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「モテたい」はゲイをも殺す

僕が好きなポッドキャスト「ゆる言語学ラジオ」で知ったのですが、
「好奇心は猫をも殺す」という西洋のことわざがあります。

確かに、過剰な好奇心は危険な場面に出くわす確率が上がるし、
好奇心によって死んでしまうということもあると思います。

似たようなことわざで『「モテたい」はゲイをも殺す』というものがあります。

嘘です。僕がさっき思いつきました。すみません。

あくなきモテ体形の探求

ゲイの中でも色々な派閥(?)というか、好みの体型やら顔・髪型やら、外見のカテゴリー分けがありますが、
ストレートの男性は細マッチョがモテる場合が多いのに対して、
ゲイではゴリマッチョ的なガッチリしたガタイが良い男性や、豊満な体系の男性が人気があるように思います。

今では一般的にも使われることがある「ガチムチ」という言葉がありますが、もともとゲイの世界で使われていた言葉で、「ガチムチなイケメン」などと言って、ガッチリムッチリした肉感的な体型が好きなゲイは結構多いのです。
そして僕も外見で言うと、体型が全てではないですが、割と体は大きい人が好きな方だと思います。

以前、同じジムに通っていた知人の50歳のゲイ男性とお話をしていると、
「ケンゾーちゃんは若いし、ガタイも良いからモテるでしょ?」と、ザ・社交辞令を言って下さったので、
「いやいや、もう『若い』って歳ではないないですし、僕なんて全然ですよ。そちらこそ、ガタイ良いしモテるでしょ!」
というような返答をしたのですが、
知人はその言葉にあからさまに顔を曇らせました。

あ、なんかマズいこと言ったかな。。と心の中で焦っていると、
「モテたいと思って、体を大きくするためにご飯をたくさん食べるようにしていたんだけど、この間の検診で糖尿が分かってね。今は食べるのセーブしながら運動しているの。」と暗いトーンで教えてくれました。

50歳手前にしてモテたいと思ってご飯をたくさん食べるなんて、何て可愛いらしいオジサンなんだろう!と思いつつ、
思いがけない地雷を踏んでしまい、
「あ、そ、そうだったんですね。でも体型キープしてて凄いです!」とあわあわしながら言ったのち、
「さもありなん」と心の中で納得しました。

ガチムチ体型に憧れて、一生懸命身体を大きくしようとして、
健康を損なうというのはあり得る話というか、僕も身に覚えがあったからです。

モテ体型になるための努力

20代前半の頃は細めな体型だったので、
マッチョになってモテたいという思いで、プロテイン飲みまくったり、牛乳1リットル一気飲みしたり、ランチはさくら水産で卵かけご飯お代わりしまくったり、なかなかハードな食生活を送っていました。

20代前半という若さと、毎日のようにせっせとジムに通っていたこともあって、
それが原因で健康を損なうところまではいきませんでしたが、
肝臓の値とか、コレステロール値とかはギリ正常値くらいの状態になりました。
その頃は、牛乳一気飲みのせいで凄い下痢になったくらいで済みましたが、
今の年齢と運動状態で同じことやったら、速攻で死ぬな、と思います。

とにかくマッチョになったらモテると信じ、ジムにせっせと通っていて、
ジムのトレーナーからは「スポーツしているわけでもないのに、すごい頑張って鍛えてますよね。誰かぶっ飛ばしたい人でもいるんですか?」と不思議がられるほど、一生懸命鍛えていました。

更に、絶対に他人にはお勧めしないし、今ではクレイジーすぎるし、バカだったと思っていますが、
僕は20代後半から30歳くらいまでの数年間、「マッチョになってモテたい」という思いが行くところまで行って、
アナボリックステロイドを飲んだり、注射したりしていた時期があります。
アナボリックステロイドとは、筋肉増強のためのステロイド剤で、ドーピングに使われたり、アメリカとかでは違法薬物扱いの奴です。

ステロイドに関してはまた別の記事として書こうと思いますが、
使っていた時期は、確かに筋肉はついてきましたが、体はどんどんボロボロになっていく感じがしました。
かなり副作用とか肝臓への悪影響を考えて、色々なケアをしていたつもりですが、それでも肝臓の値は悪化しましたし、肌もニキビができやすくなりました。
そして何より、夜眠れなくなったり、異常にイライラしたり、怒りっぽくなる、という精神的な悪影響が凄かったです。

だいたい周囲の友人や同僚からは「温厚」とか「落ち着いている」とか静かなイメージを持たれる僕ですが、
その頃の仕事仲間からは、「あの頃のケンゾー殺気立ってよなぁ」「ちょっと変でしたよ」などと言われるほど。
丁度その頃、クセが強い上司と仲が悪かったり、仕事が激務だったころと重なっていたこともあり、ストレスで精神的にやられていたのだと思われていましたが、
実はモテたいがために使っているアナボリックステロイドのせいであったとは言えません。

怒りのコントロールもうまくできなくて、
上司との口論中に突発的に怒りにかられて思わず席から立ちあがって睨み付けるような時もありました。
我に返って座りましたが、あのままボルテージ上っていったら、本当に上司をぶっ飛ばして社会的に死んでいたかもしれません。

褐色肌に憧れてカブトムシになる

今は肌は白い方で、日焼けすると真っ赤になってしまうので出来るだけ日焼けしないように気を付けています。

ただでさえ老け顔なので、肌の老化を防ぐために、紫外線は出来るだけ避けようと思っており、
パートナーと南国に旅行に行ったときの写真とかも、日焼け止めを塗りたくった上に、帽子を深くかぶり、長袖の服を着ているという重装備で、
南国の解放感0な写真ばかりになっています。

そんな僕ですが、ゲイとして活動を開始した直後、学生時代には、
ゲイ雑誌のグラビアに写る褐色肌のイケメンゲイに憧れて、
肌を焼いていた時期がありました。

もともと、日光で焼くと赤くなってしまう体質だったので、
日焼けマシーンで焼こうと思い、
金が無い学生だった僕は、ネットカフェに日焼けマシーンを設置しているところを見つけて、
そこにせっせと電車で通い、褐色肌を目指して日焼けし続けました。

肌はどんどん黒くなったのですが、
健康的な褐色というよりは、なんかどす黒い感じのこげ茶色みたいな肌の色になっていきました。

そして、研究室の先生とスカイプで会議しているときに、
「なんかお前、カブトムシみたいになってるな」と言われたのでした。

カブトムシ。。悔しいけど、PCの画面にうつる自分の肌は蛍光灯のライトを反射して黒光りしており、より一層カブトムシ感が強まっていました。

「か、カブトムシ~!ひー!ハッハッ!」と両手をパンパンたたきながら笑い転げる同期女子達を見ながら、
”少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ 甘い匂いに誘われたあたしは~♪”とaikoの歌声が脳内に響き渡り、
「あぁ、日焼けすんのやめよ」と思ったのでした。

今となっては、肌への影響とかを考えると、あのタイミングで止めておいて良かったなと思います。

まとめ

モテるために努力するのは素敵なことだし、それが色々な原動力になると思いますが、
常軌を逸するレベルというか、健康を害するような方向に行かないように、自制しながらやっていかないと危ないなと思います。
たとえモテることが出来ても健康を損なってしまったら元も子もないですし。

一方で、僕は最近は感染症予防を言い訳にジムもサボって、身も心もダルダルになっており、
ただの怠慢で健康を害している感じになっているので、
SNSで裸体を晒しているイケメンマッチョの画像等をモチベーションに代えて、健康的なマッチョを目指してまた筋トレを頑張ろうかなと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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