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Eduble「探究型日本語教室」の紹介 - 生徒・保護者向け[87]

 こんにちは!オランダのデン・ハーグにある日本語教室Edubleで日本語学習サポートをしております、三島義則と申します。
 Edubleで行っている日本語学習の内容について、対面やオンラインでいくつか問い合わせをいただいたので、私がいつも保護者向けに説明させていただいている内容を文章にしました。
 お子様の日本語学習サポートを検討されている方の何かお役に立つことができればと思っております。また、直接説明をさせていただくことも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

 それでは、私が行っている「日本語教室での日本語学習サポート」について、説明をさせていただきたいと思います。

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 私たちが目指しているのは、万人向けに設定されたカリキュラムに子どもたちをはめ込むのではなく、子どもたち一人ひとりの個性や能力に合わせた学習内容を考え、それによって学習者が「日本語を使うことに自信を持てるようにする」ということです。

「保護者・生徒の声」の紹介

 まずは日本語教室に通ってくれているお子様の保護者の方や、お子様自身からいただいた感想について掲載いたします。

1.      小学生クラス保護者より(対面授業)

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【質問① お子様に日本語を学んでほしいと思った理由やきっかけ】

・子どもが大きくなって複雑な事柄を考える際に芯となる言葉、自分の心を表す言葉が必要なのではないかと思ったものの、それをどの言語にするのかしばらく悩みました。最終的には、親がサポートできる言葉「日本語」を基礎にしようと考えました。

・日本の家族とコミュニケーションがとれるようにと、また母親の母国の文化を知って欲しいと思いました。

・自宅では日本語の勉強をすることを嫌がるため。

・せめて平仮名・片仮名ぐらいは読み書きできるようにしたいと思ったのと、息子が参加した「秋休みワークショップ」で日本語に興味を示したからです。

・日常生活の中で日本語にふれる機会がなかなか持てなかったからです。

【質問② 入塾後のお子様の日本語に対しての変化】
・日本語学習のスタートが遅れたために補習校では気後れすることも多かったのですが、三島先生は一対一で子どもの興味や希望に合わせて授業を組んでくださるので、少しずつ自信がつき自らもっと勉強したいという姿勢が見られるようになってきました。

・日本語が前よりもっとスムーズに出てくるようになりました。母親以外の人と日本語を話す事で、日本語を使う事に自信が出てきたようです。また、ときどき日本語の絵本を読みきかせてくれるようになりました。

・Edubleに通う前は、学ぶことや書くことが大嫌いな子でした。入塾後、自ら絵本やポスターの文字を読んだり分からない文字を質問してきたり楽しそうに字を覚えています。

・前よりも日本語に興味を示すようになり、絵本を読んでくれるようになりました。

それまでは日常は英語で話していたのが日本語で話してくれるようになりました。特に、日本にいる祖母とは日本語で話すようになりました。

【質問③ 保護者やお子様が感じるEdubleの魅力】
・三島先生が本当に子ども全体をよく見て下さり、性格や興味の方向性を的確に捉え子ども自身のやる気を引き出してくださっていると感じます。子ども自身も先生のことが大好きで、日本語学習が苦痛ではなく楽しみになったことが何より嬉しいです。ここのところ、子どもの中での日本語学習が、「やらねば」から「やりたい」に変わってきたと感じられます。

・学校とは違い、小規模な塾ならではの先生と生徒の信頼関係が強い温かみのある教室です。教科書だけに頼らず、生徒の興味をうまく勉強の原動力に変え、生徒に寄り添って色々なアプローチで能力を伸ばす努力をしてくれます。生徒の性格も含め、とにかく良くみてくれているという印象です。子どもは毎週先生に会うのが楽しみで、帰宅後、”今日も楽しかった!”と話してくれます。

・入塾前は親が平仮名や文字を教えると、甘えがでて最後には喧嘩になり勉強自体が嫌いになっていました。通塾するようになると、さすがプロ!人見知りの息子と最初は仲良くなるところから始めて、興味のある授業内容(理科や算数に繋がる工作や実験など)で惹きつけ、最後にはちゃんと日本語の勉強へ繋げてくれます。あんなに大嫌いだった平仮名を書く練習も、最近では自宅で楽しそうに取り組んでくれるようになって驚いています。息子は先生が大好きなようで毎回レッスンを楽しみに通っています。

一緒に日本語を学ぶお友達が増えたことで、少し社会が広がったと思います。

・無理なく日本語が学べるところです。その子の状況に合わせて臨機応変に授業内容を工夫して下さるので、毎回授業を新鮮に感じられているようです。

2.     中学生クラスの生徒より(オンライン授業)

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【質問① Edubleの「日本語(または国語・小論文)学習サポート」を希望した理由を記入してください】
 私はインターナショナルスクールに通っていて「国語」にあまり触れていませんでした。触れていたとしても通信教育で自分で学ぶだけでした。そして、4月に中学3年生になったので、次の進路のための準備としてEdubleでの国語のサポートを希望しました。

【質問②サポートを受講するようになってから、日本語(または国語・小論文)の学習はどのように変化しましたか】
 日本語自体が上達しました。また、文法や作文の書き方、小論文の書き方や面接の練習も手伝ってくれてこれらすべてが上達していると自分でもわかります。また、授業も毎回とても楽しいのでより日本語が上達したと思えます!

