2014年06月05日 11:30 世界のあるがままなど4つ
無意味を覆う
世界のほとんどあらゆるものごとについて(ほとんどを付けているのは、単にわたしが世界のすべてのものごとを見ていないからにすぎない)、無意味だと判ることができる。
いっぽうで、同じものごとについて、きわめて意義深いと感じることもできる。
そのものごとを好きだということが、無意味であることを超えることができるか、問題は単純なその一点にある。
白(意味がある)でもない、黒(無意味)でもないと、相手のいない一人オセロをちまちまとやっていても仕方がない。
オセロ盤よりも巨大な白い石をズドンと一つ被せてやったら、話は終了だ。
物語を書く
物語を製作するときには、言ってみれば、自分をもう一人創り、その自分と自分とを自在に行き来できなければならない。どちらの自分をも自在に操れなければならない。もっとも操るのは私でなく、芸術の神であるが。
正確には、物語において動く人物(キャラクター)とは自分ではなく、自分以上のものである。だから本当に、これ以上にエネルギーを注ぎ甲斐がある存在はない。よい物語のキャラクターほど、貪欲かつ清廉なものはない。高位の存在は、世界の幅を飲み込み、平然としている。
世界のあるがまま
わたしの仕事は、世界という書物のあるがままを読むことである。
この書物は、どこを開いても神秘と輝きと発見と、それらを束ねる真理の、名状しがたい意味によって溢れている。
思うに、薬物使用者や、(いわゆる「一般」だけからみて)ある種の脳機能の異常者が、一見代わり映えしない世界の景色から、重大な意味を観て取るのは、錯乱や妄想ではない。
世界のありのままとは、本来それほどに、どこをめくっても真理が書かれてある書物も同然なのだから。
世界のあるがままこそ、最高に意味のあるものである。
恐らく、この命題を、理解しない人々がいるだろう。
さらに、その中の一部の人々は、この命題を嗤うだろう。もちろん彼らは、世界の神秘なる奥深さを知らない。こうした人々は、漫画やアニメを世界そのものと信じ込もうとする、一部のヲタクと似ている。かれらは、同族嫌悪からであろう、ヲタクを見下し虐げるという愚挙を恒常的に犯しているように見えるが、その実は五十歩百歩の種族である。
彼らには生まれついての特別な才能があると言うしかない。たとえば、自分の目に見える世界を、世界そのものと信じ切って走り切る才能である。
かれらは世界をさえ超越する――「普通」ということの強靭さよ。
余所川所属のサークルに新メンバーが入った際の某メタル雑誌風インタビュー
――サークルに「ニック」が加入しましたが、バンドはどう変わりましたか?
『そうだね。ニックは現実世界での遊び相手としては最高に面白い奴の一人さ! 彼は現実世界のプロという肩書きを持っているグッドガイだ。彼と現実世界のことを喋っていれば退屈はしないと保証できるよ!』
――あなたたちがティーカップを持ってお茶に興じる姿は想像できませんね(笑)
『ああ、たしかにヘヴィなフューネラルティータイムになるね。30キロのダンベルを片手にお茶を飲んでいるよ。ジャパン・ティーはとても濃厚でアタマの奥までクるんだ。癖になる味だよ。他に何を飲んでいるかって? それはちょっと言えないね。(笑)』
――ニックはどういったプレイヤーですか?_
『たとえば俺はSFとかゲームものとか成長物語といったプログレッシブでテクニカルなジャンルが得意なんだけど、彼が得意としているジャンルは現実だね。彼はとてもパワフルだし、優れたリフメイカーだ。彼は現実を一瞬でクールなリフにしてしまう。リフを動力にして曲をプレイするスタイルだね。彼が書いた曲は、最近のバンド(サークル)のプレイリストでも聴いてくれたと思うけれど、一聴に値するよ。エッジがきいたタイトでヘヴィなプレイさ。』
――クリエイティブなアトモスフィアが生まれている?
『間違いないね。俺達は違うジャンルを得意とするプレーヤーから刺激を受けるし、互いにリスペクトしてもいるんだ。いい才能から刺激を受けることは、俺達アーティストの栄養剤みたいなものだからね。
俺に足りないものを持っている人はたくさんいるよ。だけど俺はそれを恥ずべきこととは思っていない。彼にはあれができて、俺にはこれができる。それは素晴らしいことじゃないのかな。
俺は、自分にない輝きを見ることで、世界の美しさを今よりもずっとよく知ることができる。そういう体験は回りまわって、俺の原動力になるんだ。』
――いいフィーリングの循環がある?
『ああ。この世界の素晴らしさを知ることは、俺を大きくさせてくれるし、力も与えてくれる。だからたくさんのいい才能たちからどんどん刺激を受けたいね。そうして受け取ったものを、俺達は作品や表現という形で、この世界に返していくんだ。こうして良好なエネルギーを世界に循環させることが俺達の仕事なんじゃないのかな。』
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