コンサルにロジカルが求められる理由を非ロジカルに挙げてみる
外資コンサルで働いて、はや1年が過ぎました。
コンサルに対して世間が持つイメージは、「ロジカル(=難しい問題を構造的に整理し、論拠を正しく並べて結論が出せる)な人が多い」
だと思います。
では実際働いていて、「なぜコンサルタントにロジカルさが求められるか?」を、思いつきベースで、非ロジカルに述べていきたいと思います。
ロジカルって何?
何なんでしょう。先輩からよく言われますが、僕も正解をよく分かっていません。
問題を構造的に整理し、論拠を納得性あるように並べて結論を出すことかなと思っています。
要は、だからで繋げることが
なぜコンサルに"ロジカルさ"が求められるのか?
A1. 検討に漏れがある不安を払しょくさせて、クライアントに意思決定させる役割だから
どんなに高尚な戦略をコンサルが立てても、最終的な意思決定者はクライアントです。
でも会社の趨勢に関わることを決めるのって、責任重いですよね。
「本当にこれで決定していいのかな?」という不安が出るはずなんです。
一番の正義は早い意志決定だと分かっていても。
そんな時に、「こんだけ検討したから、これで決定!」とクライアントが至るまでの”こんだけ”を確信たるものにしてあげるのがコンサルの仕事です。
では、どうやったら検討に確信が持てるか?
答えは、問題をロジカルに(MECEに)整理することです。
どんなにMECE(漏れなく/ダブりなく)な戦略を立てても、変化が激しく情報が溢れる現代ではどうせ漏れがあります。
でも構造的に整理することで、何となくMECEっぽさが出るんです。
所詮人対人の商売なので、このMECEっぽさで十分なんです。それだけで意思決定できるんです。
というより、クライアントが困っている難しい問題なんて完璧にMECEに問題を構造化することは不可能なんです。
(完璧に構造化できる問題なんて、構造的に考える思考法や技術革新によって全て解決されている)
このMECEっぽさ、構造的思考をいかに高いレベル=クライアントが意思決定できるレベルでこなせるかがコンサルに求められるということです。
A2. 多くの人を巻き込む意思決定には、共通言語(=フォーマット)を用いると納得性が高まるから
別に難しい問題を解決するのに、ロジカルさなんて要らないんです。勘でもいいんです。
でも、大きな会社の趨勢に関わる検討となると、多くの人に納得してもらう必要があります。
勘で思いついた話をしたところで、他の社員は理解できないでしょう。
そうやって多くの人を巻き込んで意思決定、行動させるためには、理解を共通化させる必要があるんです。
そんな時に、
色んな立場の人の思考・隠れた全体まで一覧化
or
それらが省かれた事実のみが一覧化
されて、問題が構造化されていれば、理解度の共通化はだいぶ楽になります。
そう言った意味では、ロジカルに整理するのは、関与者の理解度を最も高めるためのコミュニケーション方法と言えるでしょう。
A3. 検討の改善点を探しやすいから
以前まで、コンサルは戦略さえ立てることが出来ればOKでした。
しかし、思考法が流布した時代では、戦略から実行、ひいてはその先の改善までご支援するようになってきました。
(その方が契約期間も長くて、お金も多くもらえますからね)
となると、
・施策を実行してみたけど、不具合が起きた
・結果を振り返って、次のアクションを決めなきゃいけない
そんな状況への支援も求められます。
そんな時にどこで問題が起きたのか?改善点はどこなのか?を模索するときに、検討がロジカルに(=構造化)されているとポイントが見つけやすいんです。
そのポイントをさらに深ぼっていけば、問題点が見つかる可能性が高いと。
つまり、改善点を探す時間が省けるんです。
1年働いて思うことは、ざーっくりこんな感じでした。
これまでの話をまとめると、
コンサルにロジカルさが求められる理由は、
・検討に漏れがある不安を払しょくして、意思決定を後押しするため
・検討関与者の共通理解度を向上させるため
・再検討する時に、改善点を見つけやすくすため
かと思います。
一筆に書いているので、漏れがあるでしょう。
でも、読んでいる人が納得して、何等か次のアクション・考えに移ってくれたら、この記事はコンサル的役割を十分果たしているということです笑
コンサルに関する記事は、思い立ったら書いていこうと思います。
それでは仕事に戻ります。