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婚活で就活で青春漫画な「タイプロ」について語らせて

timelesz アラサーからの大挑戦を応援したい


 こんにちは。コラムニスト、人物インタビュアーの芳麗です。タイプロについては、音声配信番組「Voicy」でもおりに触れ語っていますが、こちらでも語らせてください。

 観てる人とはこの面白さを分かち合いたいし、観てない人にはぜひ観てほしいから。

 昨年後半から、Netflixで配信中のタイプロこと、timelesz projectーーアイドルグループ timelesz(旧sexyzone)の新メンバーオーディション番組にハマっています。仕事は全く関係なく、いち視聴者として純粋に楽しんでいます。

 この番組の面白さは、その他のオーディション番組とは一線を画す構造とドラマ性。

 新しいグループを結成するのではなく、デビュー13周年を迎えたアイドルグループ・timeleszの仲間探しであり、このオーディションを企画したのは他らなぬ、メンバーたちです。

 前身であるSexy Zoneは、平均年齢14.4歳と旧ジャニーズ事務所の中でもかなり若いうちにデビュー。各方面からとてつもなく大きな期待を集めつつも、運命に翻弄され辛酸を舐めた期間も長かったグループだと認識しています。

 それでもメンバーは個々にますます魅力的に成長、大人のアイドルグループへと変貌を遂げた。グループとしても個人としても芸能界において、安定した地位を築きつつあって、そこは中島健人さんが脱退したところで崩れるものには見えないけれど(遠巻きな視聴者の視点です)。 

 それでも、千変万化な時代、アラサーを迎えた彼らが自らの意思で、グループとしてネクストレベルに向かおう、新しい時代を築こうと大きな賭けに出た。諸々の反発を引き受ける覚悟も含めてかっこいいなと感動したし、この先も見守り、応援したいという思いが強まりました。

 この辺りについてもまだまだ語りたいところですが、今回は「タイプロは婚活ドキュメンタリーだと思って観よう」というテーマで綴ります。

*timeleszの挑戦に感動したお話は、こちらのVoicyでも語っています。

それは喜怒哀楽が味わえる残酷なエンタテイメント


 現在、タイプロは佳境の5次審査の最中。約19000人の応募者は、2次審査で36名、3次で18名、4次審査で12名にまで絞られました。timeleszはもちろん、候補生たちの魅力や奮闘するストーリーも存分に観てきた視聴者としては、みんなに思い入れが深まって、推しの候補生も出来るし、どんどん視聴熱が上がっていく。

 私の周囲(仕事現場、友人、Voicy リスナーさんたち)も、本番組にどっぷりハマって推しができている人は多いのですが、そこには事務所オタ(旧ジャニーズ事務所のオタク)もいるけど、アイドルオタでもオーディション番組オタでもない人もたくさんいます(私は後者)。

 出自がバラバラだから、人により番組の見方も、推す候補生も、加入メンバー予想も全く違うのが面白い。周辺調査によると「寺西拓人くん沼沼沼!」「テラは国民の元彼!」は、ほぼ総意ですが、加入については「当確」という人もいれば、「アイドルよりも……」と語る人も。「篠塚大輝くんはジャニオタに愛される存在」と太鼓判をおす事務所オタもいれば、異論を唱える人もいて。

 結局、誰かを推すのも、誰かをTimeleszには相応しくないと感じるのも、単にその人の好みだし、背景や経験値による主観であり、「ジャニーズとは、アイドルとは何か?」という価値観の違いなんだろうな。

 千差万別だからこそ、いろんな人の意見や予想が気になって、普段はほぼ見ないXをざっと眺めてみたら、番組と推しへの愛が加熱して、拗らせたり、攻撃的になったり、不安になっているファンや視聴者も多々。これがオーディション番組を観る苦しさなのか! 心揺さぶられどっぷりハマれる魅力がある一方、結末に傷つく人もいる番組なんだね……何とも残酷なエンタメ。

 最後まで番組を見守りたい、いち視聴者としては、ここらで結末に傷つかないために思考の予防線を張っておきたい。それが、「タイプロは最終的には婚活だからね」説です。

タイプロは就活であり、青春漫画だけど、最終的には婚活だから


 前述の通り、本番組の面白さの1つは、その複雑な構造(伝統ある芸能事務所のトップアイドルが新メンバーを選ぶ……etc.)が生む人間ドラマ。

 音楽、ダンスなどエンタメ大好き勢としては、同じオーディション番組でもノノガ(NoNoGirls)のように、もっとダンスや歌についてディープにアドバイスしている部分や、そこで候補生たちのスキルや意識が成長していく様にもフォーカスして欲しいところですが、こちらはこちらで人間ドラマとして面白い。

