貢献出来ることは何かと考え、働き方・キャリアについて、出版した2冊の著書をもとに、このnoteを始めました。
これまで数回は過去の寄稿をもとに加筆修正のうえ、割と体系だった形で書いていたのですが、今日はある学生にされた質問をきっかけに久しぶりに思い出した感覚があるので、赴くままに書いてみたいと思います。
僕は合計転職8回のほか、中々僕の経歴では関わる機会の少なかったプロジェクトや仕事に恵まれたこともあり、楽しかったことだけでなく、つらかったことも正直ありましたが、それを興味持ってくれている大学生の方から昔、「どうやってその仕事を選んでいったのですか?」と聞かれたときに、そもそも「選んでる、決めてるって感覚がない」ということに気づいた時があったのです。今日はそんなお話しです。
今までの僕のnoteと矛盾していることも含まれていますが、仕事や職業は「決めようとせず」に「流れてみる」というのも1つのおススメなアプローチということです。
「プランドハップンスタンス」に近い考え方になります。
プランドハップンスタンスって何だ?
人事の方や転職エージェントの方では、当たり前の理論の1つかもしれないですが、その他の方には、あまりなじみのない言葉で場合もあるので、簡単に解説します。
プランド・ハップンスタンス(Planned Happenstance)は、日本語で「意図された偶然」や「計画された偶発性理論」といわれるキャリアに関する考え方です。2000年以前に提唱されている話なので、もう20年以上歴史が立つんですね。大学生の時、就職活動中にこの考え方を知って感銘を受けた自分としては、なんだか灌漑深いものがあります。
スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱した理論になります。同氏が、インタビューを社会人にインタビューを重ねていった結果、若かりし頃(18歳とか)に考えていた職業についた人は2%で、数百人インタビューに回答したうち、「偶然」と答えた人が8割にものぼったという、観察も踏まえ、この理論が打ち出されています。
ちなみに、このプランドハップンスタンスの話と、故スティーブジョブス氏の卒業公演(これも偶然か、スタンフォード大学の卒業式ですね)の「Connecting the dots」と結びつけて解説されることもありますね。
正確に言えば、ずれている部分もあるかと思いますが、いったん同じようななものだと思っていただいて大丈夫です。より詳細を知りたいという方は、日本語に訳されている著書もあるので、興味ある方は、読んでみることをおススメします。
転職において、全てを「偶然」に身を任せろとは、少なくとも僕は思いません。短期的においては逆算して貢献することで、結果として引き寄せる、それこそ「偶然(新しい機会、人との出会い)」があるからです。
なので、転職や新しい仕事を任されたり、ちょっとした人からのお願いであったり、何もすべて肩ひじ張らずに、計算だって決める必要はないのではないかというのが僕のスタンスです。
実は、クランボルツ氏もただ偶然に身を委ねろとは言っておらず、むしろ良い偶然をつかみ取るには、5つの態度が重要であるというお話をしています。
1.好奇心(Curiosity):新しい学びの機会を模索する
2.持続性(Persistence):たとえ失敗しても努力し続ける
3.柔軟性(Flexibility):姿勢や状況を変えることを進んで取り入れる
4.楽観性(Optimism):新しい機会は実行でき達成できるものと考える
5.冒険心(Risk-taking):結果がどうなる分からない場合でも行動することを恐れない
なんだかこれだけ見ると、ただの仕事の出来るビジネスパーソンの特徴5選にしか見えないですが、やっぱり人から何かを紹介されたり、任されたりするには、いまの自分の実力がどの水準にあれ「相手に貢献しよう」「今任されたことを頑張ってみよう」というスタンスが大事なんだろうなと思います。
その上でなのですが、僕は「偶然」をつかみ取る!というほど、肩ひじ張らなくてもいいかなという更に緩めのスタンスです。
予想は驚くほどあてにならない時がある
これは千載一遇のチャンスという勘が働いて、本当に大成功を収める方もいますが、一方でそんな方でも予想を外すことはよくあります。
よく、上場等した経営者がその資産を持って投資家となりますが、「これは未来を変えるサービス・商品だ!」といって投資したものの、結局はやらず終わってしまうことはあります。それこそ、セグウェイなんかは、当時の期待ほどとは異なる道を歩みました。(結果としてそれはそれで、味わい深いですが)
それこそ、企業の施策の意思決定で使われる、僕も在籍していたシンクタンクの経済動向予測などもありますが、当時ある先輩が「我々は予測外しのプロフェッショナル」と皮肉なセリフを言うほど、予測や予想というものは時としてあてになりません。
予測が外れても大丈夫なしなやかさ
なので、僕が大事にしているのが、予測が外れても後悔しないというスタンスでいることです。予測が外れても、そこから次の選択しや軌道修正していくことで、その時は「失敗した」、あるいは「つらい」と思ったことも数年たったら、笑えるネタとして話することもできます。
予想が外れるということは、それこそ色々考えた結果「これはないな」ということが、思った以上に自分にとってチャンスだった可能性もあるということです。
タラればを語ればきりはないので、なんとも言えない部分もあるのですが、今のところ人生は一度きりなので、少しでもこころ引かれるものあったら、「はい」といってとりあえずやってみることが結果として、自分の人生を彩り深く、且つ血肉あるものにさせていくのではないでしょうか。
その上で、やっぱりこの領域は違う、関わらない方がいいと決めたことは、無理して関わることは必要ないと思います。別の選択肢の中で広がる世界もまた、一つの人生ですから。まあ、僕自身も30代なので40代になったら、この考え方も変わるかもしれません。
ただ、今時点で僕が考えうる1つのキャリア・人生の歩み方として、「決めようとしすぎず、流されてみて、更にそのプロセス自体を楽しむ」というアプローチは、結果として僕の予想を超える経験をもたらしてくれましたので、別に難しい手法はいらないので、皆さまも明日からら1つ小さな「はい」の一言で何かに取り組んでみてはいかがでしょうか。
今日は、個人的な経験談であり、且つあまり体系だった話ではないですが、何か参考・気づきにあるものがあったなら幸いです。