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日本にいながらでもできる!かんたんな英会話から広がる外国人ポートレート撮影の世界

今回は、中学生レベルのかんたんな英会話ができれば、日本にいながら、外国人とポートレート撮影ができるという話をしてみようと思います。僕は英語で日常会話を満足に話せません。写真撮影に必要になりそうなフレーズを覚えておいて話すくらいしかできません。実際にどんな英語を話しながら撮っているのか、撮った写真とともに書いてみます。でも、結論としては、英語はそれほど重要ではありません。

きっかけ

今年に入ってから、街に出て、見知らぬ人に声をかけて写真を撮らせてもらう、ポートレート撮影をしています。写真撮影の技術を磨くためにやっています。人との出会いも楽しいです。写真が世界を広げてくれました。人生を豊かにしてくれました。

ポートレート撮影をするには、当然ですが、まず被写体になる人を見つけて、撮影を承諾してもらう必要があります。そこで大きな壁になるのは、承諾をもらうことです。日本人だと撮らせてもらうハードルが比較的高いです。一方、海外から来た観光客は、写真撮影に対して寛大な方が多いです。それもあって、次第に海外観光客を撮るようになっていきました。

一番はじめにすること

言語がどうであれ、この人は怪しいと思われたら、何も始まりません。なので、最低限、身だしなみをきちんとします。それから、すべてがはじまります。

街での撮影をはじめた頃は、帽子をかぶってみたり、人当たりが良さそうなコートを着たりして工夫しました。自己演出、大事です。

撮影地を考える

撮影に出かける前、どこで撮りたいか、どこでなら撮れそうか検討します。

僕の場合、平日は会社員なので、平日撮りにいく時間を確保するのは正直難しいです。それでも、少しでもうまくなりたいので、通勤の合間の数十分でもコンスタントに撮れる場所ということで、近場の浅草寺に行くことが多いです。

撮りたい人を見つける

撮影地に着いたら、撮りたい人を探します。実はこれが一番難しいです。観光客で賑わう浅草寺にポートレート撮影に行って、1時間くらいずっと見渡しても、撮りたい人がいないということもよくあります。撮影すればするほど、それに反比例して、撮りたい人が見つかる確率が下がっている気がします。自分の中で、何か基準みたいなものができてきていているからだと思います。でもそれが、言い訳とか悪いフィルターだったら、外していかないといけません。

最初に話す言葉

撮りたいなと思った人が見つかったら、こんな言葉を話します。やっとここで英語が登場します。

Excuse me. May I take your picture?

どうでしょうか?とても簡単です。本当に毎回これです。バリバリ日本語訛りです。テンプレートとして覚えておいて、話すだけです。でも、訛りより言語よりも重要なのは、あなたを撮りたいという熱意を相手にしっかり伝えることです。バーバルよりノンバーバルです。相手の目をしっかり見て、撮らせてほしい気持ちを、身振り手振り、身体全体を使って表現します。

発音が気になって話せないという方。この動画が参考になります。自分の目的が達成できれば、発音なんて気にしなくてもいいんだと気づかされます。

上記のフレーズを話して、相手の反応が悪い時にどうするか。

I study photography.

という、撮影目的を伝えてみたり、これまで撮影したポートレートを即座にスマホで見せられるように準備しておいて、それを見せたりします。

そうすれば、ほぼ撮影させてもらえます。

いざ撮影

ここからは、具体例をベースに紹介してみます。

先日、原宿にポートレート撮影に行きました。3時間ほど原宿を歩き回って、誰一人撮れませんでした。なんや、しょぼいやん。しょぼいです。

諦めそうになった時、彼が目の前に現れました。彼しかない。人でごった返す竹下通りを歩いていく姿を見て、彼の後をつけて、5分くらい様子を見てから声をかけました。シャイです。話しかけるのに5分もかかってます。話した言葉は、もちろん、上記に書いた通りです。断られないように、これまで撮ったポートレート写真もスマホですぐに見せました。

ちなみに、この時はこんな条件で人を探していました。

1. 直感的に撮りたいと思える
2. 余計な荷物やショッピング袋を持っていない
3. 暇そうにしている
4. 単独で行動している

1は、そうでないと撮っていても楽しくないからです。2は、全身撮影や移動しながらの撮影で邪魔になるためです。3は、うまくいけば撮影延長を交渉できるから可能性があるからです。少しでも多くの写真を撮りたいです。4は、友達と一緒だと、長く時間を取るのが難しいからです。ただ、友達と一緒の方が、友達の協力もあって、面白がって撮らせてもらえることも多いです。また、友達と一緒の方が、人間性を担保しやすいという側面もあります。やはり撮るとしたら、いい人格の持ち主を撮りたいです。

これらすべての条件を満たす人は、いくら原宿でも中々見つかりません。だから時間がかかりました。

実は、彼を見かけたのは2度目でした。最初に見た時、さっさと歩いていったので声をかけることができませんでした。悔しい思いが残りました。それから1時間ほど経ってから、竹下通りの人ごみに消えていく瞬間に彼を再び見つけました。このシチュエーションから、彼は恐らく時間を持て余していると同時に察しました。1時間で2度会うということは、彼も原宿を歩き回っていたと推察できたからです。交渉次第では、撮影を延ばせるかもと思いました。

人が多すぎて撮れる状況ではありませんでした。それでも、歩きながら、とにかく撮りました。

歩いていると途中で階段があったので、座ってもらいました。決して奇麗とは言えない場所でした。それでも応じてもらえました。

Sit down, please.