 2次、3次審査の途中までのタイプロは、就活ドキュメンタリーの色合いが濃かった。Timelesz社に入るための採用試験を見守っているような面白さがあったけど、3次から4次審査にかけては、物語が大きく展開。登場人物への解像度も上がり、スラムダンクよろしく「みんなで全国制覇を目指そう!」的なスポーツ青春漫画のような汗と涙と絆と感動が加味された。

 しかし、5次審査に入ってからは、スポ根青春漫画のムードを維持しながらも「最終的な結論は、婚活ドキュメンタリーに近しいものか」と思わされた。

 菊池風磨くんは、5次審査のポイントを「距離感。いかに我々と良い関係性を築けるか」(意訳)と語っているし、実際にシェアハウスでの共同作業やチームでの外出など、候補者たちと関係を築き相性を測るためのプログラムが用意されている。

 まあ、当初から彼らは婚活視点も持ちながら、候補生を選んでいるのだろうなということは薄々感じていました。そう考えると、これまでも誰が落ちて誰が残ったのか合点がいくこと多かったから。

アイドルグループは「家族」であり「運命共同体」

 雑誌などの媒体の人物インタビュアーとして、長らくさまざまな人に話を聞き続けて思うのは、アイドルグループとかバンドのメンバーって、他に類をみない関係性だけど、やはり根っこは「家族」に近い部分がある。親友でも恋人でもない、運命共同体。

 個々の人間性や選択が互いの人生までも左右する。時に仲違いしても、相手のことが嫌になっても、そう簡単には別れられないし、たとえ、別れても家族だった事実は永遠に消えない。

 これまで、旧ジャニーズのアイドルグループは、自分では家族(メンバー)を選べなかったけれど、timeleszは史上初、自分たちで新しい家族を選ぶのだから、それはそれは難しいはず。

タイプロが婚活なら等価交換できる相手がいい⁉︎

 家族の中でも、親と子は選べないけど、配偶者は選べるという点でも婚活と重なる。タイプロとは彼らの家族、パートナー、あるいは、各々のシンメ探しの旅なのだと改めて。

 恋愛なら、好みとかトキメキとかインスピレーションに身を任せるのもありだけど、パートナーとなると話は違う。もっと冷静に、その人の持っている本質や将来性を見極め、自分たちとの相性を見定めなければならない。

 結婚には等価交換の法則もある。今はともかく、将来的には、互いの価値を等価交換できる相手を見つけたい。その価値とは、スター性だったり、さまざまな能力だったり、人間性だったり、色々あるけど。

 相手の年齢も気になるところ。将来設計によっては、自分たちより10歳ほど若い子を選ぶメリットも多々あるけれど、デメリットももちろんある。現時点で完成度が高い人がいいのか、それともこの先の伸び代に賭けるのか……etc.

 3人がどんな未来を思い描くかによって、選ぶパートナーも家族構成も変わるし、きっと彼らにとっても正解は何通りもあるから、視聴者にとってはどんどん予測不能になっていく。

「タイプロ」を「バチェラー」になぞらえて予測してみよう

 ここで、かつて私がハマっていた婚活リアリティーショー「バチェラー」になぞらえて、「タイプロ」を予測してみたい

 「バチェラー」における物語の始まり、バチェラーの前に候補となる女性たちが登場するシーン。約20名の中で、ほとんどの人が1分の尺ももらえない中、長尺をもらい、レッドカーペットを悠々と歩く姿まで映し出される数名の女性は、後の有力候補だったり、最後の1人に選ばれたりする確率が高い。

 たとえば、「バチェラー3」で最初に登場した野原遥さん、2番目に登場した岩間恵さんのように出会いのシーンをたっぷりとドラマティックに映されていた候補者は、タイプロで言うと、西山智樹くん(24/ダンスインストラクター)、浅井乃我くん(17/アメリカ出身・高校生)、浜川路巳くん(19/沖縄出身・高校生)あたりだった。

最後のローズを貰う候補生は意外な人?

