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【小説】あったらイイナを具現化!モノづくりについて 僕たち若手が語ってみた。vol.14

3日目:容器の製造方法について Part.2

『プラスチック容器の製造方法について』

(徳馬)
次は、プラスチック容器の製造方法を
話します。
プラスチックで代表的な物の一つPETボトル
の作り方(製造方法)について話したいと思い
ます。

先ずは、プリフォームを成形する。

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※参考:写真の射出成形機は、
日精樹脂工業㈱製です。

(宮地)
プリフォーム?お米みたいな粒のやつ?粒ガムかな(笑)

(徳馬)
そうだよ。お米みたいな粒が樹脂でペレット と言うんだ。それを射出成形機という機械に入れて溶かし、金型の中に流し込み、冷やして固めて試験管状のプリフォームという形に成形するんだ。

(金子)
透明な試験管(笑)
このまま容器でいいじゃん。

(徳馬)
透明な物や色を混ぜた物があるんだよ。また違う樹脂を層になるように成形した積層タイプという物もある。

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(徳馬)
飲み口の部分を白くする白化作業というのが
あるんだよ。

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(須崎)わざわざ、飲み口を白くするの?

(徳馬)
そう、ボトルに入れる物によって、飲み口を熱で変形しないようにする必要があるんだ。
プリフォームの飲み口だけ白くする“結晶化という工程”を行う。そうする事で、熱い中身を入れても飲み口の変形が抑えられるんだ。

(金子)
その後はどうするのか?

(徳馬)
この後はブロー成形作業になる。

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※参考:写真のブロー成形機は、
Sidel社製です。

(須崎)
ブロー成形とは、ボトルを風船のように膨らませること?

(徳馬)
そうだよ。ブロー成形機という機械にて、先に成形した プリフォームを加熱して、ボトルの形をした金型へ入れ、中で空気を吹き込んで膨らませてボトルにするんだ。

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※参考:上記の工程図は、
容器メーカー㈱吉野工業所
のHP掲載図です。

(須崎)
すごい成形だね。

(徳馬)
この成形は、二軸延伸ブロー成形法と呼ばれ、加熱したプリフォームを金型に入れた後、延伸ロッドと呼ばれる棒で垂直方向に引き伸ばしながら加圧空気を吹き込み、円周方向に膨らませる成形法なんだ。伸ばして成形することでPETボトルが強くなる。

そして、ボトルの成形後にコーティング(蒸着)作業を行う場合もある。

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※参考:写真のコーティング機は、
三菱重工機械システム㈱製です。

(金子)
PETボトルに膜を貼るの?

(徳馬)
ボトルの中身を長持ちさせる(酸素バリア性の向上)方法として、ボトルにDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングやシリカ膜をコーティングする工程がある。
文献ではお茶や炭酸、お酒などのボトルに使われている技術のようなんだ。(勉強不足ですみません)

その後、ラベル・検査などの工程になる。

(宮地)
チェックする工程だね。

(徳馬)
ボトル成形後、ラベルなどを付けたり、ボトルの外観寸法などを検査機を使って行う。

そして、箱詰め・バルク作業になる。

(須崎)
最後は梱包作業だね。

(徳馬)
ボトルは、箱に詰めたり、バルク(パレット)に必要量を載せて出荷されるんだよ。

※ボトルの種類

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※参考:上記の資料は、
容器メーカー東洋製罐㈱
のHP掲載図です。

(金子)
色々と種類があるの?

(徳馬)
PETボトルは、使う材料も用途により、違うグレードが存在し、使い分けているんだ。

(宮地)
みんな一緒に見えるけど、違うんだね。

(徳馬)
ボトルの飲み口が“耐熱性の違いで白い”という事だけではなく、炭酸のボトルでは、底部がペタロイドと言われる形状になっていて、中身の炭酸圧力でボトルが変形しない工夫がされているんだよ。

(須崎)
ペタロイドって花びらみたいな底をしているボトルの事だね。

(徳馬)
そうだよ。

(宮地)
ボトルの形は、外観がボコボコしている物もあるけど、あれも意味があるの?

(徳馬)
詳しくは分からないけど、ボトルに熱い物を充填(中身を詰める)するのにボトル形状の変形防止などの対応として、ボトルに減圧吸収パネルという形状の工夫がされているらしい。
この形があることでボトルが変形しないらしい。

(金子)
今までは、そういう、目で見てなかったな。
今度、コンビニやスーパーで見てみよう。

(徳馬)
以上で、プラスチック容器(PETボトル)の製造方法の話は終了します。次は紙容器の製造方法を須崎、お願いします。

次回‥
3日目:容器の製造方法について
    Part.3(紙容器の製造方法)

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