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お雛様!!
昨日、わけあって突如1時間だけひとり時間が訪れた。
ヨシオがよし子を会社に連れて行った。
(小さい会社なのでそのようなことが可能らしい。私は、公私混同とメンバーから言われるんじゃないかと心配しているが、本人は大丈夫という)
さあ何しよう、夕方18時から一時間。
妄想はどんどん膨らんでいったが、悩んでいる時間がもったいないので、熱湯風呂に入ることにした。
子どもがいると長風呂も熱いお湯に入ることができない。
お風呂に携帯を持ち込み、何しようかなと考えだして数秒後、私は反射のようにnoteを開いた。
うーさんに感化されて自己満記事。
お雛様のこと、iPhoneに写真と共にメモ残してるけど、文章にもしておこう。
ハウトゥーを書こうとすると途端に文字が進まなくなるので、あくまでも私が書きたいふうに…ごちゃごちゃと。
*
去年、我が家は初節句だった。
ヨシオの実家は行事はちゃんとやる系(もはや誰のか分からず参加させられる義実家の法事も、「うちはそういうのちゃんとやる家だから」と。にしても多すぎ、ガチのお葬式は1.2回しかなかったのに)
対して私の実家はまず全く良家とかではなくサラリーマンの一般家庭。
クリスマス、おせち、豆まきなどはやるが、春の七草はあんまり記憶にない。
でも私の幼少期はまだ親がバブルマインドで、ツリーとお雛様は、それはそれは巨大なやつだった。
当時海外に住んでいてお部屋が広かったからというのある。
帰国してから、どっからどうみてもサイズ感おかしかったけど、でもちゃんと飾っていた。
私は結婚し、「自分の家」をつくるにあたり、特に何も考えてなかった。
この家ではご飯はちゃんとしたいとか(うちは小さい頃からミールキットだった、決してミールキットが悪いということではなく、ただ母が味に拘ったことはなく、私は母と「今夜は何にするー?」と言いながら一緒にスーパーいくのに憧れていた)、秋のお月見はちゃんとやりたいとか、特段何も考えてなかった。
だからお雛様も、まあ実家にでっかいのあるし、いずれ飾れるスペースの家に住む時があればその時もらおうかなくらいにしか考えてなかった。
(その時はお下がりがあまり良くないことも知らなかった)
母がずっと「出産祝い何がいい?」と聞いてくれていて、産んだ直後は、せっかくもらうなら頻繁に使うもの…マザーズバッグかなぁと、いろいろ調べていたけど、しっくりくるものがない。
「早く買わないと出産祝い感がない」と言うので、とりあえず抱っこ紐を買ってもらった。これだっていいお値段する。
私は、プレゼントされるものは、ちゃんとストーリー性があるものがいいと思っていて、だからウィッシュリストをぽんと投げるような妹の感覚は全く理解できない。
ストーリー性というのは、その物に愛着があり、どうしてそれが欲しいのか(機能性ではなく、そのお品がなぜいいのか)、その物に付随する背景、みたいなものだ。
そして、できれば高頻度で長く使う物。
これをクリアする物がなく、そもそも里帰りで1ヶ月お世話になっていたので、わたし的にはそんなに「出産祝い」はいらなかった。
けれど、母にしては珍しくしぶとく(失礼)言ってきた。
義実家からはなんか贈り物されたから、うちだけ何もしてないと思われるのが嫌だったのかもしれない。
よし子は初夏生まれだったが、その時から母は「お雛様は普通女親が買うから、それでもいいよー」と言っていた。
そして気づけば年が明け、一月末。
また母からお雛様についての連絡がくる。
自分の買い物ついでに、デパートの催事コーナーで軽く下見をしてくれていたようだ。
このときは、正直、なんでも良かったしめんどくさい気持ちが3%ほどでまじでどうでもよかった。ていうかまだ一月だし。
暇だったので後日私もデパートの催事コーナーに行った。
ベテラン風のおばあちゃまおじいちゃまが接客してくれた。
「今はお段はあんまりないんですよ〜飾るスペースが限られてきちゃいますからね」
そういっておすすめしてくれた一段の、必要最小限のみ乗せてる作品。値札に目を移す。
盛らずに、二度見、いや三度見したかもしれない。
たっっっっっか、、、?え?桁見間違えた?カンマの位置違う?え?
母に焦って連絡。
「こんなに値段するよ?やば。信じられない」
(そこまでの価値を自分は見出せないので買ってもらうのは申し訳ない風に)
すると母は「まあそんなもんよー」と言った。
この金額想定内なの?
、、ま、まあじゃあ買ってもらえる可能性はあるのか、、?
