芳川

アート・コミュニケーター/ のら鑑賞ファシリテーター(対話型鑑賞) 横浜在住。 通信制大学で芸術などを学びつつアートを鑑賞したりつくったり レポート課題に悶絶する日々のなかで、つれづれ思うことをしたためております。 "オンライン 対話でたのしむアート鑑賞カフェ" を運営中。

芳川

アート・コミュニケーター/ のら鑑賞ファシリテーター(対話型鑑賞) 横浜在住。 通信制大学で芸術などを学びつつアートを鑑賞したりつくったり レポート課題に悶絶する日々のなかで、つれづれ思うことをしたためております。 "オンライン 対話でたのしむアート鑑賞カフェ" を運営中。

マガジン

  • テンペラ画の制作過程

    テンペラ画の制作手順と実施過程を記録しています。

最近の記事

あたらしい日々、新しいPC

こどもが独立して家を出たので、家族で住んでいた大きな家を整理し、自分の作業場を主体とした効率の良い住まいを作って移転する計画を立てて実施しましたのでしばらくnoteからは遠のいておりました (3か月ぶりだろうか?) いろいろありましたが、今日は、新居に新しく設置したデスクトップPCを初めて使ってみました 画面が大きくて見やすいし、首を曲げなくても見られるのでかなりストレスが軽減しています。いいなあ、デスクトップ。スペックはそこそこですが、ゲーミングでもあるのでゲームも楽し

    • 鑑賞レビュー:国立西洋美術館 「内藤コレクション 写本ーいとも優雅なる西洋の小宇宙」

      7月12日金曜日 東京都台東区 上野恩賜公園にある国立西洋美術館をたずね、開催中の展覧会「写本ーいとも優雅なる中世の小宇宙 (会期 2024 6/11~ 8/25)を鑑賞しました。 当日は、梅雨らしいぐずつく天気でしたが、日差しのキビシさよりも体調にはやさしい日和でした。金曜日であったので、夜間開館として20時までにゆっくりみられるので、お昼ご飯に東京純豆腐でノンスパイス純豆腐をいただき、おなかを満たしてゆっくり出かけました。 今回の展示は、ヨーロッパ中世時代のキリスト教

      • 【テンペラ画制作過程10】背景の下画き

        制作記録も第10回となりました。 支持体制作を始めて16か月。 (一か月に12時間程度作業を行っています) やっと背景の下描きにかかれました。 ●背景のモチーフを金箔地に直描きする はじめて金箔(金属)の上に直接描くので、師匠の井上先生にいろんな工夫を教えていただきました。 ●不透明色(白地)の上に色をおいていく 透明色でも不透明色でもいったん定着させられるように下書きをチタニウムホワイトで起こし、そのうえに大まかに色を置いていき、最後にハッチングを重ねて細密描写に仕上げ

        • 【テンペラ画制作過程9】固有色を配色する

          半年前から初めて石膏ボードつくったり、下地を磨いたり、箔を貼っていたり、下地色塗ってたり、長い長い下積みが終わりまして、やっと作品の最終段階「固有色を彩色する」段階となりました。 この制作過程の中では「次の作業をするタイミング」の重要なものがあり、それを把握するのが難しかったです。 長かった…。 加州清光 極 っぽくなってきました。

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        • テンペラ画の制作過程
          10本

        記事

          【テンペラ画制作過程8】下地色でモチーフを描く

          前回のプロセスでは背景色である金色を準備しました。 今回からやっとモチーフの描画にかかります。 まず、細かく陰影を意識し、固有色を塗る前の下地色(緑、紫、茶色、赤)で、立体感を意識しながら描画をしていきました。 ※下地色は、最終的には見えなくなるものですが作品画面のもつ個性に大きく影響させる工程です。 下地にどんな色を使用するかが決まっているわけではありません。作家が描画を最終的にどんな印象に仕上げたいのかを考えながら決定します。 一般的には「反対色」を下地に入れると発

