宇宙エラー3【統合失調症 小説】
episode03
心の年齢が体に現れる。よしえは幼い女性のカッパだった。今日もお姉さんたちのパンツを洗う。ゴシゴシゴシ。1番目の妻アイリーンのパンツにはシミがあった。ゴシゴシゴシなかなか取れないシミ。ゴツゴツした石を洗濯板代わりにして洗う。
夫のミヤ、先輩妻のアイリーン、ジーン、ユリと自分、計5人の洗濯物をするよしえ。掃除と食器洗いもよしえの担当だった。これも洗っといて、アイリーンに洗濯物をなげられる。丁度終わりそうだったのに、そう思ったよしえだったが先輩妻には逆らえない。気の弱さは地球にいた時と変わらなかったよしえ。中々断れない性格をしていた。学生の時からその気の弱さからいじめられやすいたちだった。そんなよしえに優しく接してくれたのは、2番目の妻ジーンだった。ジーンは仕事を丁寧に教えてくれた。しつこいシミに効く薬草を教えてくれたり、天然の薬草食器洗剤の作り方も教えてくれた。ジーンの目はキラキラしていて綺麗だった。洗濯物が終わって、ジーンに薬草拾いにさそわれるよしえ。日没まで後4時間程度たっぷり時間はあった。この世界に時計はない。あるのは、太陽のような、恒星でその傾きを見て時間を予測する。彼らは大きなガジュマルの木を目印に時間を測った。
薬草拾いに誘われたよしえ、ジーンの後ろをついて歩いていく。ジーンに教えられながら、火傷や下痢に効く薬草をとっていく二人。
よしえはジーンから教わったことを大切にしながら、自分でも薬草の見分け方や効能を学んでいく。
夕日が沈む頃、二人は沢山の薬草を持って家にたどり着いた。豊かな自然のなかで心地よい疲労感と充足感を感じていたよしえ。
よしえはジーンのように、自分が知っていることや経験を他人と分かち合える存在になりたいと思うようになった。彼女は自分の気の弱さを乗り越え、自信を持って他人に助けや知識を提供できる存在になりたいと思うようになっていた。
↑挿絵を作ってくれた人↑