ESG(イーエスジー)とは
Eは「Environment(環境)」、
Sは「Social(社会)」、
Gは「Governance(ガバナンス)」
を指しています。
2006年に当時の国連事務総長であったコフィ・アナン氏が
「企業がCSR(Corporate Social Responsibilityの略称、
企業の社会的責任)を重視して、
地球の長生きに貢献していこうとしているのに、
投資家が短期的な投機目的で活動してしまったら
地球の長生きが達成できないではないか。
投資家はESGを意識して投資しましょう」
と宣言したことで生まれた言葉です。
簡単に言うと、
企業は
「温暖化対策」
「資源の保全」
「廃棄物の削減」
「ダイバーシティ」
(雇用する人材の《多様性》を確保)
「労働環境」
などなどを意識して活動しようとしている、
すでに活動しているのに、
投資家(主に上場会社に世界の株式市場で投資する法人)が、
それらを考えずに短期的な儲けばかり考えていては、
地球は滅んでしまう、ということです。
これをきっかけに、世界の投資家60社弱が
「責任投資原則」という憲章に署名をし、
ESGを意識した投資をすることを宣言したことにより
「ESG投資家」と呼ばれるようになり、
2018年にはESG投資家は世界で約2,300社、
日本では68社となっており、
ほぼすべての主要機関投資家が含まれています。
まず、皆さんにご理解頂きたいのは、
資本主義が変容を遂げようとしている現代において、
企業も「株主至上主義」「短期利益追求主義」では
生き残れなくなりつつあり
「ステークホルダー資本主義」に
移行しつつあること、
その大きな流れは2006年から始まっており、
その中核を成す一つの考え方が「ESG」であるということですね。
環境や社会に配慮をしたビジネスを行えば、
「利益が出ない」と考えるのは以前は
普通でしたが、
現代の考え方は環境や社会に配慮した
又は配慮を意識してビジネスを行うことにより、
利益も上がる。
決して相反するものではないという発想を持って
ビジネスを構築することが求められると言うことになります。
環境や社会を意識しない、配慮しない企業は、
もはや世界では許容されない時代に突入している
と言うことでもあります。
「このお菓子、安くて美味しいでも体や環境に悪いものが入っている」
という商品は売り上げが上がらないし
(顧客が支持しない)
小売業としては
「売ってはいけないもの」
であるということでもあります。
そして「G」のガバナンスは、
「E」と「S」とは意味合いに違いがあり、
「E」と「S」は主に企業の外部環境ですが
「G」は内部環境であり、
「E」と「S」を実行していくためには、
どのような「G」が必要なのかという視点になります。
ESGとビジョンは
「G」はビジョンがあって初めて成立するものであり、
「お客様のために何ができるか」を考え続けるビジョンは、
難しく考えなくとも「E」と「S」で何をするべきなのかは
自ずと答えが出てくると思います。
一方で、例えば労働環境の重要な要素である
「ハラスメント」や「障害者雇用」など、
企業としてとして改善を意識していかなくてはならない
課題があるのも事実です。
環境保全や社会貢献がビジネスの目的であり、
利益を生まなくても良いと考えるならば
「NPO法人」になれば良いわけであり、
株式会社として多くのステークホルダーに
囲まれながらビジネスを行い、利益を上げていくには、
目先や小手先、理念やビジョンなきビジネスでは
これからの時代は通用しないと考えられます。
違った視点で言えば「当たり前のことを当たり前にする」ことを
実践している企業は「敢えてESGで何を目標にしようか?」などと
考える必要もないということでもあると思います。
「ビジョンある事業」を行い続け、
持続的に成長すための「イノベーション」を起こし続けられる体制、
すなわち「ガバンンス」を維持していくことが
すべての根底だと思います。
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