【小説】あったらイイナを具現化!モノづくりについて 僕たち若手が語ってみた。vol.19
4日目:日本の市場動向について Part.3
『紙容器の市場動向について』
(須崎)
次は紙容器の動向について話します。
先ずは、紙パック容器の需給についてです。
主な紙パック使用メーカーは14社
日本製紙クレシアが31%を占める。
(徳馬)
14社もあるんだね。
(須崎)
紙パックの需給を見ると現在、国内で紙パックを一定量使用している製紙メーカーは14社あるんだ。
(金子)
市場の規模はどのくらいなるのかな。
(須崎)
主要の飲料容器別市場の調査を見ると、2017年の主要飲料容器市場規模は国内出荷量ベースで、前年比0.4%減の752億2000万本との事。2018年は、0.5%増の755億6400万本を見込む。前年に引き続きPETボトルが5.1%増で好調、紙カートンは1.1%増の微増となっている。
(宮地)
紙カートンの市場は?
(須崎)
これまで紙カートン市場はシンプルな市場構図で、
例えば牛乳に対し、日本製紙、日本テトラパック、
北越パッケージ、石塚硝子の4社がゲーブルトップ
型紙カートンで競合し合う。
ブリック型の紙容器では、日本テトラパックと日本
製紙が競合している。
アルコール用バリアカートン市場では、凸版印刷と
大日本印刷(DNP)でしのぎを削っている。
こうしたなか、市場が表層上で大きく動いたのは、
2016年に日本製紙、大日本印刷、北越パッケージ
が各々海外有力企業と提携したことにあるが、
これは大手飲料メーカーをはじめとするユーザー企業
の付加価値向上を目指す動きの一環との事である。
一方で、各社の戦略は明確に異なり、日本製紙は先ずは
チルド流通向けでのポジショニング強化を目指している
ようですが、大日本印刷と北越パッケージは常温流通用
のアセプティック(無菌充填)容器を活かし、新たな
事業創出を進めている。
(徳馬)
世界のシャア上位に日本企業は入っているの?
(須崎)
2019年の製紙・パルプ業界の世界市場シェアは
このようになると言われている。
1位:インターナショナルペーパー
2位:ウェストロック
3位:ストラ・エンソ
4位:王子製紙
5位:スマーフィット・カッパ
6位:UPM
7位:ナイン・ドラゴンズ・ペーパー
8位:キンバリー・クラーク
9位 :日本製紙
10位:スヴェンスカ・セルローサ
トップ10に王子製紙と日本製紙が入っている。
(宮地)
2社も入っているんだね。
(須崎)
2社はこんな会社。
4位:王子製紙(王子ホールディングス)
国内最大手の製紙会社。2010年にマレーシアのGS Paper & Packaging (GSペーパー&パッケージング)を買収し、2014年にニュージーランドの紙パルプ・段ボールメーカーのCHHPPを買収する等、近年海外展開を加速させている会社。
9位:日本製紙
国内大手製紙メーカー。タイの製紙大手サイアム・グループペーパーを買収している。
(金子)
どのくらいの市場規模なの?
(須崎)
2019年の製紙パルプ業界の市場規模は
3500億ドル(約38兆円)とのこと。
(宮地)
凄い規模なんだね。
(須崎)
最後に紙パックの回収率(2018年)について
話します。
データは全国牛乳容器環境協議会より
引用させていただきました。
・2018年度の紙パック回収率
(損紙・古紙を含む)は、42.5%。
・2018年度の飲料⽤紙パックの
原紙使⽤量は、223.0 千トン。
・飲料メーカーを通して 国内に出荷
された飲料⽤紙パックは、193.3 千トン。
・国内紙パック回収量は94.7千トン。
・このうち使⽤済み紙パック回収量は、
65.5千トン。
(宮地)
混ぜるとゴミだが、分ければ資源になる。
消費者もしっかり回収に協力しないとね。
(徳馬)
協力?宮地、やってないのか?(笑)
(須崎)
1Lの牛乳パック6枚で、トイレットペーパー
が1個作れる(生まれる)。資源を大事に使用。
(徳馬)
面倒くさがりな宮地、しっかりやれよ!
(須崎)
以上で紙容器の市場動向は終了。
次は、金属紙容器の市場動向です。
金子、お願いします。
次回‥
4日目:日本の市場動向について
Part.4(金属容器)
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