ご縁の話
うちに入社して1番長いスタッフで5年目になる。
経験者は他にもいるが在籍期間が長いのはこのスタッフだ。
今日はこのスタッフのお話。
出会い
彼との出会いは19年前で、僕がまだ上京したての頃に入った工場の夜勤のバイト先が同じでした。
携帯電話を作っていく、いわゆる【ライン工】のお仕事でした。
目の前に流れてくる基盤に部品を取り付けて、隣の人に流すという、単純作業です。
難しいことは無く、誰でもできる簡単なお仕事でした。
その工場のアルバイト先で仲良くなったのがその彼でした。
ここではA君としておきましょう。
A君は工場の中でもムードメーカーで、A君の周りはいつも笑い声が絶えない感じでした。
1年間お金を貯めるという理由で入った夜勤の仕事。
1年後、僕はバイトを辞め職人の道へ
A君はお笑い芸人になりたいと芸の道へ進みました。
上手くいかない
バイトを辞めてからも、何度もA君のお笑いライブに足を運びました。
僕も元々、プロのダンサーになりたい夢があったので、夢に向かって頑張る姿は、キラキラしてて羨ましくも思っていました。
たまには二人で呑みに行き(もちろん僕は呑みませんが)芸人の話や、これからやろうとしていることを聞くのが楽しかったのを覚えています。
そうこうしているうちに僕も、働いている会社から独立することとなり、一人親方として働くようになりました。
その後、人を雇うようになり、従業員が入っては辞め、入っては辞めを繰り返すようになりました。
ヨッシーの経営暗黒時代の到来です。
試行錯誤している時に、自分の事をうまくサポートしてくれる人材が必要だ。と思い。
手先が器用で、コミュ力も高い人材が居ないものか?
と思った時に1番に浮かんだのがA君でした。
ただ彼は今夢に向かって進んでる真っ只中ではないですか。
そんな彼の足を止めて良いものなのか?
考えてもまとまらないので、呑みにいくことにしました。
そこで近況を聞いてみると、
「今年売れなかったら芸人を辞める。」と
なんと言うことでしょう。
絶好のタイミングではありませんか!
ここはなんとしてもうちに入ってもらいたい。
ただ、うちには魅力になる武器は1つもない
今いる従業員は1名
個人事業で、社会保険も無し
有給もなければ、夜勤もある。
休みだって取れないし…。
うちにはなんの魅力もなかったんです。
頑張ってます!良い会社にします!
なんてなんの信用も無いんです。
今だと、いろんなところで弊社の魅力を取り上げてもらえるようになりましたが、当時は本当にポンコツ会社で、恥ずかしながら超ブラック会社でした。
嘘ついてもしょうがない
それでもA君が必要だ。
でも嘘をついてもしょうがないのでありのままを伝えました。
会社を大きくはしたいが、まだ自分に力がないと。
会社を大きくするためには君が必要だと。
そして、誰よりも僕が努力するからどうか力を貸してほしいと伝えました。
聞けば、知り合いの会社から何社から声が掛かってるとのこと、
そらそうよな。
器用で喋れる人材は誰だってほしいわな。
一旦持って帰って、考えさせてほしいと言われ、その日は解散。
入社へ
後日連絡が来て、入社させてほしいとのこと。
有難い。
10年以上前のバイト先の友達とまたこうやって一緒に働くことになるのは感慨深いものがある。
そして彼は同い年。
ジェネレーションギャップもなく、なんでも話し合える存在だ。
ここで一つ問題があった。
それは、友達同士で仕事をやり出して果たしてうまくいくのか?である。
これだけは周りからの反応は悪いものの、それが自分にも当てはまるのかやってみるまで分からなかった。
結果
結果としてここはうまく機能した。
【雇い主と従業員】と【友達】という関係性。
ここはA君の配慮でうまくいった。
僕のことを立てなければいけないところではちゃんと従業員として立ち回り、二人の時には友達といった関係性でいけた。
そこもやはりA君が器用だった。
それよりも1番苦労したのは、元々友達だったA君に対して、改善を求める時の言い回しだ。
完全に縦の関係だけではないA君に指摘をするのは最初は躊躇した。
ただそこもA君が真摯に向き合ってくれた。
今、うちのエースとしてなんでも任せられる存在になった。
いつだって僕が求める最高のパフォーマンスを発揮してくれる。
そして努力家だ。
今の彼の夢は、うちの会社を大きくすることだそうです。
独立して行ってもいいと告げているが、自分はトップの器ではないと、
下から支える方が自分には合っているとのこと。
僕からしたら有難いしかない。
このA君が入社してから、うちの会社は少しづつ前に進み出しました。
個人事業【鍔田保温】という暗黒時代の会社から法人【株式会社 CiRCUS】になるまで、一緒に伴走してきた。
・社会保険導入
・有給取得
・昇給の見える化
・自由残業
・自由休暇
・事務所設置
どれも、個人事業の時にやりたかったけど、やれなかったことを実現できたのは、彼のおかげだ。
最高のNo.2だ。
建設系インフルエンサーの集まりに行くと、ヨッシーさんはうまくやってるって印象でお話されることが多いが、そんなことはない。
全然うまく行ってなかったし、今だってこれが本当に合っているのか分からない。
試行錯誤の毎日だ。
最後に
そんなうまくいかなかった時期からブレイクスルーできたきっかけの話を、今月末にお話しさせてもらいます。
CraftBank主催の職人大酒場。
11月29日 金曜日 18時より渋谷であります。
ここでは書ききれなかったエピソードや、改善方法もお話しするつもりです。
もうすでに100名以上の応募があるそうです。
個人的には久々に石男くんに会えるのを楽しみにしています。
最後は告知になってしまいましたが、どこでまた再会するか分からないので、ご縁は大切にしましょうのお話しでした。
本日もご安全に!