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天才太田の子育て道(4)偏差値40の息子2人が、世界大学ランキング6位のUCバークレーに合格するまで〜サンタモニカカレッジからUCLAに編入した高橋くんとの出会い〜

 長男が中学に進学した頃、会社の私の部署に高橋くんが異動してきました。
高橋くんはUCLA卒(カルフォルニア大学ロサンゼルス校:University of California, Los Angeles)。
リクルートにも、ついに海外の有名大学出身者が来るようになったのかと、時代の流れを感じました。

コミュニティ・カレッジに2年間通い、UCLAの3年次に編入した進学方法に驚愕

息子たちには何とか英語が話せるようになって欲しい、できれば海外の大学に行かせたいと考えていたので、彼に詳しく留学話を聞いてみることにしました。

高橋くんは高校卒業後、日本の大学は受験せず、アメリカのサンタモニカカレッジに進学。しかも高校時代は、あまり英語ができなかったと言います。サンタモニカカレッジで2年間勉強し、英語力はそこで身につけ、その後UCLAの3年次に編入したという話でした。

え?コミュニティ・カレッジって何?ユニバーシティじゃないの?
で、そのコミュニティ・カレッジには、全く英語ができなくても入れるの?
私の頭は??だらけ。

コミュニティ・カレッジ(通称コミカレ)に入ったら、その二年間の成績で4大に編入できるの?受験ってないの?TOEFLも要らないの?

3年次編入は「裏ワザ」や「ずるい方法」ではなく、アメリカでは、ごく普通のことなの??
えーーーーーー!!!!

全ての話が知らないことばかりで、驚愕。
しかも、UCLAやUCバークレーといった超難関大学も、3年生の半分以上が、サンタモニカカレッジのようなコミカレからの編入生(トランスファー)と聞いて驚きました。

アメリカでは2年間コミカレに通い、そこでいろいろな科目を取りながら、自分が何を好きか考え、試行錯誤しながら、編入後の専攻(学部)を決めて4年制大学の3年次に編入(トランスファー)するのが一般的。
本当にこれが普通で、邪道でもなんでもない。

イメージでいえば、日本の大学の一般教養に当たる部分をコミカレで終わらせ、その間に学部(専攻)を決め、その成績をもって、4年制大学に編入(受験)していく感じです。

1年次からUCLAやバークレーに入学するような子は、本当の「神童」。
高校の成績はもちろんオールAだし、それに加えて国連で何かのプロジェクトに取り組んでいたり、ボランティア活動などで大活躍していたり、オリンピックの選手候補だったり、アメフトのプロ予備軍だったり……。

本当にスーパー高校生というような、ごくごく一握りの生徒が、1年生から入学するんだということも知りました。

もちろん日本人の高校生も、UCLAやUCバークレーの1年次入学を目指してがんばることもできますが、やはり言葉の壁を越え(留学生はTOEFLの点数などが必要)、GPAとエッセイでアメリカの「神童」高校生と同じレベルで合格していくことは至難の業だと思います。

「アメリカの大学入学には学力試験がない」ことは、なんとなく知っていたものの、入試がないなら何で選考するのか?どうやってレベルの高低が決まるのか?まではわかっていませんでした。

高橋くんによると、アメリカのコミカレ(4年制大学も同様)に入るには、高校3年間の通知表の平均点(Aが4でBが3、Cが2といった感じ。GPAと言います)とエッセイを提出し、それを以って選考されます。

入試はなくてGPAで学力を見られるという根底には、「全米の高校のレベルはみんな一緒」という考え方があります。
GPAが4(すなわち高校3年間の成績がオールA)なら、どの高校でも同じ評価のGPA4とみなされるわけです。

日本のように、「高校は偏差値によってかなりの差がある」という感覚とはまるで違うのでビックリ!
ということは、日本の超難関高校でオールBの生徒よりも、中下位高校のオールAのほうがアメリカの入学選考では有利、ということになるのです!!

