”思いつき”定義集⑮「す」
【崇高】ありていに言えば気高いということだが「崇高な人生」を送るのは諦めておくのが賢明。「崇高な人物」に出会うのは一生に一度あるかないか。高慢な人に出会う確率は高いのに。やはり自然と美学にふさわしい概念なのだろう。
【素顔】見るとガッカリさせられる(容姿のことではない)。ポジティヴには「まれにみる優れた本性」「仮面を被ることのない純粋無垢」とも言えそうだが、人は多くの時間を仮面の下で生きている――家庭生活、仕事、交友など自己の役割を各々が演じるもの(健全・不健全とか嘘・実の問題ではない)。演じるにあたって得手不得手があるのは周囲を見れば判るはず。
【素寒貧】いも洗うがごとき貧乏。「慣れてしまえば大丈夫!」と表記しておきたいが、金満家や吝嗇家の金庫が埋まっていくにつれて貧困層は増え続ける。「経済成長」を金科玉条のごとく繰り返す経済通・政策通の人も素寒貧が増えれば成長が鈍化することぐらい知っているだろうに。素寒貧にこそ崇敬な人物との出会いが望まれる(カネだけのことではない)。
◆注:中間層の衰退(富裕層と貧困層の二分化傾向)は経済成長にはマイナスである(OECDに依る)。
【すったもんだ】人生で一度ならず経験するであろう混乱。通常向こうから否応もなくやってくるが、自分から招き入れるのが得意な人もいる。それはそれで楽しめるなら害はない。「すったもんだがあって」と言えるのは余裕のあるときだから。
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