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King Crimson / Discipline - 自分の聴覚に多大な影響を与えたレコード (5)

ブログの記事 (2020年10月5日) からの転載です「聴覚に多大な影響」と言うと大げさですが、私の音楽の好みを形成したレコードというような意味で読んで頂ければと思います。


Facebook で回ってきたバトン「自分の『聴覚』に多大な影響を与えたレコード」の補足その5は、キング・クリムゾンが1981年に発表したアルバム “Discipline” です。

幼なじみにして俳優の 武田晋 さんからバトンを受けとりました。 10日連続で自分の「聴覚」に多大な影響を与えたレコードのアルバムカバーを1日1枚投稿してゆくミッションです。説明や理由は無しです。 5日目 King Crimson / Discipline

Posted by 吉村 俊司 on Friday, May 8, 2020

King Crimson / Discsipline (1981, EG / Polydor 28MM 0064)

聴覚影響ポイント:ポリリズム!最小公倍数!

高校時代にロック、フュージョンに目覚めた私は、その後プログレに到達し、イエス、キング・クリムゾンなどの旧作を少しずつ聴くようになっていました。そんな中、キング・クリムゾン復活のニュースが流れたのが1981年、私が高3の時。当時購読していた『ギター・マガジン』でもかなりの誌面を割いて彼等のことを特集していました。が、どうもその当時の私のイメージしていたプログレ~分厚い音とドラマチックな展開、そして複雑なハーモニーとインプロヴィゼーション~とはどうやら違う雰囲気の音楽らしいということが記事から読み取れたため、ちょっと身構えてしまいました。

そして身構えつつも購入したアルバムがこちら、”Discipline”。

Facebook のコメントには Spotify のリンクを貼りましたが、現在は聴取不可能になっているため今回は YouTube Music で。

初めて聴いたときは戸惑いました。が、ハマりました。

改めていろいろ書こうと思ったけど、2018年にもやっぱりバトンで Facebook にこのアルバムのことを書いていたので、そのまんま文章を引用して楽しちゃいます。

ええっ!なにこれ?
1曲目の “Elephant Talk” はまあご挨拶がわり。しかし2曲目の “Frame by Frame” の衝撃たるや。エイドリアン・ブリューのノイジーなギターの裏で、機械のように正確に高速フレーズを弾くロバート・フリップ。地を這うようなトニー・レヴィンのスティック、タイトなグルーヴを叩き出すビル・ブラッフォードのドラム。やがてギター2台がユニゾンでシングルノートのリフを弾き始めたと思ったら、一方がちょっとずつずれて行く!うわー気持ち悪いけど気持ちいい。8分音符7個×2で14拍のパターンの繰り返しなんだけど、一方が最後8分音符1個少ない、つまり7+6の13拍で進行して行くというもの。1小節毎に8分音符1個ずつずれて行っちゃうの。インド音楽なんかでこういうのがあるらしいんですが、初めて聴くとかなりの衝撃でした。
アルバムとしては、統制と無秩序のせめぎ合い。A面ラストの “Indiscipline” で無秩序は頂点に達し、最終的にはB面ラストの “Discipline” で完全なる統制による調和が訪れる、といった感じでしょうか。あ、大げさにドラマチックなストーリー性とかはありません。何となくそんな感じに思えただけです。
それにしても私自身、元々シンコペーションとかわかりにくいリズムとかが好きらしいとはうっすら自覚していたのが、これで完全に奇数拍子やポリリズムに開眼してしまった感があります。罪な一枚です。

Facebook への投稿より

うん、つまりそいういうことです(笑)。異なるリズムが同時に進行して拍数の最小公倍数のところでまたぴたっと合うという快感、ゾクゾクします。

さて、ポリリズムと言えばこれですよね。

間奏部分の5拍子、”Discipline” ラストのタイトル曲に似てませんかね。もっともクリムゾンの方は例によって音符一つ違うパートとの重ね合わせでずれていく快感パターンなのに対し、Perfume はボーカルパートのリズムは一種類でシンプルです (とはいえ曲のリズムが4拍子で他の楽器も違うリズムで重なっていて、曲全体でみればこちらもかなり複雑ですが)。

というわけで、特段結論めいたことも何もなく、以上です。


ビル・ブラッフォードは最近ではビル・ブルーフォードと表記するのが一般的になっているようです (発音もそっちの方が近い)。文中の表記は執筆時のままとしておきます。

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