中之島ダイビル10周年記念オブジェ作りました
11月25日(月)晴れ
大阪にある中之島ダイビル10周年記念のオブジェを作るというお声がけをいただき、今日お披露目だった。
10周年にちなんで、でかい「10」のオブジェ。
僕は「1」を担当し、アーティストのNORIKO IWAKIさんが「0」を作るという合作で、僕のソリッドで幾何学的な風合いの「1」に対し、IWAKIさんの雲や水を連想させるような有機的な「0」が、とてもいいコンビになっていてよかった。
しかもIWAKIさんの「0」はまるで呼吸をするように光るので、「1」のホログラムの部分に反射して、素材的にも「息が合っている」。
今回の「1」は「宇宙の塔」みたいなものにしようと考えつつ作り始めた。この世には、物理的もしくは概念的に僕らが知覚できるものと、存在がわかっていても知覚できないもの、または存在すら明らかになっていないものがあり、それらの重ね合わせの中で僕らは生きている。そんな文脈をこめつつ、色と数字で表現した部分と、見る角度によって様々に変化するホログラムの部分を、文字どおり重ね合わせて「1」を作った。
この相反する要素の違いは「社会と自然」、「脳と身体」などの対比としても有効だろう。宇宙に生まれた僕らは、この思うに任せぬ両輪をうまく折り合いをつけながら回していくしかないのだ。
余談という形にはなるが、僕は「1」という数字は、昔から「かわいそう」だと思っていた。
ひょろっとしていて、バランス的に不安定。孤独感があり、すぐに倒れそう。文字どおり「一つ」しかないし、「1番」の称号を与えられた人は、名誉や賞賛の影で孤独である。
でも形的に僕ら人間に最も似ている数字が「1」なのだ。
今回は「宇宙」を表現したつもりが、表現したのは自分自身、人間自身なのかもしれないと、展示されている「1」を眺めつつ思ったりした。
中之島ダイビル10周年記念作品は、毎年恒例のアートイベント「UNKNOWN ASIA EXTRA ASIAN ART EXCHANGE 2019」とリンクされていて、僕らの作品以外にも、9月に開かれたUNKNOWN ASIAから選ばれたアーティストの作品が、中之島各地のビル(ダイビル本館、中之島ダイビル、中之島フェスティバルタワー、中之島フェスティバルタワー・ウエスト)で12月27日まで展示されている。
中之島はクリスマスまでアートの島になっているので、お近くの方はぜひお越を〜。
【UNKNOWN ASIA EXTRA ASIAN ART EXCHANGE 2019】
2019年11月25日(月)〜12月27日(金)
ダイビル本館、中之島ダイビル、中之島フェスティバルタワー、中之島フェスティバルタワー・ウエスト
入場無料https://unknownasia.net/news/detail.php?entrytime=20191111