「テスラ、ものづくり2倍速」~変化とスピード~
自動車業界時価総額トップに躍り出たテスラの注目度は良くも悪くも上がっています。
イーロン・マスクCEOという異能経営者が率いているわけですが、
累計生産台数50万台まで15年を要したのが、
累計100万台にはわずか1年3か月で到達したという記事内容です。
中国上海に建設した工場は約1年で完成したのですが、これも「スピード」を重視することにより、これまでの工場建設の常識を破る方法を用い、無駄を省き、必要なものをより低コストで建設・設置、建屋をつくりながら機械を設置していくなどして成し遂げています。
来年には年間で100万台生産が可能になる体制を構築しています。
そしてこれらの成果は過去の失敗から多くを学び、反省し、柔軟に修正してきたから実現できたとも言われています。
記事中に電池で連携しているパナソニックの幹部の発言として、
「テスラとはいつも時間軸が合わない」
というボヤキ発言が紹介されていますが、常にイノベーションを意識しながら経営をしている企業と、「日本型大企業」ではまったく「時間軸」が違うと言うことだと感じました。
野村證券とLINEの証券業での業務提携、みずほ銀行とLINEとの銀行業での業務提携なども「なかなか進まない」という話しをよく漏れ聞きますが、やはり「時間軸」の違いが最大の理由だと言われています。
視点を変えると、株式市場でも個別企業においてはすでに「選別」が明確になり、株価がそれを表しています。「変化」と「スピード」があるかないかです。
もっと深刻なのが、7月以降、コロナショックを受けた後(2020年4月から6月の業績と今期見込み)の企業が決算発表を本格化させましたが、日本企業は総じて予想を上回る「悪化」が鮮明になり(トヨタなど一部の例外あり)、米国企業は総じて予想を上回る「良化」が鮮明になっています。
GAFAMを筆頭に「強い」企業が鮮明になっていますが、それ以外でも、米国企業は総じて「コロナ危機」をこの3か月で「変化」と「スピード」で業績回復に成功しているということです。
外国人投資家はそんな日本に見切りをつけるかのように3月最終週以降約3.5兆円日本株を売り越しており、7月最終週、8月第一週(速報)では週間で4,000億円以上の売り越しが続いています。
代表的な株価指数の7月1日以降の推移でも、日経平均はほぼ変わらず、米国ダウ平均は約6%高、IT新興企業が多いマザーズ指数は約3%高、米国ナスダック指数は約9%高となっており、その差は歴然です。
(出典:日経電子版)