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奇跡的な必然で繋がった「最高の未完成」たち BE:FIRSTとSKY-HIの理想的な創始創愛のカタチ

※rockin'onのウェブサイトにあったコンテンツ『音楽文』が2022年3月末を以てサービス終了してしまう為に、かつて書いた自身の音楽文を保存用にこちらに掲載します。

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彼らのプロローグ(序章)は終わりを告げた。2021年8月13日。この日を境に7人の若者は改めてスタートラインに立ち、そして、そこからものすごい勢いのスタートダッシュを決めようとしている(いや、既に決めている!)。事実、プレデビューの段階だというのにリリースした楽曲は音楽配信サイトやサブスクリプションサービスでのダウンロードで軒並み1位を獲得。YouTubeで公開されたその楽曲のMVの再生回数は公開からわずか1週間の時点で700万回を超えている(!!!)。どう考えても時代に風穴を開けるべく、そしてシーンを引っくり返すべく現れたと言っても過言ではなく、その盛り上がり方は各地で最高気温を連日更新していくようなこの夏の熱気と相まって上昇していくようである。

そんな彼らとは…『BE:FIRST 』= ソウタ、シュント、マナト、リュウヘイ、ジュノン、リョウキ、レオ

彼らに強烈に惹きつけられている私も含め、「ザスト民」改め「BESTY」の皆さんは名前を並べただけでも既にワクワクしているかもしれない。実際、私自身も前述の『Shining One』のMVを公開されてからのこの1週間で何回見ただろうかという位、エンドレスに観られてしまう。既に沼に落ちているのは間違いない。それにしても、デビュー前の段階でここまでの数字をたたき出した日本のアーティストを近年、私は知らない。この現状のムーブメントを起こし得た要因は何であるのか。それは様々考えられる中でもちろんテレビやストリーミングサービスでの彼ら7人が「BE:FIRST」としてのデビューに至るまでの過程を見せることでその成長や彼ら自身の人間性に感情移入できたということも大いにあると思うが、その根本はこのオーディションのオーガナイザーであり、「BE:FIRST」のプロデューサーでもあるSKY-HIのコンセプトが確実に芯の通った強固なものであり、それに呼応するかのような成長曲線を描き、楽曲として表現した彼ら7人のまさに努力と想いの結晶であると思う。本当にこのプロデューサーSKY-HIと7人のメンバーのシナジーは、奇跡的なものであると思う一方、オーディション「THE FIRST」内のクリエイティブ審査NEOのユニット「Show Minor Savage」が楽曲『No Cap Navy』の中で歌っていたような、まるでそこに登場する全員が導かれるかのごとくSKY-HIの下に集ったような、「重なる瞬間(いま)、偶然じゃない」という必然性の結果でもあったような気がしてくる。

そんなプロデューサーSKY-HIも「THE FIRST」のオーディション開始時こんなことを言っている。

「ヒットするボーイズグループを作りたいというよりは、価値観そのものをひっくり返すカルチャーを作るつもりです」(オーディション「THE FIRST」より) 

自身も今まで幾多の壁や偏見などにさらされ、都度それらを打ち破ってきた彼らしい言葉だなと最初聞いた時思った。「AAA」という超巨大ポップグループに所属する傍ら、1人のラッパーとしてアンダーグラウンドから叩き上げで己の価値を証明し続けてきた彼が、現状のポップミュージック、ダンス&ヴォーカルのシーンにおいて、その最前線で肌身を通して感じた感覚、そしてそこから派生した危機感から発した言葉の一部が上述のそれである。また、前述した確固たるコンセプトとして「クオリティファースト」、「クリエイティブファースト」、「アーティシズムファースト」という3本の柱を掲げ、現状のポップミュージックが量産され刹那に消費されていくこの世の中において、価値のあるリアルな質と創造性を持ち合せた楽曲をそれらを体現する表現力を持ち合せたメンバーを以て世の中に表出させていく。「言うは易し行うは難し」とはよく言ったものだが、シーンのトップをひた走る彼自身が現状のシーンにおいて強烈な危機感を覚えただけに止まらず、責任を感じて行動を起こす。自らの意志でそれを示す彼のステートメントは周りへの影響力、説得力が段違いだし、「意志がある。主張がある。メッセージがある。だけどお互いを尊重し合えるグループ」というBE:FIRSTの根幹を成す通奏低音のようにメンバー7人にも確実に根付き流れているものであると思う。私自身、SKY-HIの作品は音源としてもすべて聴いてきてその楽曲から発せられる意志・主張・メッセージは心にスッと入るものばかりで強く惹きつけられているが、彼の人柄、人間性、共感力、想像力その他諸々含めた魅力としての「人間力」はストリーミングサービスでもYouTubeのダイジェスト版でもオーディション「THE FIRST」の模様で確認できるのでまだ未視聴の方はこの機会に是非観て触れて頂きたい。

