読むだけでいい声になれる『呼吸のトリセツ』
こんにちは。ボイトレをさせないボイストレーナーのトクガワです。
発声練習をしなくても声がかわる!あなたの声の魅力を引き出す『ボイスアクティベーション』というレッスンをやっています。
このnoteでは、『声のトリセツ』を読んでいてレッスンを受けてみたいけど時間や場所の問題で今すぐ受講できない方のために、私が実際にレッスンで受講生の方に提供しているアイディアやプランをより詳しく綴っていきたいなと考えています。
スマホやSNSに完全包囲された私たち、確実にコミュ障に悩む方は増え続けるでしょう。人生を豊かにしたい方は声がいかに自分の人生に影響を与えるかを知っておくことをおすすめします。声変わると人生変わるよ?マジで。
※この記事は2018年9月1日から有料になります。
突然ですが、いい声になりたくないですか?
まぁ一概にいい声といってしまえば抽象的過ぎますし、人によってその定義はさまざまですよね。
私は『声のトリセツ』というサイトで声に関するアイディアを発信していて、LINEで質問や相談を受け付けたりもしています。
そうすると、いい声や理想の声というのは皆さん本当に違うんですよね。(当たり前ですけどね)
例えばね、ただ「いい声になりたい!」というアツい想いを抱いてレッスンに来てくださる方もいれば、めちゃめちゃ具体的な望みを持っている方もいるんです。
「好きな女の子と一緒にカラオケにいって、歌うまいねと言われたい!」
「合コンでイケメンから“声カワイイね”って言われたい!」
「人前で緊張することなくスピーチできるようになりたい!」
「演技や表現がもっと上手くなりたい!」
「そもそも人と話すのが苦手で・・・なんとかしたい!」
「趣味でアカペラをやってるのだけど、もっと自由に歌いたい!」
「営業職なのでもっと稼げるようになりたい!」
実にみなさんさまざまな望みをお持ちなんですね。
で、私のレッスンはいわゆるボイトレスクールのようなテンプレ式の発声練習とかは一切やりません。
受講生の方にやりたいことを持ち込んでもらうスタイルを採用しています。
だって、発声時のカラダの使い方はもちろん、思考の習慣、考え方、筋力、クセ、正確などなど、ありとあらゆる要素が人によって異なるわけです。
だからボイトレスクールのようなテンプレレッスンが効果的に機能するわけがないんです!!ここに気づいていない人があまりにも多すぎるんですよね。実際「ボイトレに通ってたんですけど一切効果を感じられなくって・・・」といって私のレッスンに来てくださる方が多いのがその証拠です。
そしてレッスンをしていると感じるのは、間違いだらけの知識を持っている方のなんと多いことか!!腹式呼吸とかまだやっている人がいるなんて正直驚きです。
だって、私のレッスンに来てくれる方は「腹式呼吸が有効とは思えないんです」とか今一般的に知られている発声法や呼吸法に疑問を持っている方が多いですから。
で、今回は声を出す上での最重要ファクターである「呼吸」にフォーカスしていきます。
呼吸が変われば声が変わるのはもちろん、健康にもいい効果があります。いつの時代も呼吸による健康法がもてはやされているのがその証拠。だって、呼吸は私たちが生きていく上で欠かすことのできない機能ですからね。
でもね、多くの人はその呼吸の質を下げるような呼吸法をやっているわけです。しかも、高いお金を払って。そんな方法を学んで一体何の役に立つんですか?私たち人間ができる呼吸法なんてたった1つしかないのにねぇ。
■目次
Chapter 1. あなたの呼吸、大丈夫ですか?
1- 1. まず望みを明確にしよう!
1- 2. 誰かが邪魔をしていませんか?
1- 3. その動き、本当に必要ですか?
Chapter 2. 役に立つ解剖学
~以下、有料~
2- 1. 肺
2- 2. 胸郭
2- 3. 脊椎
Chapter 3. 呼息
3- 1. 呼吸は、吐くことから始めよう
3- 2. 吐くときの動き
3- 3. 吐くことは全部が協力しておこる
Chapter 4. 吸息
4- 1. 吐いた分だけ入る
4- 2. 吸うことよりも吐くだけ
Chapter 5. 正しい呼吸とは?