          【テンペラ画制作過程8】下地色でモチーフを描く

          鑑賞レビュー:サントリー美術館 四百年遠忌記念特別展 大名茶人 織田有楽斎/”武士でない”生き方をえらんだ男

          3月24日、展覧会最終日となってしまったサントリー美術館で開催された大名茶人 織田有楽斎についての特別展を見に行きました。 この展覧会は建仁寺正伝院により、院の再興者である織田有楽斎の400年遠忌として、これまで歴史の中で「本能寺から逃亡した(卑怯な)男」として語られてきた織田有楽斎についての歴史認識を新たにしたいとの意向で企画されたという事で関連の書状や愛用の茶道具など、展示品の過半数が正伝院の収蔵品で構成された展覧会でした。 私は最近まで織田有楽斎という人を知りません

          鑑賞レビュー:サントリー美術館 四百年遠忌記念特別展 大名茶人 織田有楽斎/”武士でない”生き方をえらんだ男

          つれづれ:アーティスト進藤詩子氏によるワークショップ/身体をつかって風景を描く~ 土と墨のドローイング

          2024年 3/20(水) 横浜市民ギャラリーあざみ野の企画 Showcase Gallery ”シリーズ陶の表現 進藤詩子展(3/16~ 5/26)” で、ドローイングと陶による作品を出品されている進藤詩子さんのワークショップに参加しました。 (カバー画像は進藤詩子氏による) 進藤さんのワークショップは”紙と陶に描く「いつかどこかの風景」と題され、紙には水墨でドローイングを、小さな陶器に化粧土で”こころに浮かぶ風景”を描いていくというプログラムでした。 午前中は、さまざ

          つれづれ:アーティスト進藤詩子氏によるワークショップ/身体をつかって風景を描く~ 土と墨のドローイング

          鑑賞レビュー:東京国立博物館 本阿弥光悦の大宇宙 はじめようか天体観測?

          2023年3月10日、東急田園都市線の江田駅の改札前にあるカフェで”しおくるみパン”をほおばってiPhoneをポチポチして検索していたらトーハクの「本阿弥光悦の大宇宙」の最終日だという事がわかった。コロナ対策が終わり、博物館の入館が予約制ではなくなって気軽に行けるようになったのと、テスト直後で気分もハイになっていたのでふらりと行ってみた。 知識がないというか、本阿弥光悦は美術史の資料でもネットで調べても「江戸時代の有名人」ということしかわからない。 プロフィールには数寄者と

          鑑賞レビュー:東京国立博物館 本阿弥光悦の大宇宙 はじめようか天体観測?

          つれづれ:世の中にたえて桜のなかりせば

          知らない人がいないんじゃない?くらい有名な、平安時代の「春のうた」だ。 この和歌を知っている人は、満開の桜のみるとこの字面が頭の中にうかんでしまうのでないだろうか? また、反対に、桜が咲いていない季節でも、満開の桜を思い浮かべてしまいそうなめでたさだ。 先日、現代アート展を見ていて、時空を超えるこの三十一文字のことを思い出し「言葉に比べるとアートって、なんて伝わりにくいんだ」と、考えてしまった。 ゆえに、アーティストトークを聞きに行ったわけなのだが、主題となっていた政

          つれづれ:世の中にたえて桜のなかりせば

          鑑賞レビュー 再掲:3年ぶりにリニューアルオープン!横浜美術館 横浜トリエンナーレ2024 「野草:いま、ここで生きてる」を垣間みしてみた。

          3月16日(土曜日)、リニューアルした横浜美術館を見にいってみました。 建物はキレイになっていましたが、チケットブースとかショップが仮設っぽいので、まだ未完成っぽい印象でした。 ライブラリーやカフェ、アトリエなどは11月に開始されるとのことなので、現在は横トリの一会場という印象です。 前日の15日から「横浜トリエンナーレ2024 野草:今ここで生きてる」が始まっているのですが、事前情報が全くないので、3時間にわたって行われるアートディレクターと参加アーティストのトークイベ

          鑑賞レビュー 再掲:3年ぶりにリニューアルオープン!横浜美術館 横浜トリエンナーレ2024 「野草:いま、ここで生きてる」を垣間みしてみた。

          鑑賞レビュー:越後妻有 大地の芸術祭2024 冬 + 田中泯 雪の良寛

          2月22日・23日の二日に渡り雪降る新潟に行ってまいりました。 暖冬の影響か、前日までは雨が降っていたのですが、22日より寒さが戻り、粉雪降り積もる「雪国」の景色を満喫してまいりました。 今回は「アートプロジェクト」を検索していたところTOPに「越後妻有 大地の芸術祭 冬」がヒットし「冬もやってるんだ?」と思ってサイトを見に行ったところ2024年度7月から始まる大地の芸術祭(本番)のためのオープニングとして田中泯氏が雪の中でパフォーマンスをされるという事で、「雪見」を兼ね