そんな(肩書きは何でもいいが)アーティスト・クリエイター・プロデューサーSKY-HIと共に、これから世界への挑戦という大きな目標・夢に向かって進むBE:FIRSTの7人は端的に言えば「愛される才能」に満ち溢れていると思う。それはアーティストとしても人としても成功する人間の特性でもあると思う。プレデビュー曲の『Shining One』はもちろん、オーディション「THE FIRST」の中で披露された『To The First』、『Be Free』、『Move On』という楽曲群も錚々たるクリエイター陣によって制作され、コレオグラフは世界に名だたる「s**t kingz」、さらにボイストレーナーも数々の日本のトップアーティストを指導している、みんな大好き「りょんりょん先生」こと佐藤涼子氏が携わっており、正式デビュー前のBE:FIRSTの7人を既に1人ずつのプロのアーティストとしてリスペクトし、指導してくれるのは彼らがそれぞれ周りの関わってくれている関係者やスタッフに「愛されている」からであり、ひいてはBESTYやこれから彼らの音楽を耳にするであろう人々に愛される理由にもなり得ると思う。

そして、BE:FIRSTとSKY-HIを語る上で外せないのは楽曲とパフォーマンスであり、特に『Shining One』と彼ら8人もといショウタ、ラン、レイ、ルイ、テン、タイキ、ナオキ、シュンスケも含めた16名の「オレたちの歌」であった『To The First』の2曲はこのチームSKY-HIの「世界」に対する所信表明のような、名刺代わりの1発としてすさまじい破壊力を持った楽曲であると思う。この2曲は表裏一体の関係であり、前述した「価値観そのものをひっくり返すカルチャー」を作ると語っていたSKY-HIの強烈な意志・主張・メッセージが明確に見て取れ、その思いを共有しているBE:FIRSTのメンバーがダンス&
ヴォーカルの形で完璧に表現したものである。事実、それぞれの歌詞でこう歌っている。

【To The First】
 「型破りでクレイジー? 上等だ ハナからニュースタンダード」
 「お前の物差しじゃ測れやしない さぁもう行くぜ 君はどうしたい?」
 「ほかの奴らじゃ 到底追いつけないくらい」

【Shining One】
 「溜息混じりのWeekend 同じ味にも飽きて Oh」
 「グラス越し踊るスポットライト 泡と共にハジけた」

人間はつくづく変化を嫌う生き物であると思うが、既存のものや仕組み、制度、システムを飛び越えたり、変化させたり、壊したり、そういうことを行おうとする人は時に疎まれたりする。それを彼らは、「最初から敢えて逸脱してますが何か?」というようなスタンスを諸に具体的に『To The First』では示しているし、一方の『Shining One』では刹那的に消費されていく量産型のポップミュージックを「同じ味にも飽きて」と歌い、それらはもう「泡と共にハジけた」という表現でこれからニュースタンダードを提示していくぜというような主張にも感じ取ることが出来る。そして、この2曲が同じスタンスで同様の意味性を内包していることがわかる接合点は以下の部分であると思う。

【To The First】
 「放物線を描く 流れ星を掴むように空を駆ける Now I gotta go ぶちかまそう 君と」

【Shining One】
 「もうすぐ追いつくあの日目にした流星群 どこまででも飛べそうさ退屈をエスケープ」 
 「1人でもgood、でも君とならもっと… Now or never, make it happen」

歌詞のフレーズ的にも似たような表現が並んでいるが、その意味もニアリーイコールであると思う。例えるなら「これまでの音楽チャート上位の楽曲たち(「放物線を描く 流れ星」≒「あの日目にした流星群」)」に「もうすぐ追いついて」(≒「掴んで」)、それすらも飛び越えて「空を駆ける」≒「どこまででも飛べそうさ」とその先を既に見据えている。さらに、それをBE:FIRSTというグループで成し得ることの意味を「ぶちかまそう君と」≒「1人でもgood、でも君とならもっと…」と「1+1」の7人分が単純に「7」になるのではなくそれ以上の何倍もの数値として表現できることを表しているようである。そして、それは始めるのも、羽ばたくのも今からでも決して遅くないと『To The First』で示し、『Shining One』のサビに帰結していく。

 感じて…Be the one
 Can’t stop going going going
 今すぐ…Be the one
 響き合うほどに踊り出す鼓動
 Yeah wow
 Ready, set go!
 Ah, 唯一無二のShow time
 Yeah wow
 もう止まらないShining One

この「the one」はBE:FIRSTの名前の通り、「頂」、「頂点」、「1番」という意味の「the one」であるのはもちろんあると思うが、一方でこれはSKY-HIの設立したBMSGが掲げる理念としての「Be MySelf(自分のままで)」を確立した自分になるという意味もあるのではないかと思う。それを確立することが彼らの「クオリティ」・「クリエイティヴィティ」・「アーティシズム」を最大限に発揮でき得るということをSKY-HI自身が分かっていたからだ。もちろん、その自分自身の確立というのは今後BE:FIRSTの7人が様々な音楽や環境、状況に触れることでより進化し、深化していくものであると思うが、現時点でも「彼ららしさ」を持った「the one」を確立できているのは彼らの強みになっていくと思う。

頂点への挑戦はもう始まっている。プレデビューの段階で大いなる価値を証明している彼らの前途は眩いばかりの輝きに満ち溢れていることは間違いない。彼ら7人はもう準備は出来ている。あとは感受する我々が準備は出来ているかということだ。彼らの「楽曲」が響く時、それは世界が踊り出す時だ。止まらない「Shining One」=BE:FIRSTと共に夢を追いかける旅路は、期待と興奮と熱狂とあらゆるポジティブな感情を我々に運んできてくれるだろう。さあ、「唯一無二のShow time」の幕開けだ。

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