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【CIN】ハンター・グリーンについて

  明けましておめでとうございます❗️
MLB30球団ファン合同noteレッズ担当の中山です。
 2回目の記事はハンター・グリーン(Hunter Greene)選手の経歴や2022年シーズンと来シーズンについて書いていきたいと思います。

ハンター・グリーンってどんな選手?

 まず、経歴から
 1999年8月6日 アメリカ・カリフォルニア州
ロサンゼルス生まれの23歳です。
 身長193cm 体重104.3kgという恵まれた体格から放たれるMAX166km/hのストレートとスライダーが持ち味のピッチャーです。
 高校時代からアメリカのアマチュアプレイヤーとしてはかなりの注目をされており、投手と野手の二刀流でもありました。
 大学には進学せず2017年のドラフトで全体2位でシンシナティ・レッズに指名されました。
 当時から野球界のレブロン・ジェームズという風にファンからは言われ、メディアからも次世代のスーパースターとして期待されていました。
 ちなみに、彼の母校、ノートルダム高校(~Nortre Dame High School~通称NDHS)の卒業生にはレッズやヤンキースなどで活躍したクリス・ディッカーソン(Chris Dickerson)やホワイトソックスでオールスター3回、1993年にはサイヤング賞を獲得したジャック・マクダウェル(Jack McDowell)、みなさんご存知、ヤンキースのジャンカルロ・スタントン(Giancarlo Stanton)がいます。

 余談ですが、上の画像にある指名された選手を見ると
3位指名にはマッケンジー・ゴア (MacKenzie Gore)
4位指名には二刀流で話題を呼んだ、
ブレンダン・マッケイ  (Brendan Mckay)
5位指名には今年21勝を挙げた、カイル・ライト  (Kyle Wright)
12位指名、シェーン・バズ  (Shane Baz)
13位指名、トレバー・ロジャース  (Trevor Rogers)
24位指名、タナー・ハウク (Tanner Houck)
と現在メジャーで活躍していたりする選手もいますね。そんな選手たちよりも先に指名されたのがハンター・グリーンです。


~2022シーズン~

まずは、グリーンの大まかな1年を振り返ります。

前半戦

 開幕前にはロックアウトがありましたが、無事開幕を迎え、4月10日にメジャーデビューを果たしました。メジャー初登板・初先発の相手は2021年の「ワールドチャンピオン」アトランタ・ブレーブス。最初からかなりキツイ相手でしたが結果は5回被安打4失点3で勝ち星を挙げました。       

奪三振も初登板で7とまずまずの出来でした。
 初登板でいいスタートを切ったと思われたグリーンでしたが、ここからメジャーの壁にぶつかります。
 5月26日に2勝目を挙げるまで6連敗を喫します。その間、防御率は一時8点台にまで行きました。イニング数も5回持つかもたないかという状況でした。
 その後も不安定な投球が続き7月終了時点では3勝12敗防御率5.67というルーキーとして見てもひどい結果となりました。
 

後半戦

 前半戦を散々な結果で終えたグリーンですが、8月からは大きく成績を上げます。
 まず、8月1日のマーリンズ戦を6回被安打1、四死球0、8奪三振という素晴らしいピッチングをします。この後1カ月半ほど間隔を空けますが、9月17日のカージナルス戦でも6回無失点11奪三振というピッチングを見せ、9月は3登板で2失点と前半戦とは別人の成績を残しました。

10月3日の最終登板も6回無失点と好投し素晴らしいシーズンの締めくくりをしました。

 ここまでがハンター・グリーンの2022年シーズンですが、上記の通り前半戦はとにかく打たれてフォアボールもだしてと投げては打たれという状況から一転、後半戦は圧巻のピッチングを披露しました。
 ここからは今シーズンのデータなどを使い前半戦と後半戦の分析、そして来シーズンへ向けての改善点を探っていきます。 
 

~データ分析・前半戦~

 

Fan graphsより

最初に注目していただきたいのが、打たれたホームランの数 。前半戦だけで23本とかなり多いです。

Sports naviより

 上の画像は今シーズンのピッチャー被本塁打ランキングですが、グリーンは24本で10位にランクインしています。 一発病がかなり問題視されていました。
 ちなみに、アメリカンリーグのワースト1位はゲリット・コールです。(33本)

  次に見ていただくのはWHIPやK/BB、BABIPなどのピッチャーの力量を計るデータですが、見ていただくとわかる通り防御率や被本塁打が悪い割にはこれらのデータは比較的普通といった感じですね。ただ、この中で1つ飛び抜けているのがK/9ですね。
 11.26ということで一応他の投手と比べても
 ・MIAのサンディ・アルカンタラ(Sandy Alcantara)が8.00
 ・HOUのジャスティン・バーランダー(Justin Verlander)が8.89
 ・TORのアレク・マノア(Alek Manoah)が8.08
 ・NYYのゲリット・コール(Gerrit Cole)が11.67
 ・LAAの大谷翔平が12.72