【質問③ サポートを受けるようになってから、「Edubleの魅力」について何か感じることがあればご記入ください】
 先生の第一印象はとても真面目で優しそうでした。最初の授業はとっても緊張してましたが楽しみでした。そして、授業はとても楽しく先生も優しくて話すのがとても楽しかったです。外国に住んでいてインターに通っていて、日本語は家ぐらいでしか使わないので、日本語力が落ちてきたかもと心配でした。しかし、授業ではたくさん話すことができます。また、問題を解いて間違っていたところや分からないところを授業で話し合い、教えてくれるのでとても楽しく学ぶことができています。また、先生はIBシステムのことにもとても詳しいのでIBのことについていろいろと知れて嬉しいです!Edubleのサポートを希望して良かったと思っています!

3.   高校生(IBDP)チュータークラスの生徒

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【質問① IB日本語Aのチューターサポートを希望した理由を記入してください。】
 学校で、SSSTの授業を受ける場合必ずその言語のチューターが必要であるとの説明があったからです。学校側の担当の先生に紹介していただきました。また、模擬テストの採点や専門的な内容の指導など、一人では学習の難しい部分のサポートが必要だと感じたのも理由の一つです。

【質問② チューターのサポートを受講するようになってから、日本語Aの学習はどのように変化しましたか?】
 学習している内容がIBの指導要領に沿っていると自信を持つことができるようになりました。先生がIBの指導内容についてお詳しかったので、IBの採点基準に則って指導していただきました。また、口述試験の準備など、一人では不安だった部分のサポートも沢山していただきました。学校の英語での指導とは違い、実際に日本語で指導ができるチューターがいると、文学に関する議論もできるので大変有益だと思います。

【質問③ サポートを受けるようになってから気付いた「Edubleの魅力」について感じることがあればご記入ください。】
 「とても真面目な先生」というのが第一印象でした。例えば、毎度授業後にはとても細かく指導内容や課題についてのレポートを送っていただきました。回数を重ねるにつれ、少しずつ先生の専門分野である社会科学や人文科学の知識を授業に織り交ぜてくださるようになったので、授業がさらに楽しくなりました。文法や漢字の訂正等のみにとらわれない、様々な分野からの多角的アプローチはIBDPのそれに最適であったと思います。

→今回「日本語A」(SL)のスコア「7」を獲得することができました。

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 以上のように、Edubleの日本語教室という場所が、ただ日本語を学ぶだけのところではなく、子どもたちにとって「教室に来ること(あるいは授業を受けること)が楽しみと思える空間づくり」を心がけています。
 そうすることによって、週に1度ではありますが、子どもたちは楽しみながら継続して日本語を学ぶことができます。

 小学生クラスでは、授業内容を子どもたちが決められる時間を一部用意しています。
 それによって、「自ら参加している」という意識を持って日本語の学習に取り組む
ことができます。
 また、中学生や高校生のクラスにおいても、授業の中で生徒がたくさん日本語を話す機会を用意しています。
 アウトプットをすることによって、自分が考えていたことと向き合いつつ、日本語で表現する力を伸ばしていきます。

これからも新たにいただいた声につきましては、
Facebookの【Eduble生徒・保護者の声】
Instagramのアカウント
Edubleのホームページの「各クラス詳細」
で掲載していきたいと思います。
 ぜひご覧ください!

Eduble「探究型日本語教室」の教育方針

 私たちが日本語学習をサポートするにあたって、大切にしていることについて紹介いたします。

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 こちらの図では、私が公教育に携わってきて感じた【学びの課題】を解決するために、Edubleで【目指す学習者像】を掲げています。

 私は2012年4月〜2020年3月までの8年間、公立の高等学校で社会科の教諭として勤めていました。

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(写真は、2019年度に公立高校での1年生「世界史B」の授業で、ディスカッションの準備をする生徒たちの活動の様子を見てまわっているところです。)

 高等学校現場では、主に教務部や進路指導部、そして担任業務をしてきました。教育現場で働く教員として、また1人の保護者として学校教育を見たときに、日本の公教育の素晴らしさを知ったとともに、今の学習のあり方に疑問を持つようになりました。

