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飼い主の宿命。

『太郎の様子がおかしい』

突然、母親から連絡が来ました。


太郎は、実家で飼っている猫のことで、

キジトラの男の子です。

と言っても、もう16歳のおじいちゃん。

道端で段ボールに捨てられていた子猫を見つけて、

母親が拾ってきたのが飼い始めたきっかけでした。


かれこれ自分が大学生からの付き合いで、

いつも親しみを込めて“太朗さん”と呼んでいます。


『太郎さん、どうせいつもの夏バテだろう』

母親から連絡が来たときは、そう思いました。

ただ、実家に帰って見た太朗さんは、

いつもと様子が違いました。


息苦しそうに、床に這いつくばって寝ていて、

どことなく痩せていました。

『太郎さん、大丈夫か?』

頭を撫でながら声をかけると、

必死に顔を上げて応えてくれました。


お医者さん曰く、肺に細菌が入り込んで、

水が溜まって呼吸しづらくなっているらしい。

応急処置で、肺から水を抜いてもらったけど、

あとは、もう太郎さんの生きる力に頼るしかないと。


自分も今までにもペットを飼って、

辛い別れを経験してきましたが、

何度経験しても、

ペットが弱っていく姿を見るのは辛いですね。


『これも飼い主の宿命。覚悟しよう。』

そう自分に言い聞かせながらも、

まだ現実を受け入れられません。


それと同時に、命を大切さをあらためて感じました。

必死で生きようとする太郎を見て、

本当に自分は自分の命を使い切れてるだろうか?と、

あらためて自分に問いかけています。


猫との人生で、学ぶことはたくさんあります。


ただ、今はなんとか、生きて欲しいです。

太郎さん、がんばれー。

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