【ビジネスマン向け】今更聞けない時事問題Vol.6「バイオマス発電」
先週投稿した小水力発電に引き続き、今回はバイオマス発電について投稿します。
バイオマス発電が注目されるようになったのは、主に20世紀後半からで、その背景には、地球温暖化や化石燃料の枯渇といった課題があり、クリーンなエネルギー源としての期待が高まってきました。
バイオマス発電とは?
バイオマス発電は、植物や動物の残留物、木材、農業廃棄物などの「バイオマス」を燃料として利用し、エネルギーを得る発電方式です。これらのバイオマスは燃焼や発酵によってエネルギーを取り出し、電気を生み出します。
注目されるようになった理由
バイオマス発電が注目されるようになった大きな理由の一つは、持続可能なエネルギーであることです。化石燃料を使うと、燃焼によって大量の二酸化炭素(CO2)が排出されますが、バイオマスは成長過程でCO2を吸収しているため、燃焼してもCO2の排出量が相殺され、カーボンニュートラル(CO2排出量が実質ゼロ)なエネルギーとされています。
バイオマス発電事業を継続するために重要なこと
安定した燃料供給: バイオマス発電を継続するには、安定した燃料(木材チップや農業廃棄物など)の供給が不可欠です。燃料不足になれば発電ができなくなりますし、コストが上昇する可能性もあります。融資を検討する際にはこの部分の検証が一番重要と言っても過言ではないと思います。
効率的な運用: バイオマスの燃焼や発酵によるエネルギー効率を高めるための技術開発が必要です。効率が低いと、コストが高くなり、他の再生可能エネルギー(太陽光や風力)に比べて競争力を失うリスクがあります。よって、一定のノウハウがないとなかなか参入は難しいですが、イーレックス(https://www.erex.co.jp)のようにノウハウがしっかり蓄積ができている企業は日本国内のみならず海外でも事業展開を行っています。
環境への配慮: バイオマス発電の燃焼プロセスでも、二酸化炭素以外の大気汚染物質(硫黄酸化物など)が出る場合があります。これらを制御する技術の導入も事業継続のためには重要です。
メリット
カーボンニュートラル: 上述のように、バイオマス発電はカーボンニュートラルなエネルギーとして、温室効果ガスの削減に貢献します。
廃棄物の有効利用: 農業や森林伐採などで出る廃棄物をエネルギー源として再利用できるため、廃棄物問題の解決にも寄与します。
地方経済の活性化: 農村部や森林地帯での燃料供給が発電事業の基盤となるため、地方経済を活性化させることが期待されます。
デメリット
コスト: バイオマス燃料の供給と発電プロセスには高コストがかかることが多く、他の再生可能エネルギーに比べて経済的な競争力に劣る場合があります。
土地利用の問題: 燃料となるバイオマスを栽培するために、農地や森林が大量に必要になる可能性があり、食料生産や生態系に影響を与えることがあります。
発電効率の低さ: 太陽光発電や風力発電と比べると、発電効率が低いため、同じ電力を得るためには大量の燃料が必要になります。
まとめ
バイオマス発電は、環境に優しいカーボンニュートラルなエネルギー源として注目されていますが、事業を継続していくためには安定した燃料供給やコストの削減、環境への配慮が不可欠です。今後も環境対策はキーワードとしてニュースに取り上げられることも多いと思いますので、私の方でも情報収集・発信を行っていきたいと思います。