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”思いつき”定義集㉙「の」

【能書き】効用書き。ただし「能書きを垂れる人」(自慢のマシンガン・トーク)には要注意。信用してはならない。独善的な長広舌につき合うのは時間の無駄であり精神衛生上もマイナスにしかならない。距離の置き方に苦心する時もあるが、それでも心の距離はきっちり自覚しておかなければならない(面従腹背という言葉もあるではないか)。

【農業】日本の産業としては「危機的」か。大きな問題の一つは稼げないこと、したがって後継者不足の一因となる。つまり従事者の高齢化(およそ68歳)。低い食料自給率(カロリーベースで38パーセント)を考えると農業をはじめ第一次産業を軽んじることがあってはならない。考えるまでもなく、どんな生活にも喰うという土台がある。大失恋して悲嘆に暮れようとも腹は減る。叱責されてどんなに凹んでも腹は減る。

【吞兵衛】普遍的存在(字義通り)。いろいろなタイプがある。楽しい吞兵衛もいれば、とことん肝臓を傷めつける頽廃的な吞兵衛も。あくまで主観的だが割と気が小さい人が多い(卑小という意味ではなく、アルコールの力に頼らざるを得ない人)。いずれにしても、酒を心底楽しむ境地に至れれば吞兵衛も悪くない。ちなみにイスラーム教で飲酒は禁忌だが飲む人は飲む(こっそりと)。
◆注:飲めない人に迷惑をかける人や暴力沙汰に及ぶ人には留置所で醒ますのが最も効く処方箋。
◆推し文献:チャールズ・ブコウスキー『町でいちばんの美女』(新潮文庫、1998年)、A・ジノビエフ『戯画詩集 酔いどれロシア』(岩波同時代ライブラリー、1991年)、ヨーゼフ・ロート『聖なる酔っ払いの伝説』(白水Uブックス、1995年)、アブー・ヌワース『アラブ飲酒詩選』(岩波文庫、1998年)。


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