【都知事杯オープンデータハッカソン】日暮里・舎人ライナーの混雑緩和と利用促進のためのAIソリューション
はじめに:都知事杯オープンデータハッカソン応募作品の詳細をご紹介
2024年の都知事杯オープンデータハッカソンにおいて、私たちインディ・パチームは、日暮里・舎人ライナーの混雑緩和と利用促進に向けたAIソリューションを提案しました。
(以下のリンク先ページに概要を2分で説明したYouTube動画もあります。)
私たちのプロジェクトは、混雑する通勤路線の効率的な運営と、利用者の快適性向上を目指したものです。このnoteでは、プロジェクトの背景から具体的な技術スタックまでをご紹介します。
1. プロジェクトの背景
日暮里・舎人ライナーは、通勤時間帯に非常に混雑する路線として知られています。特に、平日朝7:30から8:30にかけてのラッシュアワーでは、乗客が立ち乗りで押し合う状況が続いています。この混雑は、乗客の安全性と快適さに悪影響を及ぼすだけでなく、高齢者の転倒リスクや痴漢行為の増加といった問題も引き起こしています。一方で、平日の日中や休日には乗客数が大幅に減少し、鉄道運営の効率性や地域経済に課題を残しています。
私たちの提案は、この2つの課題、つまり「混雑緩和」と「閑散時間帯の利用促進」を解決するために、AI技術を活用した革新的なソリューションです。
詳細プレゼンテーション資料はこちらです。
2. 提案内容の概要
私たちのソリューションは、リアルタイムのデータを活用し、乗客に混雑状況を通知することで、より効率的で快適な利用を実現するものです。これを実現するための主な流れは以下の通りです。
① データ分析
電車内の映像をキャプチャし、画像解析AIを用いて乗客の人数、性別、年齢などの属性情報を分析します。このデータを基に、各列車の混雑度スコアをリアルタイムで算出します。
② ユーザーへの通知
利用者には、混雑状況に応じてLINEでリアルタイムの通知を行います。たとえば、混雑度が高い時間帯には、時間をずらすよう提案する通知が送られます。これにより、乗客は混雑を避け、より快適に移動できるようになります。
③ データの利活用
さらに、乗客の属性情報はターゲット広告や地域活性化に役立てることが可能です。痴漢防止や高齢者の転倒防止に向けた学習データの生成にも活用できます。これにより、乗客の安全性を高めると同時に、地域経済の活性化も目指します。
3. 技術スタック
私たちが構築したソリューションは、以下の技術で支えられています。
画像解析AI: 電車内の映像から、乗客の人数や属性をリアルタイムで認識・分析します。
データ分析ツール: 混雑度スコアを基に、乗客の支払い意思額(WTP:Willingness to Pay)コストを算出し、混雑回避のためにどれだけの金額を支払う意欲があるかを評価します。
Google Driveとの連携: キャプチャ画像や分析結果をGoogle Driveに保存し、これをGPTsと連携してさらなる解析を行います。
LINE通知システム: 利用者にリアルタイムで混雑状況を通知し、適切な行動を促すシステムを構築しました。
4. 想定されるユーザー層
私たちの提案するソリューションは、以下の3つのユーザー層に対して大きな効果を発揮します。
通勤・通学者: 事前に混雑情報を把握し、快適に移動できるようになります。また、リアルタイムでの遅延情報も迅速に取得可能です。
交通管理者: 混雑緩和による運営効率の向上や、データに基づくより精度の高い運営管理が可能になります。
沿線住民: 閑散時間帯の有効活用によって、地域活性化や観光客誘致の効果も期待されます。
5. 今後の展開
私たちのソリューションは、日暮里・舎人ライナーだけでなく、他の交通機関にも応用可能です。また、将来的な拡張機能として、以下の取り組みを考えています。
混雑予測機能: 機械学習モデルを用いた将来の混雑状況の予測。
痴漢防止や高齢者転倒防止のための学習モデル: 安全性向上のためのさらなるデータ活用。
他交通機関との連携: 鉄道以外の交通機関とも連携し、パーソナライズされたサービスを提供。
結論
今回の都知事杯オープンデータハッカソンでは、私たちインディ・パチームが提案するAIソリューションを通じて、混雑する路線の効率的な運営と、利用者の快適性向上に向けた取り組みを発表しました。今後もこの技術を発展させ、公共交通機関のさらなる改善に貢献していきたいと考えています。
チームメンバーのご紹介
3名でプロジェクトを進めております!
Kickboxer J
Shin Matsura
まとめ
これが私たちインディ・パの都知事杯オープンデータハッカソンにおける提案内容です。今後の展開や詳細についても、引き続きnoteでお知らせしていきますので、どうぞご期待ください!