また一方で、入試日に一発勝負でテストを受けて、その結果で合否が決まっていく日本の入試では、その日の結果で差異をつける必要があります。
難関人気大の場合、全員満点では差がつけられないため、点がバラらつくようにかなり難しい問題も出題されます。
結果、普通に高校の教科書の内容だけやっていても受からない。
対策と受験に向けた勉強が要不可欠。
記憶が得意、勉強が得意な子が選ばれる仕組みになっています。

アメリカでは一発勝負でない分、高校3年間の地道な積み重ねが重視されます。
ズルはできず、コツコツ積み上げることが大事。
毎回きちんと出席し、宿題も全て提出し且つその内容の出来も良く、また授業中の発言も活発にできるなど、クラスや学校への貢献が求められます。

それぞれの善し悪しがあるものの、どちらが息子たちに向いているのかを考えると、彼らこそアメリカの大学に進むべきではないかと考えるようになりました。

手に職をつけたい or 4年制大学へ編入したい人が通うコミュニティ・カレッジ

そもそも、コミュニティ・カレッジとは、その名の通りコミュニティ(街)のためのカレッジで、望めば誰でも学べる公立(主に州立)の2年制大学。
アメリカでは、高校を卒業してすぐ大学には行かず数年働き、そのお金でコミカレで2年間学び、社会に出ていくケースも多いようです。

また社会人のキャリアチェンジ、キャリアアップにもコミカレが活用されています。
アメリカでは日本のように未経験の職種にすぐに転職することができません。
たとえば転職するときに、営業から経理へ仕事を変えたいと思った場合、日本であれば、基礎力重視で未経験から転職できることもあります。

しかしアメリカでは、まずコミカレで経理に関連する単位をいくつか取得し、その単位を以って転職活動をするのが一般的。

コミカレは「応募」という手続きを踏めば、余程のことがない限り入学でき、単位をひとつづつ「買う」仕組み。
学びたいことだけを学ぶことができます。
社会人の転職ニーズのみならず、生涯学習的に通う高齢者もいます。

だからコミカレに通う学生の平均年齢は29歳。
コミカレを最終学歴として働く人もいるし、転職のために学びに来る人もいるし、4大に編入するために来る人もいる。

コミカレ卒は日本では短大卒扱いになるそうですが、日本の短大とは全く別物の存在です。

コミカレの中でも、サンタモニカカレッジはハリウッドからも近いので、声優や俳優、アニメーション、3DCGといった映画関連の仕事を目指す人のための単位や、オペラ歌手や、器楽演奏者向けの単位もあります。

カルフォルニア州知事を務めたシュワルツネッガーさんも、サンタモニカカレッジの卒業生で、専攻は筋肉(笑)。
その後中山きんに君が、ここを目指したのもそれが理由だそうです。

英語ができなくても入学できて、4大に入る準備としての英語を身につけることができる。
そして高校までの成績は全く関係なく、2年間のコミカレの成績(GPA)だけで4大への編入ができる。
また、コミカレでの様々な年代の人との交流は勉強になるに違いない。
息子たちの進むべき道はこれしかない!!と思うようになりました。

高橋くんの留学話を息子たちに直接してもらうことに

高橋くんの留学話を、息子たちにも是非聞いて欲しい。
高橋くんにお願いして、話してもらうことにしました。
場所は、居酒屋の「やまちゃん」(笑)。

高橋くんもお酒が飲めるし、子供たちもポテトや手羽先など食べたいものがあったので大いに盛り上がりました。
お酒も入っていたからなのか、高橋くんの情熱的な話は、息子たちにもかなり響いたようです。

高校では全く英語ができなかったのに、サンタモニカカレッジに進学したこと。
カレッジには留学生を対象にした英語のクラス(Intensive English Program : IEP)があり、IEPでは授業に付いていけるように、エッセイの書き方や、ディスカッションの仕方を教えてくれるので、入学時に英語ができなくても大丈夫なこと。
カレッジではとにかく真面目に授業に出席して、発言し、宿題をこなすことが大切であること。
ほとんどオールAが取れれば、UCLAといった上位大への道が開けること……。

そして最後に高橋くんからトドメの一言。
「たぶんね、コミカレに行く日本人は誰でもUCLAに合格できると思うよ」

話を聞いた帰り道、息子たちはスマホでUCLAの世界ランキングを調べていました。
「えー!UCLAは世界ランキング16位!東大よりすごいんだ!高橋さんすごっ!」と叫んでいたのをよく覚えています。

親ではない大人の真剣な話は、子供達にもしっかり伝わるんだなぁと実感しました。

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