*爽やか青春ドキュメントをドロドロ婚活リアリティーショーに喩えて、何かごめん。

 タイプロの場合、第一話でバチェラー(timelesz)からファーストインプレッションローズ(第一印象で最も気になった人)をもらったのは、菊池風磨くん→岩崎流斗くん(23歳/フリーター)、佐藤勝利くん(+風磨くん)→浜川路巳くん、松島聡くん(+勝利くん)→浅井乃我くんだと私の目には映りました。

 とはいえ、ファーストローズが、最後のローズを手にするとは限らない。最初はそこまで注目されていなかった子が、中盤あたりから少しづつ頭角を表わして、ラストローズになったことも(シーズン4、5あたり)。

 タイプロでいえば、ルックスもスキルも人間性もハイレベルなのに、前半までさほど目立たなかった本多大夢くん(24歳/フリーター)あたりがラストにかけて一気に突き抜けていく可能性もあるはずだし。

 中盤から1on1デートに呼ばれ出した、篠塚大輝くん(22歳・大学生)や橋本将生くん(24歳・焼肉店店員)を本命と見ることもできる。

 ただし、バチェラーは結末まで撮影が終わった上で編集しているけど、タイプロは現在進行形の編集だし、選ばれたら結婚前提のお付き合いを問われるバチェラーよりも、即座にデビュー決定のタイプロ方が、その決断は両者にとってきっと重い。

 結局、考えるほどにわからないし、「もう、timeleszの選んだ人なら誰でも良いよね」という基本に立ち返る。まぁ、もともとこちらに選ぶ権利なんてないんだけど。

 多くの人のパートナー選びがそうであるように、容姿とか条件とかスキルとかオレたちへの愛と理解とか、現時点での世間の評価(SNS人気)ももちろん大切だけど、そこら辺はある程度の基準値を満たしていれば十分で。

 最終的には、「この人は手放したくない」とか「不思議な縁を感じる」とか、「お互いが幸せになれそう」とか、「とにかく相性がいい。一緒に歌ったり踊ったりするとケミストリーを感じる!!」っていう人が選ばれるのかなぁ。

 そして、それはあくまで彼らの主観に基づくもの。だから、今残っている12人は誰が選ばれても不思議ではないし、妥当な結果でも意外な結果でも「そういう選択だったのか」と興味深く感じるのかなと。

 予想が的中する人もいるだろうけど、内実は、当事者として人生を賭けているtimeleszにしかわからない思いやプロセスがあるはずで。
 その辺りもいつか明かされたら嬉しいし、機会があれば、私もインタビューしてみたいです。

 以上、「タイプロは他人の婚活だからアンビリーバブル!もし、推しが選ばれなくてもガッカリしなくていいよ」というお話でした。

 きっと誰が選ばれても賛否両論が巻き起こるし、残酷なエンタテイメントに傷ついた人たちが攻撃的になってしまうかもという懸念もあるのですが……。
timeleszが選ぶメンバーなら、長い目で見れば、「最良の選択だった」と思わせてくれるんじゃないかなと。この番組でtimeleszの良さを浴び続けている、いち視聴者としては思います。

ほら、「バチェラー」だって、のちに結婚して今も唯一幸せそうなカップルは、番組の結末が壮絶な批判を呼んだシーズン3だったりするわけだし。意外な結末や納得できない結末だって、きっと幸せな未来へのプロローグ!

1/18(土)Voicyにて漫画家・ひうらさとるさんと「タイプロ会議」 

 ここまで綴っておいてなんですが、明後日、1/18(土)21時〜 Voicy生放送にて漫画家・ひうらさとるさんと「勝手にタイプロ会議」を開きます。

 ここ最近のタイプロで気になったシーンや気づいたことなどはもちろん、タイプロは誰が加入するのか、私たちなりに考えてみようという会議です。

 timeleszの選択を楽しみにしつつも、こういうのをみんなで考えるのはホント楽しいですよね。

 私の中には、「入りそうな人」「入って欲しい人」「好きな人(推し)」の3軸が別軸としてあるのですが、前述の通り、「マジで予測不能だし、誰が選ばれても面白そうだよね」と視点で語る予定です。

 アーカイブは全体公開するか未定なので、生放送にお時間合う人はぜひ遊びに来てくださいませ。

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