          鑑賞レビュー:越後妻有 大地の芸術祭2024 冬 + 田中泯 雪の良寛

          つれづれ:noteに勇気をもらう。

          おはようございます。 昨年、6月に家に車が突っ込んでエクステリアと玄関が大破し、その直後夫がクレジット会社に借りていたお金の債権が知らない会社に売り飛ばされ、返す当てが分からなくなり、家が知らない信販会社に差し押さえられるという事件に遭い、解決直後に大腸憩室炎という病が悪化して入院、という災難にあいながらも無事に年末が迎えられました。 今年は、通信制大学の専攻を変えるために転学し、引っ越しを決意して長年の懸案だった「家の売却」にとりかかったところベランダが雪災でひび割れ、

          つれづれ:noteに勇気をもらう。

          【テンペラ画制作過程7】白亜地の上に箔あかしで金箔を貼り詰める。

          ずいぶん間が開いてしまいましたが、今回は黄金テンペラを作るために白亜下地に金箔を貼る作業が進行したので【制作過程3】の続きをレポートします。 今回は、初取り組みとして日本の技法である「箔あかし」という方法で画面に金箔を貼ります。 また、320㎜×210㎜と以前に作った作品の4倍以上の大きさなので、失敗は覚悟の上で取り組みます。 ●うまくできるかどうかわかりませんが「えいっ」とやってみました。 この技術を何とか取得して、制作に生かしたい! 次は白亜地に膠を混ぜた水を刷毛で

          【テンペラ画制作過程7】白亜地の上に箔あかしで金箔を貼り詰める。

          鑑賞レビュー:アーティゾン美術館/マリー・ローランサンー時代を映す眼 

          過日(2024年1月26日)アーティゾン美術館で開催されていた「マリーローランサンー時代を映す眼」を鑑賞しました。 なかなかレビューがまとまらなかった理由としてじつは、自分、マリー・ローランサン(1883年~1956)の人物画が苦手。 描かれた女性たちには髪も皮膚も質感が不明瞭で、瞳には光がない。 そして、ふわふわした色合いに包まれ、体臭やセクシュアリティを感じさせない肉体を持った彼女たちの表情からは人間としての感情は読み取れません。 思った通り、耽美的でポエティックな

          鑑賞レビュー:アーティゾン美術館/マリー・ローランサンー時代を映す眼 

          鑑賞レビュー:GYRE GALLERY(表参道)アニッシュ カプーア 奪われた自由への眼差し 監視社会の未来

          1月26日、表参道のジャイルギャラリーで開催中のアニッシュ カプーアの展覧会 「奪われた自由への眼差し 監視社会の未来」を見に行きました。 展示を見る前には虚淵玄のアニメ作品 psycho-passを彷彿とするような、スリリングなタイトルと、ウェブサイトの混沌としたイメージ画像から、どんなおどろおどろしい展覧会なのかと思ってちょっとドキドキしました。 ギャラリー内には焼け焦げた肉の塊みたいに見える赤と黒と白のどろどろオブジェ(固まってますけど)が点在し、ちょっとダークなイ

          鑑賞レビュー:GYRE GALLERY(表参道)アニッシュ カプーア 奪われた自由への眼差し 監視社会の未来

          鑑賞レビュー:山種美術館 癒しの日本美術ーほのぼの若冲・なごみの土牛ーゆるふわ日本美術と新年を過ごす。

          2024年の初鑑賞には、恵比寿の山種美術館へと足を運びました。 山種美術館は開館50周年を迎える日本美術専門に取り扱う美術館。様々な時代の日本の美術作品の展覧会が開催されているという事ですが、私、明治以降の日本美術にはあまり関心がなく、カフェ椿でたのしめる展覧会に合わせて提供されるオリジナル和生菓子がお目当てで正月早々でかけたのでした。 今回の展覧会は、「ほのぼの」がテーマの展覧会で、かわいらしい動物の絵や冬から春への風景画が多く、冬の寒さを一時忘れるひとときになりました

          鑑賞レビュー:山種美術館 癒しの日本美術ーほのぼの若冲・なごみの土牛ーゆるふわ日本美術と新年を過ごす。