【小説】あったらイイナを具現化!モノづくりについて 僕たち若手が語ってみた。vol.22
4日目:それぞれのまとめ Part.2
『プラスチック容器のまとめ』
(徳馬)
4日間のプラスチック容器の内容を
まとめます。
①歴史
・最初のプラスチックは1868年(明治元年)
にアメリカで生まれた。
・プラスチックの中で、最初にできたのは、
“セルロイド”。
・日本では、1914年(大正3年)に石炭から
フェノール樹脂が作られたのが始まり。
・今、世界で1年間に生産されるプラスチ
ックの量は、約3億8000万t(2015年
のデータ)もの量が生産されている。
・日本では、1960年(昭和35年)には1人
当たりのプラスチック消費量(年間)は、
約5.8kgだったが2000年(平成12年)
には91.4kgと40年で16倍に増加。
・日本のプラスチック生産量は、1997年
(1521万トン)をピークに減少してる。
1999年:1457万t
2010年:1224万t
2019年:1050万t
(日本プラスチック工業連盟ホームページ
より)
②素材(材料)
・プラスチックは、合成樹脂と言われ
ている。
・プラスチック(Plastic)の語源は、
ギリシャ語の形容詞“plastikos(可塑性
のある)”と言われている。
・構造としては、人工的に多くの分子を
合成させた物がプラスチック。
・プラスチックには、大きく分けて2
種類ある。熱可塑性プラスチックと
熱硬化性プラスチックである。
・プラスチックは、高分子やポリマーと
呼ばれている。
・プラスチック原料は、昔は石炭だった
が、今は石油。
・日本では、石油は99.7%が外国からの
輸入。
・うち約90%をサウジアラビア、アラブ
首長国連邦、カタール、クウェートなど
の中東の国から輸入している。
・プラスチック‥原油→石油精製工場→
ナフサ→プラスチック原料→プラスチ
ック加工→プラスチック製品という流
れで製品になる。
・石油精製工場では、原油を熱して、
気体になる温度差を利用し、ガソ
リン・ナフサ・灯油・軽油・重油・
アスファルトに分けられる。
・プラスチックは、この中の“ナフサ”
から作られる。
・ナフサに更に熱を加え、エチレン・
プロピレン(気体)・ベンゼン(液体)
など、プラスチックの元になる原料が
作られる。
・これらのプラスチック原料に、柔軟性
・強度向上などの添加剤を加えた物を
ペレットと言う。
・ペレットは、小さな粒上の物で透明な
粒もあれば結晶化し白い粒もある。
このペレットから様々な形のプラスチ
ック製品(容器)が生まれている。
・PETボトルの原料は、ポリエチレン
テレフタレートという。
・石油から作られるテレフタル酸とエチ
レングリコールを原料にして、高温・
高真空下で化学反応させて作られる
樹脂の一つ。
③製造方法
・プラスチックで代表的な物の一つ
PETボトルの作り方(製造方法)
についての話である。
・先ずは、プリフォーム成形。ペレット
を射出成形機という機械に入れて溶か
し、金型の中に流し込み、冷やして固
めて試験管状のプリフォームという形
に成形する。
・透明な物や色を混ぜた物がある。また
違う樹脂を層になるように成形した積層
タイプという物もある。
・飲み口の部分を白くする白化作業という
のがある。
・プリフォームの飲み口だけ白くする
“結晶化という工程”を行う。そうする事
で、熱い中身を入れても飲み口の変形が
抑えられる。
・この後はブロー成形作業になる。ブロー
成形機という機械にて、先に成形した
プリフォームを加熱して、ボトルの形
をした金型へ入れ、中で空気を吹き込ん
で膨らませてボトルにする。
・この成形は、二軸延伸ブロー成形法と
呼ばれ、加熱したプリフォームを金型
に入れた後、延伸ロッドと呼ばれる棒
で垂直方向に引き伸ばしながら、加圧
空気を吹き込み、円周方向に膨らませ
る成形法。伸ばして成形する事でPE
Tボトルが強くなる。
・そして、ボトルの成形後にコーティン
グ(蒸着)作業を行う場合もある。
・ボトルの中身を長持ちさせる(酸素
バリア性の向上)方法として、ボトル
にDLC(ダイヤモンドライクカー
ボン)コーティングやシリカ膜をコー
ティングする工程を行う場合もある。
・その後、ラベル・検査などの工程を
経て、箱詰め・バルク作業になる。
・PETボトルは、使う材料も用途に
より、違うグレードが存在し、使い
分けている。
・ボトルの飲み口が“耐熱性の違いで
白い”という事だけではなく、炭酸
のボトルでは底部がペタロイドと言
われる形状になっていて、中身の炭
酸圧力でボトルが変形しない工夫が
されている。
・ボトルに熱い物を充填(中身を詰め
る)するのにボトル形状の変形防止
などの対応として、ボトルに減圧吸
収パネルという形状の工夫がされて
いるらしい。
④市場動向
・2019年の生産量ベースデータでは、
ペットボトル、缶、紙、瓶等の容器
で、一番シェアが高かったのは、
ペットボトルで75.2%。
・ペットボトルを製造している代表的
な会社は、東洋製罐株式会社、株式
会社吉野工業所、大和製罐株式会社、
大日本印刷株式会社などがある。
・ペットボトルの底にマークがついて
いて、どこが造ったのか分かるよう
になっている。
・2019年をカテゴリー別でみると、
紅茶飲料、ミネラルウォーター類など
が増加したようです。
・容器の形や機能は、特許が出されて
いて、トップ3は東洋製缶、吉野工業
所、大日本印刷。東洋製缶と吉野工業
所の2社が総合力で他社を圧倒してい
る。
・ペットボトルの課題は、軽量化・強度
・バリア性・環境対応など様々ある
ようだ。
(徳馬)
プラスチック容器のまとめは終了。
次は、紙容器容器のまとめを須崎、
お願いします。
次回‥
4日目:それぞれのまとめ
Part.3(紙容器)
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