がん「エセ医療」の罠 岩澤倫彦 著 文春文庫
この本には、がんに対するさまざまな「療法」が紹介されていますが、それらは、著者に言わせれば、「エセ医療」だとのことです。
例えば、
免疫細胞療法(p.4)、温熱療法(p.25)、断食療法(p.27)、ベスト・サポーティブ・ケア(BSC=支持療法(p.45)、カフェイン療法(p.119)、光免疫療法(p.155)、トモセラピー(p.159)、HITV療法(p.160)、エクソホーム点滴(p.161)、高濃度ビタミンC点滴療法(p.163)、水素吸入療法(p.170)、オゾン療法(p.170)、フコイダイン投与(p.173)、ネオアチゲン免疫療法(p.178)など。
僕には、著者がいうことが正しいのかどうか判断はつきません。
言えているのは、これらの療法にエビデンスが足りないということでしょう。でも、患者によっては、エビデンスが揃うのを待ってはいられないわけで、自由診療にかけるということもあろうかと思います。
そして、お医者さんから「エビデンスがあります」「凸凹というジャーナルで紹介されています」「凹凸大学の$¥教授も推奨されております」などと言われると、内容を理解しないまま信じてしまうこともあるでしょう。
・・・で、思ったのですが、「エビデンスのレベル」を統一的に示したらいいんじゃないですかね?
サンプル数がいくつ以上で、統計処理に問題がなく、査読されて一流紙に掲載されているなどを評価した、ほぼ全ての医師が同意するような統一されたエビデンスレベルの判断基準を作り、その評価結果を、ABCDE・・・などでランクづけする。そして、療法の説明をするとき、「この療法のエビデンスレベルはCです」と患者に説明するというようにしたらいいんじゃないかなと思いました。
そうすれば、患者も、「これは裏ドラがついて満貫狙いレベルだな」、「これはやけのやんぱち役満狙いみたいなもんだな」と自分の頭で判断し決定することができますし・・・。