メドレーの人材プラットフォーム事業「ジョブメドレー」の現在と今後について
メドレーの石崎といいます。現在はメドレー1つめの事業である「ジョブメドレー」など、人材プラットフォーム事業を統括しています。先日、FY21通期決算が出ました。解説も交えて note を書きます。
この note で伝えたいこと要約
メドレーの人材プラットフォーム事業は HR Tech サービス群です
「ジョブメドレー」は医療介護福祉業界向けダイレクトリクルーティングサービスです
人材紹介や派遣ではありません (たまに勘違いしてる投稿見かけます)
事業モデルとしてはビズリーチや Green と近いです
「ジョブメドレーアカデミー」という介護事業者向けオンライン研修システムが、第2の事業として成長しています
(2022年5月追記) 旧「メディパスアカデミー」から名称変更しました
これらの事業が堅調に伸びている主要因は、プロダクトのグロースサイクルの設計と、一貫性と柔軟性のバランスを意識した運用、にあると認識しています
事業のさらなる成長にむけて、新プロジェクトを多く立ち上げていく予定のため、積極採用中です
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自己紹介
メドレーの石崎といいます
経歴：2007 株式会社はてな → 2011 グリー株式会社 → 2014 グリー100%子会社社長 → 2015 M&A によって会社ごとメドレーへ
インターネット企業にずっといます
もうちょっと詳細は Wantedly に
事業概況
先日、メドレーのFY21通期決算発表がありました。全社で売上109億、人材PF事業は 79億円 (YoY +39%) の着地となりました
医療ヘルスケア系職種の採用ニーズは、コロナ禍においても高く、当面はこの状況が続く見込みです。働き手が足りません
下図のとおり、市場の拡大より早く成長していますが、想定市場規模に比べると売上は小さく、伸長余地が大きい (≒ 解決すべき課題が大きい) 事業状況と捉えています
契約事業者数や会員数は順調に伸びています
詳細は 決算説明資料 をご覧ください
注目いただきたいのは、顧客の契約年別のご利用状況です (下グラフ)
契約初年度が最も利用が多いですが、2年目以降はほぼ一定のボリュームとなっており、1度ご利用いただいた事業者が、ずっと使ってくれていることを示しています
2015年契約以降が少し幅が大きくなってます。後述しますが、このあたりに抜本的なシステムリニューアルを行い、「プロダクトプリンシプル」を策定し、一貫性をもったプロダクト改善サイクルが稼働し始めました。それが業績にも直接的な影響をもたらしていると考えています
ジョブメドレーとは
医療・介護・保育・ヘルスケア事業者向けのダイレクトリクルーティングシステムです
↓ 3分でわかるサービス紹介動画はこちら
人材紹介や派遣事業ではありません
管理システムはすべて自社開発です
MA ツール・RPA 使用していません。Google Apps Script と BigQuery よく使います
メール通知などほぼ自動化しています。手作業でのメールマガジンなどはありませんし、やりません
最近は全国でのテレビ CM も実施しています
番組単位でのROI算出、CausalImpact を用いた効果検証、定期的な認知度調査など実行しています
検索ボリュームは大きく伸びました。総合系の人材採用サービスとも肩を並べてます
なぜジョブメドレーは成長を続けてこれたか
ジョブメドレーは求人を無料で掲載でき、採用が決まってはじめて成果報酬 (最低4万円〜) をいただくサービスです
採用をしたい事業者からは、リスクなく採用コストを最小限に抑えることができるため、求人が多く集まります
求職者は、多くの求人をスマホで手軽に探せるため、応募が増えます
応募が増えると、採用が多く決まります
採用が多く決まるため、より多くの求人が集まります
という好循環を意識して設計されており、この弾み車の回転の勢いがついてきた 2014-2015年 あたりから、大きく伸びました
さらに2016年ごろ、事業モデルと連動する「プロダクトプリンシプル」を策定しました
これにより、長期で一貫性をもった継続的なプロダクト磨きサイクルが可能となり、今でも使われています
Inspired日本語版 - 第13章 製品理念 を当時参考にさせていただきました。いま読み返しても良い文章
こういった運用を持続的なものにしているのが、メドレーのバリューである「ドキュメントドリブン」「凡事徹底」などの組織カルチャーです
ドキュメントを先に書き出し、目指すべきゴールをぶらさずに、ドキュメント駆動でプロジェクトを進めること
1つ1つの微細な意思決定を、非凡な水準まで突き詰めて実行すること
