父のこと 梶芽衣子さん
梶芽衣子さんが書いた「真実」(文芸春秋社)という本を読みました。
当時トップ女優だった浅丘ルリ子さんを、駆け出しの梶芽衣子さんが役の上とは言え突き飛ばす、名監督の益田利雄監督からの要請だったとは言え、一発どりで兵隊役のメガネを飛ばすほどぶん殴ります。たいした度胸です。
度胸があるから、決断にも揺らぎはありません。23歳の時、所属していた映画会社日活をやめる決意をします。当時日活は経営が思わしくなく、それまでの石原裕次郎さんや小林旭さん渡哲也さんらによるアクションから日活ポルノ主体に路線変更をする直前でした。
しかし、それが良かった。その後、「女囚さそり」に主演し、「仁義なき戦い」で重要な役を演じます。クエンティン・タランティーノの「キル・ビル」は梶芽衣子主演の「修羅雪姫」のオマージュです。やがて、梶芽衣子さんは「悪いやつら」、「曽根崎心中」、「鬼龍院花子の生涯」などに主演します。
彼女の女優人生を見ていると、梶芽衣子さんは、追い詰められた時、肝が座って、ちゃんと自己主張するんです。この「個」の強さは、アメリカに渡ってテレビ出演までした和食の料理人のお父さんの影響があったのかもしれません。
実は、この本の中に、僕の父(高品格)のことが書かれています。梶芽衣子さんが新人の頃のエピソードです。
親父、なかなかやるじゃねぇかって思いました。
また、父のことを本に書いていただき、ありがたいです。