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のほうが優先順位が高かったりもする

ここは異国だ。ヨーロッパに住んでいると、時々日本から訪ねてきてくれる知人友人との会話でたびたび税金や社会保証の話題がのぼることがある。たいていのアーティストの友人たちは、もう日本社会は地獄のようだよと、お金はないし、時間はないし、仕事はないし、何もないんだと、あるのは疲労だけだ言うし、僕もそうだと思うけれども。住む国や都市はある程度は、もちろんそれ相応の障壁と苦労の末にしか実現できないけれども、原理原則は自分の意志で選ぶことができることも忘れてならないと思うと同時に、いや、お金の話は重要な話だし、こちら特にウィーン に関しては長いこと左派勢力の社民党と緑の党が優勢だったのだから、やっぱり社会保障も充実しているのかしら、なんて思うのも当然だし、それにウィーン には左翼労働者階級向けのアパート「カール・マルクス・ホフ」もあるし、ソーシャルセキュリティーハウスも目立つ。かつて30年代は赤いウィーンなどと呼ばれるくらいに左派勢力が強かった。しかしながら、そういうことは昔のことで、ここ数年に関しては極右が台頭したりとがっかりする状況にも。そうだとしても、現実社会のシステムに関しては、こういうことは住んで見るまでは、現実的なことはわからないし、むしろあたって砕けろという感じで粉砕してしまったほうが、よっぽど分かった気になれるというものだ。

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