見出し画像

Vol.524「Y染色体男系カルトの真因」

(2025.1.7)

【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…昨年末の週刊文春(2025年1月2日・9日号)が、2016年に安倍晋三首相(当時)が、愛子さまと「Y染色体」を結婚させようと画策していたという事実をすっぱ抜いたことは、わしらにとっては追い風になる。週刊文春が何を意図してこの記事を出したのかは定かではないが、これによって自民党・男系派が「Y染色体カルト」に嵌っていることが明白になってしまったのである。ここで、記事の核心部分を引用して見ていこう。さらに、今なお自称保守界隈に絶大な影響を与えている故渡部昇一氏が語っていた“男系カルト妄想”とは?
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…ド級のトンデモない奴が現れたので、今回は「持統天皇列伝」をお休みして、レポートしておきたい。YouTubeを中心に、SNS、自称保守界隈で大活躍していた「宮様詐欺師」だ。その名も「旧皇族 華頂宮」!自分は皇籍復帰の期待もかかる男系男子だぞとアピールして、注目を浴びたかったのだろう。動画のなかで「男系」「Y遺伝子」という単語をたびたび口にしていて、完全に男系カルト界が排泄…輩出したことが明らかな、超絶トンデモ宮様詐欺師である。こんな胡散臭い人物に自称保守界隈の面々はすっかり騙され、“箔”をつけてしまったのだ!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…どうして頭山満は理解されないアジア共存の大義を持ち続けられたの?ある女性コラムニストの「40過ぎの男性がパーカー着るのは変」発言をどう思う?「戦争をテーマとした作品は日本だとロボットものばかり」なのは何故だと思う?安部譲二さんや勝新太郎さんの様なアクの強い芸能人や著名人等は、今後はもう出る事はあり得ない?問題を起こした声優が出演していた作品を、わざわざ別の声優に交代させることをどう思う?今年の新年一般参賀をどう見た?…等々、よしりんの回答や如何に!?



1. ゴーマニズム宣言・第553回「Y染色体男系カルトの真因」

 令和7年、2025年の幕開けだ。あけましておめでとう。
 昨年は元旦から能登で大地震があり、1年経っても復興もままならないと聞くと、おめでとうと言っていいのかどうか躊躇するが、少なくともわしの力が及ぶ範囲は、めでたいことだらけの年にしたい。

 確かに今年の展望を考えると、悪い情報はいっぱいある。
 ウクライナ戦争ひとつとっても、未だに収束しないとは思いもしなかったのだが、ロシアの核を恐れて、アメリカを始めNATOが軍事介入をしなかったことが戦争を長びかせた原因だ。
 わしはロシア領土に侵入しないという宣言をした上で、ウクライナ領土を徹底的に守るために、西側がブーツ・オン・ザグラウンドするべきだと主張していたのだが。
 だがそれでも、このまま戦争を持続すれば、プーチンはさらに追い込まれていくことになるはずだ。
 ある情報筋から聞いた話だが、北朝鮮軍って、めちゃくちゃ弱いらしい。
たとえ精強な軍隊だろうと、言葉も通じない外国軍の指揮下にいきなり配属されたら、作戦を実行するにも意思疎通ができず、ガタガタになってしまうというのは軍事上の常識らしいから、もともと弱い軍隊がそんな状況に置かれたら、それは悲惨なことになってしまうだろう。金正恩は自国の軍隊の弱さを天下に知らしめて大失敗だ。
 プーチンも北朝鮮軍を受け入れるほどに余裕をなくしているから、今はトランプの大統領就任に期待しているところではないか。そうして、なんとかプーチンのメンツを立てて停戦する方法があれば終わらせられるだろうが、それがダメな場合は、さらに世界中を巻き込んで混沌とした情勢になってしまう。

 そういうことを考えていくとどんどんネガティブになってしまうが、今年はわしがデビュー50周年を迎える記念の年だ。
 なんといっても今年は巳年、わしは年男だ。身内にも何人も年男・年女がいるし、何よりも、愛子さまが年女なのだ。きっといいことがあるはずだ。
 まず今月には『夫婦の絆』の単行本が発売されるし、公式サイトの完全リニューアルも進行中だし、さらにネットを使った「よしりん漫画ブック」配信のような新たな挑戦も始める。『おぼっちゃまくん』の新作を載せるためだ。
 そして春にはインドで『おぼっちゃまくん』の新作アニメの放送がいよいよスタートする。なかなか目出度い年ではないか。