階段で撮影した後、彼の方からメールで写真を送ってくれないか?と言ってきました。これは、撮影を延長しても、OKがもらえる可能性が高そうだと思いました。

そこで、すかさずこんな風に返しました。

This is very crowded. I want less people. Do you have time? 5 or 10 minutes, OK?

5~10分ほど、人がもっと少なく別の場所で撮りたいと伝えたら、幸運にもOKがもらえました。かなり怪しい英語ですが。伝われば問題ありません。

場所を移動して撮影を続けました。場所を移動する間、どこで撮るかとか、露出をどうしようとか、頭の中でぐるぐる考えてました。

人ごみの竹下通りを抜ける横断歩道でも撮りました。彼にお願いしました。

I want to take pictures while you are crossing the road.

実際、ここまできれいに言えたか覚えていません。それでも、理解してくれて、歩きながら何枚かシャッターを切りました。

面白い模様の壁があるなと思って、ここで撮りたいなと思っていた所で撮りました。目線の指示は、こうやって出しました。

Look at me. Look through the lens.

こうすれば確実に目線がこちらに向きます。

他にも、

Eyes to me.

とかも使えます。YouTubeで海外カメラマンの撮影で知りました。7:34や9:31などでこのフレーズが出ます。

場所を移動してポージングをお願いしました。ポージングのための英語は話していません。僕がポーズを取って彼に真似してもらうだけです。最初、彼は恥ずかしそうにしてました。きっとこういうポージングを頼まれたことが無いのだと思いました。ちょうど影になっていて、顔に醜いコントラストができないと思ったので、ここにしました。

場所を変えました。以前撮ったことがある場所で撮りました。ここでも日陰になっている場所を意図的に選びました。動きのある写真が撮りたかったので、こんな風に言いました。

Just walk around here.

最初、やはり彼は照れてましたが、周囲をぐるぐる歩いてくれました。手の動きが固く感じたので、ジェスチャーでもっと手をぶらぶら動かすように伝えました。どんな英語を話したか忘れましたが、フリーズしてる感じは嫌だと伝えました。

英語での伝え方が分からなかったので、まず自分がポージングしてみました。そして、それをマネしてもらいました。ここまで来たら、英語なんて大した問題ではありません。それよりも、どんな写真が撮りたいのかを鮮明にイメージできるかです。イメージさえできれば、自分でポージングするなりすれば、多少非効率でも英語でなくても伝えることができます。僕はこれがまだまだできなくて苦労しています。

目線を外してもらいたかったので、近くにあった壁を指差して、こんな声をかけました。

Look at there.

先ほど出てきたLook at meと似ています。meをthereに変えただけです。このフレーズは便利で、指を指しながら言うだけで目線をコントロールできます。ちなみに、Look at there. は文法的には間違いなようです。atは不要で、Look thereで良いみたいです。ここでも大事なのは、文法の細かいことよりも、伝わるか、です。

最後に、歩く所を撮ってお別れしました。きっと彼はどれだけ歩く所を撮るのだろうと思っていたに違いありません。結局、声をかけてから20分近く撮影に付き合って頂けました。指示をすると、毎度恥ずかしそうにしながらも、撮る時はきちんと表情を決めてくれる、めちゃくちゃいい人でした。合計で連写せずに100枚近く撮りました。

撮った写真をセレクトして彼に早速メールしました。喜んでくれてました。

最後に

いかがでしたでしょうか。これまで見てきたような、中学生レベルの英会話ができれば、日本にいながらも、外国人とのポートレート撮影が可能になります。確実に世界が広がりますし、こういう時間を持てることは、人生にとってとても豊かなことだと思います。

でも、本当に英語なんかはどうでもよくて

・いい被写体を見つけられるか
・撮る前に撮りたい写真をイメージできるか
・被写体に対して自分の身体でしっかり反応してシャッターを切れるか
・撮影した写真をセレクトして自分のモノにできるか

あたりが、英語よりも、もっともっと大事だと思います。結局、英語は道具でしかありません。とは言っても、日常会話くらいはスムーズに話せると、もっと楽しいだろうなとは思います。

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