KYOTOGRAPHIE: 人生観を見つめ直せる写真展
ゴールデンウィークで帰省中に、京都の町中で行われているKYOTOGRAPHIE(京都国際写真祭)という写真展に行ってきました。知ったきっかけは、今年のCP+2018であった、シグマの山木社長のトークでした。KYOTOGRAPHIEへの協賛と出典の話をされていました。帰省してから京都での写真展を調べてみると、ちょうど会期中だと分かったので、行ってきました。(最終日は明日の5/13)
まず行ったのは、ローレン・グリーンフィールド(Lauren Greenfield)の「GENERATION WEALTH (富の世代)」という展示でした。結論から言うと、この写真展は、自身の人生観を見つめ直す良いきっかけになると思うので、おすすめです。また別の、ジャン=ポール・グード(Jean-Paul Goude)の写真展にも行ったのですが、それは別の記事にします。
展示会場の場所が面白くて、京都新聞ビル 印刷工場跡(地下1F)でした。中々入ることはできない所です。廃墟が放つ、冷たく、どこか寂しさを感じる、異質な空間の中に作品群が展示されていました。
ハイ(high)な写真群と廃墟のハイ(廃)のコントラストが、写真を観る人により大きなインパクトを与える演出をしているように感じました。
会場で配られたパンフレットから解説を一部を引用します。
「GENERATION WEALTH(富の世代)」は、"富がもたらす作用"について探求した25年間の集大成となる作品だ。私は1992年から、物質主義的な文化や、セレブ崇拝、そしてステータスが外見や自己呈示によって決められる現象などに注目し、記録し続けている。このプロジェクトのコンセプトがかたちになりはじめたのは、2008年の金融危機のあとだった。あの金融危機を機に、わたしは気づいた。それまで自分が記録し続けていた物語はすべて、個人の枠を超えた、さらに大きな、そして重要なナラティブー誰も身に覚えのあるモラルに関する物語ーの一部だったのだ、と。
作者は、人々が夢中になって追い求める、お金、美、若さ、性的魅力、ブランドなどステータスを与えるすべてのものを富と位置づけていて、富を追い求めても最終的に満足は得られない、という学びを得たそうです。
確かにそうかも知れません。自分にとっての本当の幸せとは何かを自問自答することから背を向けてしまい、ついそういった「間違った富」を追い求めてしまう。それが、人間の醜さであり、弱さなのだと思います。
この作品は、お金の力で何でも解決しようとする、資本主義にある根源的な醜さ、不味さを浮き彫りにしているように感じました。
僕にとっての幸せを考えた時に、外すことができないのは、使い切れないほどのお金でもなく、社会的ステータスでもなく、身近な家族や友達と精神的に深い絆を感じることです。生きるうえで、お金や社会的ステータスだけでは手に入らないものに価値があると思っています。大切な人と深い絆があれば、人生で直面する様々な困難を乗り越えていける気がしますし、より人生を豊かに生きていけると思います。
関西圏にお住まいの方、この写真展は明日までですので、この機会に足を運んでみるのはいかがでしょうか。よい週末を。
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