アポラクトフェリンのダイエット効果
不定期連載 アポラクトフェリン(44)
アポラクトフェリンにはいくつもの効能がありますが、それらの多くは緩やかに表れます。摂取したからといって、すぐに糖尿病が治ったり、血圧が下がったりするわけではありません。期待する効果を得るには、ある程度の期間飲み続ける必要があります。
しかし、比較的早く成果が出るものもあります。例えばダイエットです。一定量のアポラクトフェリンを3ヶ月服用すれば変化が表れます。
26人を2つのグループに分け、一方はアポラクトフェリンを、もう一方には良く似たニセモノ(プラセボ)をそれぞれ300mgずつ、3ヶ月ずつ間にわたって摂取してもらいました。他に栄養制限や運動など特別なことは一切せず、普段どおりの生活です。
【写真1】アポラクトフェリンのダイエット効果
その結果【写真1】を見ると、アポラクトフェリンを摂取していたグループの方が体重が減少していました。体重が減少した人の数も、ニセモノ食品群が12人中2人だったのに対し、アポラクトフェリン群は14人中7人でした。5ヶ月間続けた人の中には、3kg以上減った人もいました。この他、遺伝的に肥満になりやすいネズミを使った実験でも、通常のラクトフェリンを与えた群(グループ)より、アポラクトフェリンを与えた群の方が体重増加を抑えられることがわかっています。
こうしたダイエット効果の一部は、アポラクトフェリンが食物中の糖や脂肪の分解を抑えることで、身体に余分な栄養を入れないためであることがわかっています。食物に含まれる脂肪は、通常、腸の中でグリセリンと脂肪酸に分解された後、体内に吸収されます。その時、脂肪の分解に必要な酵素がリパーゼです。しかし、アポラクトフェリンにはリパーゼの働きを抑制する作用があるため、食事と一緒に摂取すると、脂肪が分解されずに腸を通過し、そのまま排泄されます【写真2】。
【写真2】アポラクトフェリンのダイエットのメカニズム
また、この実験に参加した人たちからは「便秘が解消した」「便通が良くなった」という声も多く寄せられています。アポラクトフェリンには、腸内で大腸菌などの悪玉菌を殺す一方、乳酸菌など有用な細菌を活性化させる作用があります。便秘が解消するのは、その結果として腸の働きが良くなるためです。
参考文献
井上浩義
『アポラクトフェリンのすべてがわかる本』
アーク出版 2015年 pp.107 - 110