2012年12月11日 13:14 時間は脳の機能であると思うなど2つ

時間は脳の機能であると思う

 時間の速さを決めているのは私の脳ではないだろうか。
 たとえば、CDで音楽を聴いていて、ある曲の速さが物足りないと感じる時、端的にそれを実感する。
 CDのトラックのランニングタイム、時計的時間は、一定に定められている。増加も減少もしていない。
 しかし、あるときには非常に急いで聞こえ、あるときには間延びしてまぬけに聞こえる。
 前者は空腹の時、真夜中に目覚めてCDを聞いてみる時、などに起きる。
 後者は脳・理性の働きが活発である時に起きる。
 ここで、空腹の時や、夜中に起きた時などは、いずれも身体活動が低下しており、脳・理性の働きが不活発であると思い当たるのである。
 そこで、「脳・理性の活発な活動は、時間をゆっくり流す」のではないかと考えることができる。
 もちろん、ゆっくり流れる(早く流れる)時間とは、主観的なものだ。わたしがそのように感じているときも時計的時間は一定であると言うことはできる。あなたはストップウォッチを持ち、「何言ってるんだ、ほらいつも通りだろ、1、2、3、4・・・」と言うことができよう。
 しかし、それでも、時間はゆっくり流れているのだ。
 このとき、活発な私の脳は、ふだんよりも多くの情報を一定の時計的時間内に処理することができている。
 その感覚が間違いでなく、かつ実際に情報処理量が増えていたとしたら、次の仮説が成り立つ。「まわりの時間がゆっくり流れている」ということである。
 わたしの数える一秒が、まわりの数える一秒よりも速く刻まれることは、何を意味しているのか。

 以前の呟きで、理性について考えたとき、理性の発達にしたがって時間と空間の認識力が発達してくるようだ、ということを書いた。この認識の発達には、気付いていない部分があったとしたらどうか。
 脳の働きが活発であるときに時間がゆっくり流れるということは、脳の状態によって、空間や音などほかの客観の認識も変わる可能性があることを示している。
 たとえば、脳がより活発になってくると、単に間延びする感じにとどまらず、音楽全体がより野暮ったく不完全に感じられるようになる(正確な記述は難しい)。これは私が音楽を聴くとき、しばしばピッチ上げを要求するようになった、直接的理由でもある。この感覚が音への認識の変化なのかどうかは検討していないし、また空間への認識についても詳細には言語化したことがない。しかし、機会があれば、記述してみるのもいいかもしれない。

 発達した脳・理性には絶対音のように「絶対的な外部存在」は必要ではない。なぜならば発達した脳自体がすべてを取り決めるからだ、という、ある意味不気味な推論の方向性が見えるのだが、焦らずに進めていこう。
 個人的には、脳が「どのように取り決めるべきか」は、しっかりとした鋳型があり、それに従わねばならないとする立場である。
 たとえば『直観なき概念は空虚である(カント)』などの先達の名言もあるし、第一にそういった「正しい脳・理性の広がり方」に自ら気付くことも、望ましく発育している脳のしるしであると言いたい。

セカイと神

 よりおもしろく、よりわくわくし、より快く、より苦痛が少なく、よりすばらしく、より美しく、より単純でわかりやすく、……これらのいずれもを満たしている主体を、一般にわれわれは、悪魔というよりも神と考える。このような者ばかりが存在する場所があるとすれば、そこを地獄というより天国と言うであろう。
 上記性質を阻害や破壊する存在、ないしは反対である存在を、われわれは悪魔と呼ぶであろう。その上で、悪魔を支持したり目指したいと志す者は、そうすればよいだけの話だ。

 しかしセカイの真理として悪魔もまた極めると神とならざるを得ないのだ(たとえば、Burzumの音楽はそうである)。これはセカイの法則なのである。悪魔(神)といえども、セカイの法則を超えることはできない。

 この面から言うと、神とは、セカイを一つの法則のもとに統合するような「最も力強い法則」があるとした場合、その法則そのものである存在のことを表す。
 これ以下の法則は、セカイを説明するためには己一個では不充分であったり、他の法則との合わせ技によって初めて充分に(セカイを)説明できる、という特徴をもつ。

 これらの性質から、悪魔とは神の部分である、自作自演である、などとも言えることになる。

 現象界は不完全なセカイであることから、現象界には「神そのもの」は存在していない。別の言い方では、現象界には神は端緒や部分としての形式でのみ存在している、と言える。
 神が充分に存在可能である(存在している)セカイは、現象界とは位相がずれており、そのセカイは、現象界のすぐ外を併走するように存在しているイメージによって語ることができる。

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