5- 1. 正しい呼吸なんて存在しない
5- 2. 事実に基づいた呼吸
5- 3. 「いい結果」ではなく「どう動くか」
Chapter 6. 呼吸と発声
6- 1. 発声は呼息の一部
6- 2. 呼吸と発声の関係はものすごく深い
6- 3. 声をよくしたいなら、呼吸を改善すること
Chapter 7. もっと呼吸の質を上げたい方へ
7- 1. 質が上がれば健康にもなる
7- 2. カラダの動きを妨げるもの
7- 3. 意識的なガイダンスとコントロール
7- 4. アタマと脊椎の関係に注目
最後に
Chapter. 1 あなたの呼吸、大丈夫ですか?
「呼吸」について学ぶにあたって、まずはその前に必要な大切な事から始めていきますね。多くの人はすぐに結果が欲しくてこの大切な過程をすっ飛ばして、うまくいっていないんですよ。
1-1. まず望みを明確にしよう!
まずはじめに、あなたの声についての望みを明確にしておきましょう。さっきいくつか例を紹介しましたよね?
「カラオケでカッコイイと言われたい」とか「営業でガンガン契約取れる声になりたい」とか、あなたの望みをできるだけ明確にしておきましょう。ただ正直に「モテたい!」でも全然オッケー!
そしてそれをノートやメモ用紙に書き留めたり、スマホのメモアプリで保存しておいてください。よく心の中にだけ留めておく人がいるのですが、数日経つと心の隅にもアタマの片隅にも残っていません。キレイさっぱり消えていることでしょう。なので必ず言語化しておくこと。
バカバカしいかも知れませんが、これをやっておかないとほぼ失敗します。なぜなら、「目的地決めずに雪山を登っている」ようなもんです。100%遭難します。
目的地、つまり望みを明確化しておくことは、実はメリットしかありません。なぜかというと、望みが明確であればあるほど、あなたが行動をする上でのエネルギー源となるんですよ。そして具体的であればあるほどいい。
具体的にするということは考えるという過程が必要です。そして言語化する必要があります。その過程を経ることでゴチャゴチャしていたものがまとめられたり、散らかっていたものが整理されるからです。
例えるとしたら、ごちゃ混ぜにいろんなもの入っている状態のおもちゃ箱の中身を整理整頓することに似ています。実際におもちゃ箱の中身をひっくり返してみると、おもちゃ以外のものが入っていることって多いですよね。ペンやスリッパ、食べかけのお菓子やなくしたと思っていた自転車の鍵があったり・・・余計なものが多いし必要なものが見つかりづらいんです。
望みを明確にすることとは、それらを整理整頓すること。でも、いざ「考える」という作業に取り組もうとするとすぐに集中力は切れるし、面倒だしショートカットされてしまうことが多いですよね。
「動きながら考える方が性に合ってるぜ!」という方もいるでしょう。
それでも、ここから先を読み進めていくなら、改めて考えておいて欲しいのです。あなた自身がゴール地点を明確に知っておかなくては確実に遭難するからです。
例えば、友人と温泉旅行に行くとき、目的地を決めずに出発しますか?多くの方が熱海とか箱根とか、目的地を決めて出発しますよね?目的地が決まるから、到着時間を決めたり、交通手段を決めたり、宿泊先を決めたりすることができるのです。
だから、目的地であるあなたの声についての望みを明確にした上で、ここから先を読み進めていくことをお勧めします。
では【あなたの声についての望み】を文字に残したら、ここから先に進みましょう!
ノートに書いても良いですし、スマホのアプリにメモするなどでも構いません。保存しておいていつでも見返えすことができるようにしておいてくださいね。
1-2. 誰かが邪魔をしていませんか?
望みが明確になったら、次は今の現状について考えましょう。
あなたは今望みを持っています。今の時点ではまだ叶っていませんよね。
ということは、何らかの要因があなたの望みを叶える邪魔をしているのです。現時点ではそれが何かは分からないかもしれません。もしかしたら、その邪魔をしているのはあなたの中にあるかもしれません。いや、あなたの中にある可能性が高いです。
例えば、あなたの望みが「好きな女の子と一緒にカラオケにいって、歌うまいねと言われたい!」だったとしましょう。
この望みを邪魔しているものは何でしょうか?いくつか考えられるものがあるので挙げてみますね。
・好きな女の子の前だと緊張してうまく話すことができない
・好きな女の子にカラオケの誘いを断られた
・来週、好きな女の子とカラオケに行くけど、どの歌を歌うか決められない
・歌いたい歌はあるけど、うまく歌えるときと歌えないときがある
・サビの終わりになるとどうしても息が続かない
他にもいろんな理由はありそうですが、このくらいにしておきましょう。
できることなら、あなたの望みとそれを邪魔しているものについて考えてみましょう。
邪魔しているものはどこにあるでしょうか?