 その疑問とは、子どもたちは与えられることに慣れてしまい、いつの間にか「自らの意志で学ぶことを忘れてしまっているのではないか」ということです。

 また、未来を予測することが困難で、変化が激しい社会の中で求められるのは、「自ら学ぼうとする姿勢、他者と協力する力、変化に対応する柔軟性」だと考えています。

 そのためには、学習者が常に自分の学習について振り返り、自分の得意なところ、苦手なところを自覚しつつ、それぞれが得意なことで助け合えるスキルを日々の「学び」の中で身につけていく必要があります。

 これらの理由から、Edubleの日本語教室は単に「日本語を習う」だけではなく、私が公教育で感じた学習に対する疑問を元に、「学習者を自由に」「主体性と自主性を大切に」「学びを楽しく・厳しく」という人間的な成長も促すという観点で、「自主的に学ぶための」日本語の学習サポートをしています。

【目指す学習者像】を実現するためのアプローチ

1.      「自立した学習者」を育成するために
 →「宿題」とどう向き合うのか?

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 母語として(あるいは第二言語として)の日本語学習は、日々の積み重ねが重要です。また、海外で日本語を学ぶ場合、最も重要な役割を担っているのは「家庭教育」だとも言われています。(※1)

※1 中島和子『完全改訂版バイリンガル教育の方法-12歳までに親と教師ができること』(アルク選書シリーズ、2016) 第 9 章を参照

 日本語の継続的な家庭学習が理想ですが、英語やオランダ語など現地の言葉を学校で学びながら「日本語学習も」となると、子どもにとっては大きな負担となります。また、お子様が母語としての日本語学習を「苦痛」だと感じてしまったら、継続的に取り組むことが難しくなります

 私たちの教室で課される宿題は、量を少なめに設定しています。その理由は、まず自分の意思で宿題を終わらせる習慣を身につけてもらい、宿題を自分でできるという自信をつけてもらうところからスタートする必要がある、と考えているからです。
 また、先生から与えられた宿題のみに追われるのではなく、宿題をする以外の時間を、日本語のマンガやアニメを観てみたり、絵本を読んでみたり自ら日本語に関わる機会を作ってほしいと思っています。

 私がEdubleに通う子どもたちの保護者から聞いた話によると、生徒たちの多くは、教室で学んだことを家でも試そうとするそうです。
 ひらがなが読めるようになってきたら、これまで読んでいた絵本を引っ張り出してきたり、ひらがな表を見て自分で読むようになったりすることがあったそうです。
 また、漢字を習ったばかりの時は、自分の名前を漢字で書いて保護者に見てもらおうとしたこともあったそうです。

 こういった話は何とも微笑ましいことで、聞いている私も嬉しくなりました。そして、教室でできるようになったことを保護者がたくさん褒めてあげることで、子どもの自信につながると思っています。

 しかし、これらは子ども自身が自発的に起こした行動です。決してこういった変化が現れなくても、子どもたちは日々一生懸命学んでいます。そのため、保護者の役割というのはその努力を温かく見守っていただくことだと考えています。

 また、宿題に取り組む時は、保護者の方が子どもに無理矢理させないようにお願いしております。「自立した学習者」を育てるためには、子どもが自分で時間を見つけて取り組む姿勢を身につけることを大切にしています。一度、他人から言われて宿題をすることに慣れてしまうと、自分で取り組めるようになるまでに時間がかかってしまいます。
 仮に宿題をやってこなかったり、ギリギリまで置いてしまって途中までしかできていなかったとしても、それは保護者の責任ではないと私たちは考えています。
 私と子どもで約束した課題ができなかったということなので、私の伝え方がよくなかったのか、それとも子どもがまだ日本語の勉強が大切だと感じられていないのか、いろんな原因を一緒に話し合っていくようにしています。

 宿題のアプローチ1つをとってみても、受け身で学ばせるのか、主体性を求めて学ぶための環境を設定するのかでは、大きな違いがあると考えています。

2.      学習への態度(意欲・関心)を養うために
 日本語教室では、少人数制の授業を展開しています。
 少人数制の授業をすることによって、生徒一人ひとりの学習状況を丁寧に把握しつつ、先生と子ども、あるいは子ども同士でのコミュニケーションが活発になるように授業を構成しています。

 また、日本語の学びを充実させるため、子ども同士のつながりにも注目しています。子ども同士で取り組む学習活動や遊びを大切にして、仲間と共に学ぶ楽しい空間を作り、子ども一人ひとりが教室を「日本語を話す自分の居場所」だと思えるようにしています。

