【百年ニュース】1921(大正10)12月27日(火) 函館水電50形電車が設計認可となる。のちの函館市交通部500形電車の見本となり、530号が改造されながらも現存している。ヴェスティビュール(連廊)の丸屋根開放式大型ボギー車。函館水電株式会社は函館市を基盤とする電力会社であったが路面電車も運営した。
北海道函館市で電力事業と路面電車事業を営む函館水電株式会社の新型車両「50形電車」が設計認可となりました。ヴェスティビュール(連廊)の丸屋根開放式の大型ボギー車で、のちの函館市交通部500形電車の見本となりました。このタイプは改造されながら、一両(530号)が現存し、現役で活躍しています。
日本で初めて馬車鉄道が開業したのは1882(明治15)年の東京馬車鉄道になります。その後馬車鉄道は路面電車に代わりますが、日本初の路面電車が開業したのは1895(明治28)年、京都電気鉄道が嚆矢となりました。函館においては、1897(明治30)年に初めての馬車鉄道であるが亀函馬車鉄道が開業したあと、1911(明治44)年に函館水電がこれを買収、2年後に一部が電化し北海道初の路面電車が運転されました。
1934(昭和9)年に函館水電は帝国電力に社名変更。1940(昭和15)大日本電力への合併されると、2年後に配電統制令により北海道内の配電事業は分社化され、のちの北海道電力の前身となりました。同じく1942(昭和17)年のは陸運統制令により路面電車事業も分離されました。
函館の路面電車(現在は函館市交通局)は馬車鉄道の後身であるため、軌道の幅が特殊であることが知られています。4フィート6インチ(1,372mm)という珍しい軌道は京王線・京王新線・都営地下鉄新宿線・都電荒川線・東急世田谷線のみが現存しています。
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