昆虫食の課題と可能性
いよいよ夏休みです。昆虫や昆虫食をテーマにしたイベントが
各地で開催されると思われます。それに伴い、親子で昆虫食を食べたり、
昆虫食について考えたりする機会が増えると思われます。
昆虫食を開発する側も、コオロギ以外の昆虫に前向けたり、販売する側も、
コンビニエンスストアで昆虫食を販売したりと、SDGsとか難しいことは
除いて、昆虫食は様々な場所で浸透してきたように思われます。
しかしまだ、元々昆虫や昆虫食が好きな人には深い関心がもたれていますが、そうでない人にはまだまだのような気がします。せっかく親子で考えた昆虫食も”夏休みの宿題だから”で片付けられてはもったいないです。
そんな昆虫食の課題と可能性について、昆虫料理研究家の内山昭一先生に
伺いました(以下、カッコ内はすべて内山先生の発言です)。
(課題としては昆虫が現在、肉や魚と同じように食用としてスーパーに並んでいない理由の一つに、昆虫食がほかの食品に比べて高価であることが挙げられます。これは、人件費と飼料代の値段が高いためです。この問題は、養殖を自動化させることや、食品ロスをエサにすることで解決できるかと考えます。又、まだ昆虫食は寄食のイメージが強く、安全性が気になる消費者がいるという問題があります。これについては、2020年の10月に農林水産省が
「フードテック官民協議会」を立ち上げ、その中の「昆虫ワーキングチーム」が昆虫食の食品としての安全性などの基準作りやJAS取得による市場拡大を検討しています。)
https://foodtech-lab.jp/public_private_council/ フードテック官民協議会とは
(可能性としては、災害時の非常食としての利用が考えられます。
災害時には炭水化物は比較的早く届きますが、タンパク質は1か月過ぎても
必要量が届かない、という報告があるほどタンパク質の確保は難しいとされています。又、届く食料も炭水化物に偏っていて、タンパク質が不足しています。昆虫食は家畜と同等のタンパク質を含んでいます。又、タンパク質だけではなく、ビタミンB、ミネラルも豊富です。非常食として昆虫食を用いることで、災害生活の長期化に伴うタンパク質不足を防ぐことができると考えられます。)
質問以外にも、昆虫を食べる際の4つの注意点を教えてくださいました。
(下記参照ください)
1,有害昆虫を食べない
(例えば、ツチハンミョウ科の仲間は、加熱しても分解されないカンタ
リジンという物質を体液に含んでいる)
2,有害植物をエサにしている昆虫にも注意する
(キョウチクトウ・・・キョウチクトウスズメ)
(ウマノスズクサ・・・ジャコウアゲハ)
3、必ず加熱する
(火を通すことによって細菌による食中毒のリスクが半減する)
4,甲殻アレルギーに注意する
(エビ・カニなど甲殻類アレルギー体質の人は注意)
第1回から6回まで内山先生へのインタビューを掲載させて頂きました。沢山の貴重なご意見を聞かせて頂き、ありがとうございました。 yosino
先生監修の本が出版されます
https://honno.info/kkan/card.html?isbn=9784278084054
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