33年前。毎日キャンプ家族旅行。
33年前。
もうすぐバブル期の終焉を迎えるなという頃です。
私の家族は両親と私と弟の4人。
父は学生時代に山岳部に所属していたガチのアウトドア人間です。
小学生時代、夏休みの家族旅行はもっぱらキャンプ旅でした。
1週間ほどキャンプ場を転々としながら海で泳いだり観光地に行ったりします。
東北地方を巡る年があれば(わんこそばしか覚えていません)
九州地方を巡る年もあったそうです。
行く先々では充分楽しむのですが、心の隅っこに
「毎日毎日キャンプは嫌だ」
という思いがありました。
4年生まで同じクラスだった青山さんちは上品なご家庭で、
家族旅行は熱海の温泉旅館だったり、どっかのリゾートホテルでした。
「ホテルのプールで泳いだのよ。
ホテルの部屋は広くて綺麗だったわ」
と自慢されて、(マウンティングされてる。完全に。)
「良いなぁ・・・」
と心底羨ましかったのを覚えています。
でも、青山さんちの家族旅行はいつも1泊2日です。
うちは1週間から10日間。
行ったきり遊びっぱなしで帰ってこない私を青山さんは本当は羨ましくてマウンティングしたのでは?と今では思います。
大人になった今ではわかります。
独身の身ではありますが。
子供2人連れて10日間の旅行に出かけるなんてものすごく大変です。
33年前。インターネットもスマホもない時代です。
情報源は日本地図と全国キャンプ場案内だけ。
当時イケてた四駆車にテントやら飯盒やらランプを積み込んで出かけるのです。
キャンプとはいえキャンプ場に利用料を支払いますし、ガソリン代や高速道路の代金もかかります。観光地で遊んだり名産品を食べたりもしました。
熱海の温泉旅館で1泊する方がよほど楽です。
1番記憶に残っているのは四国を巡るキャンプ旅です。
当時暮らしていたのは埼玉県。
海無し県民、海を求めて出発です。
埼玉県から神戸までひた走り、フェリーに乗って四国へ上陸します。
昼は海で遊んで夕方になったらキャンプ場へ向かいます。
当時のキャンプ場はかなり適当で管理事務所に利用料を払ったらテントを張る場所は勝手に決めていました。
行った先がたまたまそうだったのかもしれませんが。
ちょっと漫画を描いてみたのですがうまく表現できませんでした。
テント張りは子供の仕事でした。
テントが完成する頃には両親が他の荷物を運んで来てテーブルや椅子を組み立てて夕ご飯の準備を始めています。
もちろん子供たちも炊事を手伝います。
キャンプは働かないと何も出てきません。
33年前のキャンプですから。ガチです。
今はおしゃれで便利で快適になったそうですが。
テントを張る前に傾斜がないかと大きな石が埋まっていないか確認し小石をよけます。
そうしないと寝る時に背中や腰に当たって痛いのです。
マットを敷いても感じる石の痛さ・・・。
狭いテントでぎゅうぎゅうになって寝るので移動もできないので我慢するしかありません。
子供ながらに「明日は完璧にこなすんだ」と反省していました。
高知県に着いた時台風が接近していました。
夜になると雨風共に強くなってきてテントを張ることなど到底できず民宿に泊まることになりました。
旅行中の悪天候で宿泊施設を利用したのは2度・・・あった気がします。
毎日テントで寝るの嫌だなって思っていても民宿に泊まることに慣れていないので変な感じがしました。
台風で駆け込んだ人たちが多くてごちゃごちゃしていました。
父はシュノケールやゴーグルは買ってくれましたが浮き輪は買ってくれませんでした。
4歳くらいの頃に買ってもらった浮き輪ひとつだけです。
弟とひとつずつではなく、ひとつだけ。
私も弟もスイミングスクールに通っていたので泳げましたがすぐに深くなる海では浮き輪が無いと不安でした。
どちらかが小さな浮き輪に身体を捩じ込んだらもう1人は手をかけて掴まる体勢でした。
ボートのようなゴツい遊具もあった気がするけど浮き輪だけは買ってくれなかったなぁ。
シュノーケルで1日中海の中を観察して
ナマコやアメフラシが気持ち悪かったり。
牡蠣で足を切って血を流したり。
子供にとっては退屈しない家族旅行でした。
高知では坂本龍馬記念館へ行ったことをよく覚えています。
その日から好きな歴史上の人物は坂本龍馬になりました。
記念館で売られていたキャラ化した坂本龍馬がプリントされたお昼寝用の小さな枕を買ってもらって、とても嬉しくて気に入っていて、車に乗るときはもちろん家でも大事に使っていました。
当時の母は今の私よりも若いです。
毎年のキャンプ旅行で日焼けとか虫刺されとか子供の監視とか食材の手配や管理などなど本当に大変だったろうなと思います。
旅行中はテレビ見れないし、ずっと外だし。ちゃんとしたお風呂に入れないし。
私には出来ないなぁと思うのです。
昨今アウトドアブームですが小学生時代にキャンプは味わい尽くしてしまった気がします。
毎日クタクタになるまで海で遊んで、移動して観光地で遊んで美味しいもの食べてまた別の海へ移動する。
子供にとっては最高の時間でした。
温泉旅館1泊2日よりも断然思い出深い家族旅行です。
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