今から思えば、多分義実家への見栄だったと思う。
おそらく義実家はどんなお雛様を買ってくれたのか気にする、そしてちゃんとそれを知ることになる(ヨシオに写真送ってと頼むなど)ので、ちゃんとある程度の値段のものをと考えていたんだと思う。
値段に驚きながら催事場を一周していると、「もう人気の作品は完売しちゃってるよ。早い人は年明けからお雛様探しするから。お雛様は節分が終わったら飾れるからね」と。
なんだなんだ、ラン活ならぬお雛活もあるのか。
それに、節分が終わったら飾るのも知らなかった。
うちの実家は3/3に飾られていればいいと多分思っていたから、なんなら当日急いで飾られて、その後1ヶ月くらいかけて仕舞われていった記憶。
しかし本来は、仕舞うのが遅くなるとお嫁にいくのが遅くなるという言い伝えがあるので、3/3が終わった瞬間に片付けるべきらしい。
へぇ〜〜。
先述の通り、私は文化を重視にする家庭ではなかったし、フェミニストではないけれど、「嫁」という言葉が嫌い。結婚至上主義でもないし、ヒト科としては一旦おいといて、DINKSだって別にいいと思っている。そもそもその分野に明るくない。
だけど、お嫁に行くの云々は、それはそれこれはこれとして割り切れるというか、そういう言い伝えつくった昔の人おもしろいなー程度。
手作りなのでひとつひとつお顔が違うことや、有名作家さんはやはりそれだけでブランド力があることなど、お雛様の基本知識をベテラン店員さんに教えてもらって、その日は帰った。
ヨシオに相談する。
ヨシオは何事も盛大なのが好きなので、「でっかいやつ!ちゃんとしてるやつ!ちゃっちくないやつ!」と言ってくる。
私も、飾るならば、買うならば、どちらかというとそっち派だったのでそこは意見が概ね合致。
数日後、別のデパートの催事に母と向かった。
母は基本的に私が欲しいものを、の姿勢。
会場を一周したが、やはりその値段の価値が私には分からず、しっくりこない。
するとママ友から、ちょうどお雛様の件でLINEがきた。
彼女も悩んでいるらしく、「今度ここにいってみようと思うの」と、浅草の問屋さんの地図が送られてきた。
なるほど問屋さんか???
デパートと楽天市場以外で入手する方法を思いつかなかった。
私も問屋さんにいってみることにした。ママ友から、浅草で購入を決めたと連絡が入る。一層期待が高まる。
そして待ちに待った問屋さん。
もうそれはそれは、デパートで見てきたものとは全然違って見えて(なんか、デパートのは、全部一様に見えたというか、なんか、惹かれなかった…)、何よりもお値段がデパートの3割引くらいで、思わず「全然価格違いますね…」と店員さんに言う。
やはりデパートのブランド力は強いので、そのくらいマージンが取られるという。
えっと、この流れだと全然書き終えられそうにないので、突然ですがお雛様の目利きポイントを書きます!!!(突然)
あ、その前に私がどう選んだか。
判断軸は、【王道ではありつつも、人と被るのは嫌】
その他譲れない条件:
・一段(スペースの関係)
・伝統的なもの(なんちゃってタイプではない)
・予算(現実的な問題)
そして最終的には、柄で決めました。あと店長さんのお人柄。
よく言われているお顔は、私はそんなに気にならなかった。
私が選んだのは龍村美術織物の奈良裂蜀紅文という紋様で、柄と色が二人(お内裏様)ばっちりだったのと、デパートはもちろん、他の問屋さんでも見ないお着物で希少価値が高いところに惹かれた。
私は人情とか大事にしたい暑苦しいタイプの人間なので、「問屋さん」が合っていた。
そこの店長さんは何を聞いても即答してくれて、どこよりも専門的な答えで、特定の商品を売ろうとする気が一切見えなかったのがよかった。
(あまりの質問攻めに「購入予定はあるんですよね?」と確認されたくらいしつこい客だったが、最後まで丁寧に付き合ってくださった)
店長さんのお雛様に対するプロ感、愛が見えたから、「この」お雛様がよかったし、「ここ」で買いたいと思った。
以下説明文。ちょっと太文字加工とかしてみた!
※階層分け下手っぴですみません
◆お人形はここで見極める!
🌸女雛
①お着物のランク(素材、色、紋様)
②着せつけ(本着せ、貼り付け)
一枚で作る方が手間がかかる。
③仕立て(本仕立て、段仕立て、一般仕立て)
生地の裏地の有無、一枚でできているか二枚か。
🍵男雛
①足の組み方
男雛の足の組み方で、作札に書かれている名称(綾びな、葵、など)が変わる。※記憶曖昧
チープなのは足が剥き出しになっていて、本物はちゃんと靴下を履いている。
②お着物の底の織り方
織り合わせに腕の差が出るらしい。
◆お衣装はここで見極める!
①衣装の材質
絹、ポリエステルなど。帯出身はかなり高級。
②色
濃い色の方が高級という位置付け。
③紋様
向い鶴のように生地の上に紋様が描かれているものよりも、ベースの布に柄がついている方が手間がかかっているので高級。柄生地の上に柄は超高級。
紋様の大枠は2種類。
吉祥紋様:縁起がいい図柄
有職紋様:丸柄、続柄
その中でも有名なのがこちら。
・雲立湧(くもたてわく)
昔の天皇儀式のときに「親族」が着用した紋様。
・桐竹鳳凰(きりたけほうおう)
天皇陛下のお召し物にしか使えない柄。鳳凰=伝説的な生き物。
・向鶴(むかいづる)、向鳳凰、向蝶
長寿の象徴。力強い。美しい。不死身。
・亀甲(きっこう)
長寿。
・雲鶴(うんかく)
・乱れ/散らし桐竹鳳凰
※素人且つ一年前のメモなので正確性は期待しないでください。
というわけで、昨年一末時点ではお雛様を飾る気すらなかった私ですが、
・母親のプッシュがあった(義実家への体裁も含め)
・知れば知るほどお雛様の沼にハマっていった(色や紋様それぞれに意味があるのとか、それで階級が分かるのとか、普通におもしろくないですか?!?)
・こういう日本の文化、乗っかりたいなら乗っかればいいと思った。親である私が楽しめる範囲で。
・こんなに愛着の湧くものなら、毎年ポジティブな気持ちで飾れそう(作業的に飾るのは嫌だったし、いずれ飾らなくなる未来が見える)
というわけで、購入(買ってもらった)に至りました。
まだ一年しか経っていないけど、年明けからお雛様飾りたくてうずうずしてます〜。早く節分終わらないかな〜🎎