一番好きな果物といえば桃だ。私の食生活史上では桃との付き合いが長く、桃には目がないものだ。 15歳になろうとした頃だったか、ある夏の夜、家に泊まった親友と一緒に桃の盗み食いへ出かけた。当時の実家は二階建てで、自分の部屋が二階にあり、キッチンが一階にあった。おまけに犬を一匹飼っていたのでキッチンにたどり着くには親と犬を起こさずに、踏むと軋む階段を下りなければならなかった。幼い私たちにはまさにミッションインポッシブルだったが、親の怒りを恐れながら罪を犯す楽しみに手伝って忍者モ