好循環を意識した事業モデル → 一貫性をもったプロダクト改善サイクル → それを可能とする組織カルチャー、という連動の長い蓄積が、競争優位の源泉となっていると捉えています
ジョブメドレーアカデミーとは
介護事業者向けオンライン研修ツールであり、いわゆる HR SaaS プロダクトです
2021年2月、株式会社メディパスのグループ化 により、人材PFサービスのラインナップとなりました
ジョブメドレーで多くの顧客の採用のお手伝いをしていますが、その次の課題である「定着」「活躍」をサポートするためのサービスです
↓ 3分でわかるサービス紹介動画はこちら
メディパス社でのこれまでの運営のおかげで、アカデミーの解約率は低く、Customer Churn Rate も Revenue Churn Rate も直近12ヵ月平均でだいたい 0.5% です
今まさに、ここから持続的・弾み車的な成長をするための土台を築いているフェーズです
良い意味でカオス、かつ、足りてないです
短期を追い求めて負債をつくってはいけない vs 長期ばかり追い求めて目の前の顧客を逃してはならない、のバランス
アカデミーは30-40名の組織でありスピードを重視し不可逆ではない施策は高速で試すべき vs 会社は700名規模なので適切なガバナンスは必要、のバランス
を意識しながら進んでいます
2022年多くのプロジェクト開始 → 積極採用中(PR)
医療ヘルスケア人材サービスの市場規模は今後も拡大する見込みです
これまでに築き上げた事業運営と組織運営を継続・ブラッシュアップしてプロダクトを磨き込みつつ、新たなプロジェクトも始動していきます
具体的には….
1. ジョブメドレー / さらなる心地よいサービス体験の提供
ユーザー視点で、データドリブンな仮説検証と課題の発見、改善施策の立案、効果検証、などプロダクトプリンシプルに即した一連のPDCAを推進し、事業/プロダクトを進化させていきます
なによりもエンジニア・デザイナー、あるいは PdM などプロダクトをつくる人たちが活躍する環境だと考えています
これまで培ってきた運営の土台があるので、事業会社への転職を考えているSI・代理店・制作会社の方など、Web サービス企画の経験がない方にもチャレンジしやすい環境が提供できます
2. ジョブメドレー / マスマーケティングの洗練
全国でのテレビ CM を開始しており、一定の知見と経験がありますが、社内にマスマーケティングの専門家がいるわけではありません
長期でスタンダードなサービスになっていくために、マスマーケやオフライン施策が得意な方に参画していただきたい
以前マーケティング責任者の寺町がノバセルさんのセミナーに登壇した note はこちら
3. ジョブメドレー / プラットフォームパトロール
より安心安全なサービスになるために、新組織を立ち上げる予定です
データを活用した違反行為の検知、その対処フローの構築、審査基準のアップデート、また、そもそも違反行為が起きにくいサービス設計の検討まで
プラットフォームのエコシステムを考えられる方と、組織の立ち上げからサービス健全化に向けて注力していきたいです
4. ジョブメドレーアカデミーのグロース
さまざまなポジションがあります
事業の土台を築いていくフェーズなので、環境はまさにスタートアップ
「対象や手段を選ばず、とにかくやるべき課題に取り組むことが好き」といったゼネラリストな方もぜひ
直近、なんでも屋枠で入社した斎藤さんのエントリこちら
5. 新プロジェクト
「オンライン研修」の先に、さらなるサービス展開を検討しています
何でもかんでもはじめるわけではありません。長期的な実需があり、本質的であり、解決すべき課題が明確なことに限られます
健全な事業基盤の上で、0→1あるいはそれに近しい事業企画開発の経験ができる稀有な環境と思います
これ以外もさまざまプロジェクトが進行中です
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〆
たくさんの方に長く使われるサービスになるには、一貫性のある改善を長く積み上げていくことが大切と感じています。プロダクトの理念・大切なことが定まらずに、右往左往するサービスは使う側も運営する側も疲弊します。
ジョブメドレーには12-13年の蓄積があります。アクセルはたまに踏みますが、プロダクトにおける朝令暮改はありません。落ち着いて長期で、でありながらスピード感をもってサービス・事業開発をしたい方はぜひ、募集の一覧 | 株式会社メドレー よりご連絡ください。
興味はもったけど、実際自分はメドレーだと何ができそう？か知りたい方は「オープンポジション」などからご連絡ください。カジュアルにお話ししましょう。