宇宙で蚕のさなぎを食べる?
宇宙食としての昆虫食
先日(6月28日)、JAXAは、宇宙飛行士の選抜試験について205人が
第0次選抜に合格したと発表しました。昨年、13年ぶりに募集した
宇宙飛行士候補者には、過去最多の4127人が応募したとのことで、
宇宙への関心が沢山の人に注がれていることが分かる応募数となりました。
最終試験に合格された方々は、宇宙でどんなミッションを遂行されるのか、
気になりますね。又、昨年の12月には、実業家の前澤友作さんが、日本の
民間人として、初めて国際宇宙ステーションに滞在されました。
まだまだ身近ではありませんが、宇宙が少しずつ私たちに近いものに
なってきました。そして、宇宙に行くだけではなく、長期滞在や移住の場所としても捉えられるようになりました。長期滞在や移住するためには、
宇宙で食料を自給自足することが大切になります。その担い手として、
昆虫食が注目されています。そこで、宇宙食として昆虫食が注目されている
理由を、先生にお伺いしました。
(以下カッコ内はすべて内山先生の発言)
「宇宙で食糧を確保する場合、問題になるのが
『動物性たんぱく質の確保』と『長期的な自給自足のシステム』の成立
についてです。この問題の解決のために、昆虫食、カイコが
注目されています。その理由として、
1つ目として、軽量なタマゴで運び、火星で孵化させて育てることができる
ことができること(大きな家畜は運ぶことが難しい)。
2つ目として、5000年来家畜化されたカイコは、飼育技術が確立されている
こと。
3つ目として、栄養価が高く、家畜と比べてタンパク質など遜色ないこと。
4つ目として、宇宙農業は、物質を再生して利用する循環型システムが求め
られる。宇宙食として昆虫食は理想の食材であること。
が挙げられます。」
又、今後の課題としては美味しく食べるためのレシピの開発などを
挙げていらっしゃいました。
地球の食糧の問題だけではなく、宇宙での食料の問題の解決の
担い手になっているなんて、昆虫食ってすごいですね。
養蚕農家に年々減少の兆しが見られるそうですが、今後は生糸の
生産だけではなく、たんぱく源の生産として見直されるようになったら、
養蚕農家が増えるかもしれません。それは、昆虫食が単なる寄食や
好奇心などに留まるのではなく、日本の産業開発、技術の伝承に
繋がるのではないでしょうか。
内山先生監修の本が出版されます
話は変わりますが、内山先生が監修された
「めちゃうま!?昆虫食辞典」
という本が7月の下旬に出版されるそうです。
食べられる昆虫の生態データとともに、栄養素や味なども掲載された、
楽しく美味しく昆虫食を知ることができる一冊なのだそうです。
こちらも楽しみですね。
次回は、内山先生へのインタビューの最後になります。
昆虫食の課題と可能性についてです。
先生、ありがとうございました。 yosino