天音このは

この『言葉』は誰かに届くだろうか

天音このは

この『言葉』は誰かに届くだろうか

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『白い夜』

白く染まる世界に  白く吐いた息に 世界は僕を置いて  今日も賑やかに廻る 鳴り響く聖夜の音色が 鳴り交わす人々の声が 相反するように虚ろ気に映る 君の声が聞こえないだけで 君の笑顔に届かないだけで こんなにも苦しいなんて… 知らない所で今日も君は 僕でない誰かに笑いかける 世界はこんなに喜びで溢れてるのに 僕の世界だけは暗がりの路地裏のよう 誰も気づかない暗がりで 連れ出してくれる誰かを ずっとずっと待っている

    • 『恋色』

      色を染めて 君の色に 赤青緑好きな色に 愛を知る貴方の色は きっと豊かな明るい色 ねぇ、感じてほしい ねぇ、応えてほしい ねぇ、すべて染め上げて 君色で満たして私の色 恋を知る 恋シテル 愛を知る 愛シテル 君の色は私 私の色は君 キャンパスに書き殴った 不器用な二人 恋の色 好きだよ スキだよ 愛してる アイしてる 答え合わせはキャンパスに 二人で描くの夢の続き

      • 『応答』

        ねぇ、今何してるの? ねぇ、今どこにいる? 交信、君への合言葉 願う答えは愛言葉 知りたい 触れたい 君のすべて 描きたい 書きたい キミの姿 見えない 消したい 君が浮かべた、悲しげな笑顔 ねぇねぇ、聞いてほしいんだ 答えてくれよ、どこにいるの? どこにいても見つけるから どこにいたって迎えに行くよ だから、応答願います オーバー ねぇ、今何してるの? ねぇ、今どこにいるの? ねぇ、聞いてくれますか? 『君のこと…好きでした』

        • 『飛沫』

          深い深い水面に潜り込み 泡の音に耳をすませて 飛沫の中に溶けるように そっとそっと 目を瞑る 波の囁きが耳をくすぐる カモメの歌が耳を撫でる 暖かな波にさらわれて どこまでも 遠く遠く流されて いつかきっと 誰かの元へたどり着く ひとりぼっちの旅だけど この世界には 溢れるくらい人がいる だから いつかきっと 誰かの元へたどり着く 誰かときっと巡り会う

          『ねぇ…』

          初めてあなたが息をしたとき 初めてあなたが笑ったとき そこにはいつも泣きそうな顔で 誰よりもあなたを祝福する人がいる ねぇ、思い出してごらん? あなたが初めて怒られた時のこと あなたは驚いて泣き出したよね? そんなあなたをあとで抱きしめた あの暖かな温もりのことを ねぇ、思い出してごらん? あなたが初めて転んだ時のこと あなたは痛くて泣き出したよね? そんなあなたの頭を優しく撫でた あの暖かな掌のことを 暖かな光に包まれて 暖かな温もりに抱かれて 眠ったあの日を思い出そ

          【雨音】

          ぽつりぽつり 聞き慣れた静かな音 目を閉じて浮かぶ君の顔 あぁ、あの時掬えていたのなら ぽつりぽつり 浮かぶ顔は笑顔だっただろうか 伸した手は虚空を撫でて 窓を打つ雨音に耳を澄ます ぽつりぽつり  ぽつりぽつり あぁ、あの時抱きしめられたなら この手にまだ温もりはあっだろうか ぽつりぽつり 聞き慣れた優しい音 目を閉じ流れる ぽつりと雨音