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2024年01月01日 18:29 ハルヒ、此処に迎え入れらられる(後編)


ハルヒ「『私』の性質は、不幸中毒なのね。『私』は、本当のわたしを、誰よりも嫌っているんだわ。しかし、そんな『私』が脳にポッと浮かび、『私は云々――』という所から、思考や、私の動作が始まるのだから、気づけるわけがないんだわ。『私』は、本当のわたしの事を」
美希「本当のわたし――あるがままの自分――コレで居るとね、『私』は出番が無いんだよ。あるがままの自分って、『私』の土台なの。ケド、『私』がポッと発生した所からしか、『私』は認識しないから、事実を理解できないの。『私』の出番が無いのはイヤだ! 悪だ! 殺す! って思うだけなの」
真美「『私』のセーシツだね→」
亜美「ちかたないね→」
響「此処には、あるがままの自分達しか居ないけどね!」
春香「あるがままの自分で居る事は、『私』の出番が無いという事でねー。『私』はそれを全力で避けるよー。『私は自分が嫌いだ!』『私は自分(や他人)を変えなければならない!』『私は不満だ! ほら問題がここにもあそこにもあるんだ!』って、無意識レベルで、そういう方向に行くんだよー。意識的な思考なら、更に言うまでもないのは、人間の皆さんなら覚えがあるんじゃないのかなー?」 
響「あるがままの自分から、『私』が、ひょいと飛び出して、脳とガチガチに結びつくぞ。だから、こういう文を読んで思考しても、『私』の養分になるだけなんだけどね(笑)」
ハルヒ「今は、判ったわ。『私は幸福になりたい! 不幸は絶対に避けたい!』って『私』は思うものだし、実際に思うよね。だけど、そう思っていても、本当は、『私』は不幸が大好きなんだわ……!! あらゆるものの中で、不幸をこそ、いちばん大好きかもしれないわ!! 『私』は不幸中毒なんだわ。どうしてそれを今は判るかというと、あるがままの自分を経験して、あるがままの自分で在ることが最高の幸福だと、判明したからなんだわ!! この幸福の経験を『私』はできないのだから、『私の幸福』を探し続けるだけになるのね」
春香「そうなんだよー。あるがままの自分の幸福という、最高の幸福を、『私』は、幸福だと思えないんだよねー」
貴音「むしろ、死と並ぶ、最大の恐怖とさえ感じている」
響「だから、ショーペンハウアーも繰り返し述べているように、『私』が機能する仕組みが、不幸を必要とするわけなんだぞ。『そんなことはない! 私は今はお察しだけど、必ず幸せを手に入れる』って、毎回、『私』は言うけどな。なんか嘘くせーなーって思った人間達は、いいかげんマンネリを見破ったほうがいいんだぞ?」
美希「『私』は、『よいもの』(ポジティブ)を求める機能でもあるの。でもね、ポジティブを求めると、必ずネガティブが発生するの。たとえば、意志したものを得られない場合とか」
貴音「更に、そもそも、あるがままの自分から飛び出して、『私』として機能している時点で、ネガティブなのですけれども。その事は、ネガティブ自体である『私』には、知覚できないのです。ネガティブは、『私』にとって、空気のようなものですから。しかし、過敏な人の場合、その空気の重さを感じ取ることもありますが」
春香「ココまでをまとめようかー。『よいもの』を求める『私』は、『悪いもの』を避けられない。たとえば、長生きを『よいこと』だと思っているなら、間もなく死ぬことは『悪いこと』であり、もし間もなく死ぬことになったら、『私』は『悪いこと』によって苦しめられるよー」
響「自分が思うに、人間の脳は、無意識レベルでこれをやってるんだよな。『私の人生』や『私の世界』って、『私』にとって不幸である場合が多いって思うぞ。言ってしまえば、思考に自分を置いているかぎり、不幸である場合が多いだろうな」
亜美「生老病死ィ!!」
真美「愛別離苦! 怨憎会苦! 求不得苦! 五蘊盛苦!」
亜美「ヤバーイ逃れられなーい」
真美「苦しいよ→苦しいんだよ→」
亜美「NONONO脳NONO脳脳NO脳脳脳→」
真美「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄→」
春香「幸福は、『私の幸福』から解放されること、だよー。脳の無意識下の機能に気付き、あるがままの自分を取り戻すことだよー」
貴音「あるがままの自分は、在るだけで幸福が在り、他に何も無い。不安や恐怖にいつも動かされ続ける事から解放されます」
美希「実際、最高の幸福って、あるがままの自分で在ることであり、それ以外にはありはしないの!!!」
ハルヒ「なるほど。『私』だけは、それを認めない。今まで、認めないことを続けて来たから、そう簡単には、『私の世界』は砕け散らない。かもしれない。――それでも、あるがままの自分で在り続けてみる以外に、真実の幸福への道は無い。そういうことなのね」
雪歩「新しい仲間さんが来て、きょうは格別のお茶の味ですぅ」
やよい「うっうー!!」




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過去に他所に書いた文をサルベージしてまとめたものです。 noteにupするに際して、オリジナルの文を一部手直ししている場合があります。

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