 わしは自ら、デビュー50周年のパーティを日本で最高級の場所と豪華な食事で、ド派手に「ごーまん」に開催する予定だ。
 わしの近しい者はみんな招待する。全部わしの自費で、祝儀は1円も受け取らないし、わしへの「お世辞」のスピーチは禁止する。タダで美味い食事を味わってくれるだけでよくて、服装だけはハレの日にふさわしいものにして欲しい。
 この祝宴は、わしが門下生に「愛子さま立太子が決まったら、最高級ホテルでパーティをやる」と言ってきたにもかかわらず、まだ果たせてないことが苦痛だからやるのだ。
 とりあえず、愛子天皇のために「皇統クラブ活動」をしてくれている門下生・公論サポーター諸君に、わしからお礼をしたい! というのが、真の目的だ。愛子天皇支持の政治家も呼ぶだろう。
 今年はわしの50周年記念パーティだが、愛子さま立太子が決まったら、その時はその時でもう一度、盛大な祝宴を開いてみせよう。

 とにかくわしのデビュー50周年よりも、重大なのは愛子さまの立太子だ。
 もしわしがこのまま死んだりしたら、約束を果たさないままでトンズラすることになる。それはわしにとって大恥であり、死んでも死に切れん。
 その点でいえば、昨年末の週刊文春(2025年1月2日・9日号)が、2016年に安倍晋三首相(当時)が、愛子さまと「Y染色体」を結婚させようと画策していたという事実をすっぱ抜いたことは、わしらにとっては追い風になる。
 週刊文春が何を意図してこの記事を出したのかは定かではないが、これによって自民党・男系派が「Y染色体カルト」に嵌っていることが明白になってしまったのである。
 ここで、記事の核心部分を引用しておこう。

 政権を担っていた安倍晋三首相(当時)は、あらゆる可能性を視野に、皇室典範改正を検討していたという。事情を知る当時の政権中枢が、小誌の取材に初めてこう証言する。
「安倍総理は、皇位継承を途絶えさせないためには、女性天皇、すなわち『愛子天皇』の誕生も容認する考えでした。それほど幅広く、さまざまな選択肢を検討していたのです」
 ただ、そこには1つ問題があった。保守政治家の安倍氏は歴史上、10代8人の前例のある女性天皇は容認できても、「女系天皇」は受け入れがたいと考えていたのだ。
 仮に愛子天皇が誕生したとしても、その子どもには、男性固有の「Y染色体」が受け継がれない。神武天皇以来、男系男子が受け継いできたとされるY染色体をもたない子どもに対し、皇位を継承させるわけにはいかない。つまり、愛子天皇誕生のために皇室典範を改正しても、その子に皇位を継承させられない以上、皇位継承の問題は解消されないのだ。そこで安倍氏は、こんな“禁断の指示”を出した。
「愛子さまに相応しい、Y染色体を持つ旧皇族の青年を探せ」――。

 もちろんこんな「エセ生物学的政略結婚」の策謀はあっさり頓挫したわけだが、もう「キモッ!」という言葉しか出てこない。だがそこを我慢して読んでみると、ここにはツッコミ所しかない。
 まず、神武天皇や欠史八代などの天皇の存在は伝承であり、実在が確認できない。
 しかも古代の天皇(当時は大王)は血縁では継承されていなかったということも歴史学上の常識だ。
 そこを1万歩譲って、神武天皇以来の男系継承があったと仮定しても、Y染色体は遺伝子じゃないのだから、神武天皇という個人を特定できるような情報は持っていない。Y染色体とは単に遺伝子の「運び屋」の屋号みたいなもので、わしのY染色体も神武天皇のY染色体も区別がつかない。「神武天皇のY染色体」なるものがあるのなら、「神武天皇のヘモグロビン」でも「神武天皇のミトコンドリア」でも、何でもあるということになってしまう。

ここから先は

14,799字 / 47画像

¥ 250