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2017年04月16日 10:58 自分要らないなど4つ


自分要らない

幸福を得るための方策の一つとして、自分を忘れるほど夢中になれるものを捜し当てるといったことがしばしば推奨されるが、これは現状、「自分」がおよそ自分にとっても最も不要で碌でもないからに他ならない。


哲学ひとまず区切り

 哲学の手法で世界を見直して、人間が認識できる範囲のことが解ったから、ここでも残った仕事は各論(イデアの説明等)くらいしかなくなったゾ……。愉しかったな……。これ以上行けない所まで来たら、いくら愉しくても、もうやる意味がないゾ。愉しさだけがある所には、中毒しかないからな。
 ひとまず、これでもう哲学をやることはなく、わたしは言葉においては物語に戻れる。哲学によって「物語を語ってダメだ」と解れば物語は辞めるつもりであった。
 ひとは本質的に生きるとき、局面に合ったものが与えられる。これからは何だろうか。大なる因果に揺られて漂う。そしてときには、因果を越えるのである。
 ただし、本質的に生きることは、人間にとって最も難しい。これを学ぶために人間は人間をさせられているようなものだ。「意志する」ということ、ひとに根本的に食い込んだ因業、それを破るんだゾ。


音楽

 音楽が空気を用いることは音楽の本質ではない。音楽の内容は音波ではなく音波の内実にある。これを物理学的な観測によって捉えることはできない。たまたま利用できる空気があったから音楽は空気を利用しているのであり、空気がなければ別の音楽があったであろう。すなわち環境によっては念楽や色楽や触楽や味楽といったさまざまの形態をとって同じものを表現したであろう。


風花(四条貴音)など

『風花』 の曲情報を見る機会があったが、橋本由香利さんやったのか。『見つけてhappy life』や『おまもりひまり』の劇伴、ワイこの人の曲すきなんやよねー。憂鬱というものが解っている女性作曲家やわと思う。しかし橋本さんをウィキペで見てみると、ものすごい作曲量やな……息を吐くように作曲してるやん。
 きょうは市内中部にかけて反時計回りに自転車で一周した。12時の地点かつ標高と夜景のピークであるお寺で音楽プレーヤーから『風花』が流れたのはドラマティックやったわ。しかし顔が痛いほど寒かった……去る冬を惜しんだわ。憂鬱楽曲というのは身体の過重が増す時や季節に効用を発揮するのよ。
 反対の効用の曲もあって、たとえばアイマスではそういう曲が大半を占める。『亜熱帯ガール』とか典型的な身体蒸散型の優曲。
 帰りにN町のイラン人店員のサンクスでホットのソウケンビ茶を買い1分足らずで飲み干したうまさが忘れがたかった。重力まみれの『約束』を聴きながら帰った。
『約束』はきょうのサイクリングの極まり場。この曲の中身はひたすらに真摯さであった。歌い手も魄真の演舞をしていて、そうでなきゃこの曲を最後まで聴かせるなんてできない。
曲の骨格は単純ながらも、ドラミングや展開を作り込んだ大曲。最後のサビの転調は要らないだろうと思ったが、曲の長さを考えると転調があったほうがまとまるんだよな。しかし転調すると千早の声が出切らない諸刃の剣。千早は相当に巧いんだけどね、それでも歌いきれないとかねー。
 本当はこの曲は響のソロで聴きたかったよ。こういう空しくて悲しい曲は、いっけん明るくて開放的な響が歌うから、千早よりもガーンと胸に迫るわけだよー。響ソロ版はわたしの中で(妄想で)制作するしかないね。
 蒸し返すと、反時計回りの2時地点で聴いて、「いっけんクソだけどやっぱいいな」と振り返った『KisS』も、橋本由香利さんなんよな。サックスソロが魅せ所としても、クソっぽさをなぞりつつコードがおしゃれなサビ、キスの擬音を意識した打ち込みなど、至る所に手が込んでいる曲だ。初聴の感想と現在の感想が全く変わった曲。『オーバーマスター』アルバムのオマケと思って油断していたようだ。
 ワイは人間の過重がかかる空しく重く悲しい曲がとても大好きだが、人間から解放される曲も好きだよ。使う局面を区別はする。けれども差別や排除はしない。それでも、過重がかかる曲を聴かなければ、ワイはワイではないだろうね。なんかメタル雑誌インタビュー風だな。(笑)
 曲は作曲者の個性を通して描かれるので、どうしても個性が出るものだ。個性が憂鬱さに馴染み深い人の場合は、曲の根底にも憂鬱さの根が走っている。「開放っぽく見せているけれど荷重系」という曲もしばしばあり、たとえば『Pon De Beach』はワイには夏の仮装をした真冬の曲だし、真昼に偽装した深夜の曲なのだが、いかがであろうか。
 まったくもって、いかなる地上の景色を眺めるよりも音楽を理解するより重要なことはない。
 ところで、12時へと登る書店からの坂は、さいきんの恒例どおり、大腿四頭筋の攣りとお友達でしたなー。もちろん地上には降りないで登り切る。やったぜ。登坂で降りるチャリなんて、心疼くわけないじゃない、わかんないかな……。

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