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補助金と助成金の使い分けと活用術

「〇〇設備を入れたいので〇〇補助金を使いたい」という相談がよくありますが、よく聞いてみると補助金よりも助成金を使った方がいいというケースもあります。
今回は補助金と助成金の違いについて整理してみたいと思います。


●補助金と助成金の概要

補助金には「ものづくり補助金」や「小規模事業者持続化補助金」他、様々ありますが、基本的には事業所の収益力を上げるための取組みを支援したり、経営基盤の強化の取組みを支援するもので経済産業省(中小企業庁)が所管しています。
一方、助成金は厚生労働省が管轄しており、雇用している従業員の労働環境の改善などを目的にしたもので、これも「業務改善助成金」や「働き方改革助成金」など様々なものがあります

ざっくり言うと

・設備導入により収益力を向上させて企業を成長させるための取組み⇒補助金
・労働能率を向上させる設備を導入して従業員の労働環境の改善を図る取組み⇒助成金

ということになります。
ただ導入目的の説明の仕方次第という面もあるので、同じ設備導入であっても補助金でも申請できたり、助成金でも申請できたりします。

●補助金と助成金の違い

・審査上の違い
補助金は事業計画の内容で審査され、その効果や実現可能性などで優劣がつけられ採択・不採択が決まります。
一方、助成金は要件を満たしていれば基本的には予算がある限りは受理され、予算に達し次第、募集が終了します。

・補助対象の違い
また、補助(助成)対象となるものにも少し違いがあります。例えば補助金では公道を走れる車両は基本的に補助対象外となりますが、助成金では、軽トラ、ホイルローダーなど、認められるものもあったりします。

・助成金にもメリットとデメリットがある
助成金は確実にもらうことが出来るという大きなメリットがある反面、労務管理をきっちりと行っている会社でないと受給できません。
現実には、労基署に入られても怖くないくらい自信をもって法令に則った労務管理をしているという事業所は多くなく、ここで二の足を踏む方は結構いらっしゃいます。また、そもそも従業員がいない事業所では助成金は申請が出来ません。


●まとめ

補助金については国の補助金以外にも、県、市にも独自の補助金があるため設備導入に使える補助金の種類はたいへん豊富です。
また、助成金の申請の場合、社会保険労務士が関わることが多いですが、社労士が関わる場合と中小企業診断士が関わる場合では、受給に大きな違いがあることが多いので注意が必要です(ここでは触れませんが...)
公募されている補助金や助成金の種類や概要を事前に把握し、事業者が導入を考えている設備の内容、時期、事業所の労務管理状況などを総合的に鑑みて、事業者に最適な制度をお勧めするのが我々の仕事です。
年度が改まり、本年度の補助金や助成金の詳細が明らかになってきました。よりよい提案ができるよう、日々勉強していきたいと思います。


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