 と今シーズンサイヤング賞を争った投手などと比べてもひけをとらないどころかそれ以上の数字を残しています。(※前半戦のデータです)
 
 一応FIPもありますが防御率にとって変わる程、絶対的なものでもないと個人的には考えております。ですが、xFIPの方は防御率とほぼ一緒の数値でしたので信用できるのではと考えております。

 といった感じで特別これがひどいなというところもみつからず、何がダメなのだろうと考えていたところ気になる記事がありました。

簡単にタイトルを訳すと「なぜ、ハンター・グリーンのストレートはMLBで一番打ちやすいのか」
 というタイトルです。
 実際にデータを見ても今シーズン、グリーンが打たれたホームランの内ストレートは17ということでほとんどの割合をストレートが占めています。(グリーンの全体の投球割合も半分以上がストレート)
 そして、一番の問題がグリーンのストレートは普通過ぎるということです。回転数も平均2300回転台であり、角度も普通であること、ホップ成分が少なくスーッと来るボールであると記事に書かれています。他には、グリーンのストレートのMAXが166km/h程ですが、反対に一番遅くて153km/h程です。これの何が問題なのかというとグリーンがストレートを打たれたときはだいたいスピードが160km/hを下回ったときに多いとのことです。先発投手は長いイニングを投げるので常に全力投球をする事は難しいです。特に真ん中から低めのストレートは球速は低くなっています。やはり、メジャーの世界で、ストレートで空振りを奪い続けるというのはちょっといいぐらいの質では簡単に対応出来てしまうということだと言えます。 

ストレートでヒット以上を打たれたコース

                ⬆️真ん中から低めが多いですね。
もう1つ問題なのが、チェンジアップです。 持ち球の中で一番投球割合も低いボールなのですが、一番投球割合の高いストレートとほぼ同じ悪いです。投げない方がいいぐらい打たれます。スピードも144km/hと速いですし、デクロムのような変化をするのかと思えばほとんどストレートと同じ軌道です。コントロールもあまり自信がないようです。ホームランは打たれていませんがHard Hit%もストレートより高いです。Run Valueも4と投げれば投げる程失点する球と言えます。そのため使うとしたら、ボールゾーンへの見せ球ですね。 反対にスライダーはメジャーの中でもかなりいいボールと言われています。K%もスライダーの方が上でした。Run Valueも-5と持ち球の中でもぶっちぎりにいい数値を残しています。

Baseball Savantより

  (図をタッチするとサイトにとびます)
球速も88~90MPHとストレートとの球速差から見てもベストだと思います。  スライダーに関してはスローで回転を見た感じはジャイロ成分もありますが、バーランダー投手やデクロム投手のような綺麗なジャイロではなくサイドスピンも多めのスライダーイメージとしてはダルビッシュ投手のスラッターに近いかなと感じました。   

 ~データ分析・後半戦~ 

 前半戦の結果から私は
・チェンジアップを投げない
・ストレートの割合を減らす
・ストレートはボールゾーンでもいいから高めに投げる
・スライダーの割合を増やす

 という風に考えました。
 では、実際どうなったかを今度はデータから見ていきます。

 後半戦のデータを見ると、同じシーズンとは思えないですね。もちろん後半戦は登坂数が少ないことや登板間隔が空いたといった部分もありますが、それを差し引いてもこの成績は2019年のダルビッシュ投手の後半戦の成績に匹敵する部分もあると個人的には感じました。

 
4月と違うのはストレートを投げるコースですね。ブレーブス戦は比較的真ん中辺りにもボールが行っていましたが、カブス戦では高めがほとんどですね。ボールゾーンにも投げており空振りもほぼ高めです。

バッターがストレートで空振りをしたコース

 キャッチャーも意図して投げさせている感じがします。先ほどストレートの割合を減らすと書きましたが、
動画を見る限り減っている気はしませんね笑笑 

  減らさなくても打たれていない要因としては コース ・スピードの安定 ・キャッチャーのフレーミング ・審判の判定の3つかなと感じました。コースに関しては上記したのでスピードの安定について。 グリーンのストレートは球速の割に打たれやすいと言われていますが、それは159km/hを下回ったときです。160km/hでも打たれたりしますが、159km/hを下回ったときよりもかなり数値もいいです。実際にこの試合などではストレートはほぼ160km/h以上平均して投げ込んでいます。そこにキャッチャーのフレーミングもあります。構えもしっかりとしており、ミットも下から入ってきており綺麗なフレーミングをしています。最後が審判の判定です。MLBの審判は高めもキッチリと取ってくれることが多いので後半戦はそれがハマったのかなと考えました。 

~2023シーズンに向けて~

  ここからは2022シーズンをもとにどこを改善していけばいいかを書いていきます。
 (※プロ野球選手とかではないのであくまでも一意見として捉えてください)
 
