危機とそれぞれの地平と… - 「GALLEY ART POINT選抜 3人展」に出展します
4月13日〜18日まで、ギャラリーアートポイントでグループ展に参加します。
ただ、今回は状況が状況なので、人はあまり来ないだろうし、来てくださいともいえない。そして僕も残念ながら福岡から動けないので在廊できない。でも今回展示する作品は、こんな事態だからこそ活きるんじゃないかとも思っている。
今回のパンデミックで、無人となった世界の街を見て、昔作っていた作品のシリーズをまた作りたくなった。
元々は荒野などの広い平原が好きだったのと、当時仏教的な概念にハマっていたこともあって、「妨げるものがない世界」と「涅槃」をシンクロさせたコンセプトを、限りなくミニマルに表現したいわばデビュー作。でも今もとても気に入っていて、自分の作品の中で唯一自室に飾ってある。
人というのは、成長するにつれ、いろんなものを手にする代わりに、それが「妨げ」となって、本来の視界を失うというのが僕の持論で、だから「自分らしさ」とか「本当の自分」みたいな空っぽの言葉に右往左往させられてる人が多いんじゃないかと思ったりする。
なのでたまには全てを取り払って自分本来の地平を眺めるような機会はあったほうがいいと思ってて、それが地平線が見えるようなだだっ広い風景や、仏教の涅槃の概念とシンクロして出来上がったのがこの作品だと言っていい。
ただ悲しいかな、自分の地平がリアルに見える機会というのは、たいてい何か大切なものを失った時だったりするし、それゆえ、人はショックを乗り越えた時に「進化する」というコインの表裏。今回のパンデミックは、まさに人類にとって、自分たちの地平を再確認する瞬間なのではないかと思うので、今回の展示は全部この作品シリーズにすることにした。
もし運良く(不急不要でない)用事などでお近くを通るようなことがありましたら、マスク装着でこそっとのぞいてみてくださいせ。
■GALLEY ART POINT選抜 3人展
【場所】
3331 Arts Chiyoda
東京都千代田区外神田6丁目11-14
アクセス
【日時】
4月13日(月)~18日(土) 12:30〜20:00(最終日は17:00まで)