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支援の目標はどこだろう
支援をするとき、目標の立て方に悩む経験は誰でもあると思います。
悩む理由は何故だろう
事例によって、経験値によって、組織によって、関係する人によって、制度や法律によって、自分の力量で、悩む理由はいろいろありますよね。僕は、理想と現実を自分勝手にとらえて悩んでいたことが多かったかもしれない。
支援者が決めるのではない
「どんな支援が必要になるのか」「どうなったらいいか」を支援者が検討して目標にしてしまっていたことがたくさんあった。他人の人生を支援者が判断して決めることでもない。制度や法律、社会資源、どんな方法があるのか、いろんな情報を整理して伝えながら、当事者が決められたらいいけれど、難しいと感じることは多かったですね。
どうしたらいいの?と迷うことは多い。
・「支援者が必要」と思っても「当事者が望まない」こと
・「組織の方針」と「当事者の望み」の違いが生じた時
・当事者が現実的な判断が難しい場合
アセスメント力も大事だし、迷ったら支援者も相談して意見をもらうことも大事だと思います。上手くできてたかは怪しいですが、最終的に「当事者が決められるように」という支援は大事なんですよね。
組織の役割や方針の範囲
所属する組織の役割、方針によって、何ができるのかは変わってくる。
・医療は治療が中心、その中でも急性期と慢性期の機能によって違いがある。
・地域の資源も、居場所、生活の場、就労、複合的だったり、違いがある。
・行政も様々、児童、障害、高齢など担当する部署、生活保護など係に分かれているし、市役所と福祉事務所と保健所が地域よって一緒だったり別だったり、地域よって違いがある。
他にもさまざまな専門機関があるので、専門的な機能と役割があるからこそ、専門外のことは「できない」という話は当然ある。上司の考えで、微妙に方針が変わることはよくあることです。そして、連携の中で「お願いしたい期待」や「こうあるべき」という考えがあったり、噛み合わないこともあります。
「なんでこんなことで、ここに連絡してくるの?」ってことは、どこでもあります。どんなことをどこに尋ねればいいのか、わからない人が連絡してるのだから、いいことだし適切なところを教えればいいのですが、多忙すぎる中で、そんな対応が多いのも大変で愚痴りたくなるんですよね。
所属する組織が、どんな役割を担っているのか、「理念」「方針」など掲げているはずなので、自分自身にも、上司や一緒に働く仲間にも、組織にも問いかけ確認しながら、業務の範囲で何ができるのか整理しておくこと、求められた時に説明できることは大事です。
何に困っているのか
・当事者が困っていることは何なのか?
・自らが困っていると思って相談しているのか?
・勧められただけで、困っていることが整理できているか?
初めての相談場面でも、いろいろです。
・本人は拒んでいて、周囲の人が困っている。
・本人不在で関わりが始まることも多い。
・誰が、何に困っているのか。
・誰にとって、どんな影響があるのか。
立場によって受け止め方の違いがあるので、それぞれの立場での捉え方を、客観的に整理することは大事ですね。
どうしたいのか、どんな生活を望むのか
・困っている理由は何なのか。
・困っていることに対して、どうしたいのか。
・どんな生活をしたいのか。
支援者の価値観で、理由やあるべき姿を解釈しがちなので、要注意だなと思います。
・当事者の過ごす環境がどんな状況なのか。
・関係する人は、理解があるのか、協力ができるのか。
・現状と望みの変化に支障となることはどんなことか。
可能か不可能か、それは支援者が決めることではないので、まずは本音を話せるように支援して、思うことは一度話してもらう時間は大切だと思いいます。継続する関わりの信頼関係構築として、大事なステップだと思います。
どんな支援が必要か、可能か
「困っていること」「どうしたいか」が整理できれば、「何が必要か」「何ができるか」「どこの誰ができる」を整理するために、関係者に相談していく。「必要な制度」の手続きを誰がどう進めるのかも整理していく。「何に困っているのか」「どうしたいのか」「何が必要なのか」を共有することで、関係者が「できること」を示しやすくなる。
支援者は、何でも代わりに解決しようとするのではないし、むしろ当事者が自分でできるように支援することも考えていく。当事者は代わりに解決してほしいと思っていたりするから、代わりにできることとできないことを説明することは大事になります。
支援者間でも、期待と違ったり、丸投げにされている感じになったり、気持ちよく連携できないと感じることがある。誤解のないように、それぞれの役割や機能とできる範囲を共有することが大事です。前任者はやってくれたのに、なぜできないの?なんてこともあります。担当者の考えなのか、組織の判断なのか、理由によっては交渉も必要かもしれないですね。
つなぐ
必要な支援を担う機関が決まり、利用できる制度の手続きを進め、必要な支援者に繋ぐことができた。これでゴールと思ってしまうことがある。
いろんな人が関われば、いろんな関係性でいろんな出来事が発生する。いいニュースもあれば、トラブルが発生することもある。繋いでからが大変だったりする。思ってたのと違うとか、過ごしていくうちに気持ちが変わったり、支援者と相性が合わなかったり、色々あるものです。
繋いだところから、当事者の人生の変化が始まりです。
それに寄り添える立場や、関われる役割でなかったとしても、終わりと思って仕事をすると、いつしか繋げば終わりと思うようになってしまう。振り返って、求めていることを聞けていたのか、適切な支援につなげていたのか、関わり方はどうだったか、振り返れなくなる。繋げばゴールと思うようになり、仕事はそんなものと思うようになると、視野は広がらなくなります。例えば、病院から退院できたら終わりと捉えがちです。 仕事はそれでいいかもしれない。
支援職として成長したいのなら、繋いで終わりではない意識は大事にしたいと思います。
望む生活にどれくらい近づいたか振り返る
それを確認できるなら、振り返って支援の質を高めようとする意識が、一歩一歩の成長につながります。
望み通りがいい訳でもありません。望み通りに行かなくても、相談したり助けを求めたり、支援をもらってなんとか生活を送れるようになれば、そこに生きる力を身につけることに繋がっていると評価ができれば、前向きに捉えていいと思います。
その後が確認できなくても、振り返ることは大事です。悩まず迷わず完璧に支援できたと思うことなんてないでしょう。記録を読み返したり、迷ったこと、気になるったこと、反省点、良かったと思うことも、振り返ってみると、目標や支援計画の質を高めることに繋がると思います。
支援の目標は、所属組織の方針もあるし、当事者が求めることもあるし、支援職としての判断もある。適切な目標設定ができているのかは、経験を重ねながらいろんな立場の意見も参考に、学んでいくことが大切だと思います。
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