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AI×人間協調で実現する次世代の問題解決アプローチ

私は機械学習プロダクト開発企業のマーケターとして、日々様々な企業の問題解決に携わっていますが、最近特に感じるのは、問題解決のアプローチが大きく変わってきているということです。

AIによる問題解決アプローチには、主に2つの方法があります。

1つ目の「ギャップ・アプローチ」では、機械学習モデルが不具合の原因を特定し、解決策を提案していきます。ランダムフォレストやXGBoostなどの機械学習アルゴリズムが、数千から数万の変数の中から重要な要因を抽出し、問題の根本原因を突き止めていくのです。

2つ目の「ポジティブ・アプローチ」では、強化学習やGANs(敵対的生成ネットワーク)といった先進的なAI技術を活用し、理想的な状態を学習させながら、そこに到達するための戦略を生成していきます。

しかし、ここで重要なのは、AIだけでは完全な問題解決は難しいということなのです。

特に人や組織の感情が絡む問題では、データだけでは捉えきれない要素が多々あります。そこで注目されているのが、人間とAIの協調アプローチです。人間がAIシステムを見守り、必要な調整を加えていく、そんな関係性を構築することでより効果的にAIを活用できます。

たとえば、このような活用方法が考えられます。

製造業において、品質管理にディープラーニングを導入する際には、Human-in-the-Loopの考え方を取り入れることで、より効果的なシステムを構築できるでしょう。

具体的には、AIが製品の画像から不良品の可能性を検出した際、その判断の確信度に応じて熟練検査員に判断を委ねるシステムを設計します。AIの確信度が80%未満の場合は必ず人間が確認を行い、その判断結果をAIの学習データとして活用する、といった仕組みを導入するのです。

このようなアプローチにより、AIの判断精度を継続的に向上させることができ、は不良品検出率を向上させることが可能です。同時に、検査員はAIが高い精度で判断できない複雑なケースに集中できるようになり、作業負荷を削減できるでしょう。

また、営業部門においても同様のアプローチが有効です。機械学習による顧客行動予測モデルを構築する際、営業担当者のフィードバックを継続的に取り入れる仕組みを確立します。例えば、AIが予測した商談成約確率に対して、営業担当者が実際の商談結果や気づきを入力し、その情報をモデルの再学習に活用するのです。

このような人間とAIの協調により、営業活動の効率を大幅に向上させることができるでしょう。これらの活用方法に共通するのは、AIと人間が単に並行して働くのではなく、相互にフィードバックを行い、継続的に改善を重ねていくという点です。

このような役割分担により、効果的な問題解決が可能になってきています。将来的には、より高度なAIシステムと人間の創造力が融合し、これまでにない革新的な問題解決手法が生まれてくるかもしれません。

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