場所でしょうか?
時間でしょうか?
他の人でしょうか?
それとも・・・?
もしかすると、その原因はあなたの声やカラダの使い方、呼吸の仕方にある可能性もあるんです。
例えば、邪魔しているものが「好きな女の子が、大のカラオケ嫌い」だったとしたら、あなたが努力をして歌をうまくなることよりも、その女の子をカラオケに行きたくなるように仕向けなければなりませんよね。
でも、原因が「息が続かない」のように、あなたの声やカラダの使い方にあるとしたら、カラダの使い方を変えると邪魔するものはなくなるかもしれません。そうすると、あなたの望みは叶うかもしれないわけですよ。
特に「声を出す」ということに関して言えば、ほとんどの人が自分で自分の邪魔をしています。
1-3. その動き、本当に必要ですか?
私たちは、普段の動きについてほとんど注意を払うことはありません。
朝起きてご飯を食べ、会社に行くために電車に乗り、仕事中に上司と話し、パソコンで作業をし、同僚とランチに行く。また昼から仕事をして合間には、友人とLINE でメッセージの交換。仕事が終わったら友人との待ち合わせ場所に向かってお酒を飲んでワイワイ楽しんだ後、帰路につく。家に着いたらお風呂に入ってテレビを見て、ほっと一息。お気に入り音楽を聴きながら、寝るまでの時間は雑誌を読む。
こんな風に、非常に多くの動きや行動をしているのですが、その時々の動きに注意をすることはありませんよね?
「今階段を上るとき、左足のあげ方がイマイチだったな。こうした方が動きはスムーズかも・・・」なんてことはアスリートでもない限り、こんな風に考えたりはしませんよね?
でも、あなたの望みを邪魔しているものが、声を出すときのカラダの使い方にあるとしたら、その時のあなたのカラダの使い方を観察してみてください。
はじめの頃は何も気にならないと思いますが、時間とともに、だんだんと気づくことができるようになります。
例えば、カラオケで歌い始めるときやプレゼンで話し始める前に「すぅー」っと音を立ててたくさんの空気を吸い込んでいるかもしれませんね。
人前で話すとき、周りの人の視線が怖くて誰とも視線を合わせないようにすることに必死になっているかも?
本番で舞台に立つとき、カラダがガチガチになっていてるかも?
もし気づくことができたとしたら、その動きが本当に必要か考えてみてください。
以前、レッスンに、人前でスピーチするとき、すぐ頭が真っ白になってしまうという方がいらっしゃいました。
レッスンでは、スピーチをする瞬間を再現してもらって、実際にどんなことをしているか、普段会社の人と話すときとスピーチをするときの違いを探ってみたのです。
すると、こんなことが分かりました。
スピーチをする瞬間になると、両手をカラダの前であわせ、指先を常にこちょこちょと動かしていたのです。
実はこの動きが、呼吸に影響を与えていました。そのため、呼吸が浅くなって、緊張して、アタマが真っ白になってしまっていたのです。
こんな風に、必要のない動きをしていて、それがあなたの望みを叶えることを邪魔しているかもしれないのです。
でも、それが本当に必要ないかどうかは判断に困りますよね?
あなたが声を出すとき、その動きが必要なのか不必要なのかについて、あなたにも判断していただけるよう、声を出す上で必要不可欠な要素である呼吸について、次のチャプターから詳しく学んでいきましょう。
ちなみに、先ほどの方とのレッスンについてもう少し紹介しておきますね。
指先をこちょこちょと動かすことは実際に必要かどうかを一緒に考えてみると、その方は「その動きは必要ないですね」と仰いました。
そしてその代わりにそのスピーチを通じてどんなことが起きて欲しいかを具体的にイメージしてからスピーチをしてもらいました。すると、いつもはアタマの中が真っ白になるのに、そうならずに話したい内容を伝えることができて、大成功だったという感想をいただきました。
Chapter. 2 役に立つ解剖学
呼吸について詳しく見ていく前に、私たちのカラダについて詳しく学んでおきましょう。
でもほとんどの人はめんどくさがって飛ばしてしまいますけどね・・・。
2-1. 肺
呼吸という動作において、私たちのカラダがどんな風に関わっているかを知っているのと知らないのでは大きな違いがあります。また、間違って理解しているなら、それはカラダの動きに負担を強いていることになります。
例えば、息を吸い込むとき、肺が膨らみますよね。
肺はどういう風に膨らむか知っていますか?
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