 1.160km/h以上を安定して投げれるようにする。
 2.ストレートの球質改善
 3.新しく変化球を覚えるかチェンジアップを改善する

 
 この3つが飛躍の鍵になるかなと考えています。
 1つずつ説明していきます。
 

1.160km/h以上を安定して投げれるようにする

 これは先ほどのデータ分析の時に書きましたがストレートの球速が160を下回るとグリーンの場合はより打ちやすくなってしまうためスピードを落とさないということが重要になっていきます。
 ここで重要になるのがフィジカルのコンディショニングです。当たり前といえばそうなりますが、身体の状態などは1日経つだけで変わってしまいます。特にアスリートともなれば常日頃からケアなどはしていますが、それでも故障などをしてしまうことがあります。グリーン選手程になると160km/hを常時出していくので身体への負担もかなりのものになります。負荷に耐えきれず故障してしまった投手は多いです。
 例を挙げるとTEXに移籍したジェイコブ・デクロム (Jacob deGrom)がそれに当たります。
 球界最高のピッチャーになった2018年から2019年は圧巻のシーズンを送りましたが、最近は肘の炎症など万全でない状態が続いています。2021年も歴史的なピッチングをしていましたが、故障によりシーズンが終わってしまいました。もともと身体が細めなことから耐久性に疑問がありましたが、あれだけフォームが良くても故障してしまうのだと選手目線から感じました。
 グリーン選手の場合はメジャーの日程に身体がアジャストするのに時間がかかったともとれます。実際に後半戦は登坂間隔を空けたりして万全の状態で迎えました。 もともと、フィジカルは強く、筋肉量もあるので、疲労回復能力を向上させるなどで年間を通して安定したコンディションになると考えます。

  ⬆️がマイナー時代。まだ、細いですね。
  ⬇️が2020年。フィジカルの成長が凄いですね!


2.ストレートの球質改善

基本的にストレートは
 ・縦方向の変化量が多い
 ・スピードが速い
 ・シュート変化量が少ない
 ・反対にシュート変化量が平均よりも多い

 とデータ的には良くなります。
グリーン選手の場合は(映像を見た感じですが)シュート変化量が多く、低めになると垂れ気味になります。普通に考えれば「ホップ成分を増やそう!」となりますが、1つ抜けていることがあります。
リリースの角度です。
投手によってリリースの角度は変わります。カーショウ投手とキンブレル投手を見るとリリースの角度は全然違いますね。なので、投手を見ると時に忘れてはいけないのが角度です。

 グリーンの場合はスリークォーターぐらいか少し低いぐらいのアングルです。なので、それに合わせるとしたらシュート変化量を増やすのが一番いいと考えます。スピードも足りているのでそれ以外で打者が打ちづらいと感じるようにしたいですね。

右左別の成績

特に左バッターのアウトハイに有効的に感じます。成績も左の方がいいですね。

 

3.新しく変化球を覚えるか、チェンジアップを改善する


 現在のグリーンの球種は3つです。普通に考えれば3つで抑えれるの?と思いますが、グリーンの場合はスライダーの中にもいくつか種類があります。大きいスライダー、スラッター、カット気味のスライダーと3種類あります。
 これだけでもかなりバッターからは脅威となっていましたが、2ストライク以降粘られることが多く決め手に欠けることがありました。そこでチェンジアップ!といきたいですが、コントロールが悪く球速差も変化量もないということで見せ球ぐらいの使い道しかありませんでした。
結果、球数が増えるということが多かったです。 
 そこで私はスライダーと対をなす利き手側に落ちる球としてスプリットやフォークがいいと考えます。
 この球種であればストレートに軌道を似せることも出来ますし、スライダーとのコンビネーションもいいと考えます。
 理想としては山本由伸投手や澤村拓一投手が合うと思います。

 ですが、フォークやスプリットが難しい可能性もあるので、その場合はチェンジアップを良くするのが手っ取り早いかなと思います。
 チェンジアップはサイドスピンを増やして落とすものが指標も良いので理想はMILのデビン・ウィリアムズ(Devin Williams)のAirbenderが投げれれば良いですが

 個人的にはサンディ・アルカンタラ投手のチェンジアップの方がグリーンも投げやすいのではと考えます。


~まとめ~

 長々と書いていきましたが、ハンター・グリーン選手はサイヤング賞を獲れる力は持っていますし、ここからメジャーを代表する選手にもなれます。
 今回書いたことはメジャーリーガーにもなれば大量のデータもあるため本人も気付いていると思いますし、私たちが分からない細かい部分もあると思います。なので、一意見として捉えていただけると有りがたいです。
 私が彼を初めて見たのはドラフトされる前だったのでこうして、メジャーに昇格するまでの過程追っていった選手も初めてなので思い入れも強い選手です。
 みなさんも是非、2023シーズンはハンター・グリーンとシンシナティ・レッズに注目をしていただければと思います。 
 
先ほど、著作権を侵害する恐れのある動画を掲載していたので動画は消去させていただきました。

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TwitterのDMもOKです❗

 それでは次の投稿でお会いしましょう。
 

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https://www.instagram.com/p/CjWohbuMNub/?igshid=YmMyMTA2M2Y=

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出典


 



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