 また、生徒たちの興味や関心に合わせて、好きなマンガやおもちゃなども活用して日本語学習につながるようにしています。自分の好きなものをみんなに紹介したり、ノートに自分の気持ちを書き留めたりして、日本語の学びになるようにしています。

 さらに、子どもたちの好きなものを授業に取り入れるだけでなく、「日本語で学ぶ」機会を増やすため、小学校の理科や社会科で取り組むような内容も、ミニ実験やミニ活動として一部取り組んでいます。
 子どもたちの「なぜ?」「こうするとどうなるんだろう?」と思ったことを友達と話し合ってもらったり、面白いと思ったことをノートに書きながら、「日本語で学ぶ」機会も用意しています。

3.    日本語スキル向上のために
 海外で生活している子どもは、同じ年齢であっても滞在年数や家庭での日本語をどのぐらい使っているのかによって、日本語のスキルはそれぞれ異なります。

 日本語教室では、年齢によって単純に学習するレベルを決めることはありません。子どもの日本語学習に必要なレベルに合わせて学習内容をセットします。その一方で、自分の学習レベルが年齢よりも下になることによる、日本語学習に対するモチベーションの低下を防ぐ配慮もしています。
 例えば、「日本語のスキルアップ」に関しては子どもの日本語のレベルに合ったものを学びますが、そのほかの内容に関しては年齢に合わせた興味や関心に基づいた学びを提供しています。

例:小学6年生の年齢のお子様の場合、算数や理科、社会科などの内容は6年生に合わせた活動をしますが、日本語スキルに関しては本人のレベルに合わせた小学3年生の教材を使用します。

 「日本語のスキルアップ」というのは「主語や述語」、その他「接続詞」や「修飾語」など、文の基本構造を理解し、日本語の表現力を鍛えるためのトレーニングです(一部教科書も使用しています)。

 クラスは大体同じ年齢の子どもが集まって学びますが、スキルアップのトレーニングに関しては、「個別学習」として個人のレベルに合わせて学んでもらいます。

 スキルアップに関しては、子どもたちに必要な学びであるため、本人の意思を尊重しすぎることはなく、日本語力を鍛える土台としてしっかりと学んでもらいます。

活動内容( 通常授業 / あおぞら教室 / WS )

 私たちは、日本語教室以外にも「子どもたちの日本語で学ぶ機会」を用意しています。

 家庭での継続的な日本語学習が難しいと感じたり、日本語で他の子どもたちとの触れ合いを求めている保護者もおられることかと思います。

 私たちは週に1回の「通常授業」に加えて、屋外での日本語を使ったアクティビティを楽しむ「あおぞら教室」や、遊びに特化した「日本語体験教室」歴史や地理に関するテーマ型のWS (ワークショップ)、クラフト系のWSも実施しています。

○通常授業(スキルアップ学習、教科書学習、探究学習):平日と土曜日

 通常授業では、生徒たちの自主性を重んじながら、教科書を使った学習や、表現力を鍛えるスキルアップ、その他「遊び」や「ミニ実験」などを取り入れています。日本語を使うことが楽しいと感じることを忘れないようにしながら、日本語のスキルを鍛えるトレーニングも行います。

 具体的な授業内容に関しては、個々のニーズに配慮(海外での日本語学習、日本人学校の国語・社会科学習の試験対策、帰国へ向けての日本語力の強化など)しています。子ども一人ひとりにどのような取り組みが必要なのかは、保護者との事前に面談を行った後、さらに授業の中でも考えていきます。

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写真は、教室での学びや出張授業の様子を集めたものです。

 「母の日」のメッセージカードを作成したり、好きな絵本を紹介する活動をしたり、風についてのミニ実験、身のまわりのものを漢字で書く活動などがあります。

 また、毎回の授業の内容をGoogleclassroomを活用して報告し、授業の様子を撮影した写真や動画を保護者の方に共有して、保護者とのコミュニケーションも欠かさず行います。

 その他、全日制の日本人学校に通われている生徒さんの学習サポート・定期テスト対策や、国際バカロレア(IB)のDP生の日本語Aの学習サポートについても、オンラインで実施しております。

※オンラインクラス(中学生の小論文講座、IBDPの日本語Aのサポート)の雰囲気については、この記事の後ろにある「オンラインクラス(中学生、高校生)も充実しています」をご覧ください。もしくは、私が以前書いた記事「中学・高校生の「オンライン授業」で心がけていること」もご参考にしていただければと思います。

○あおぞら教室:週末
 「日本語を話す子たちで集まって、思いっきり遊ぼう!」という企画です。みんなで日本語を使いながらレクリエーションやゲーム形式の遊びで思いっきり楽しみます。普段の教室では会ったことのない他の生徒や、教室には通っていないけれど遊んだことのない友達に会うことで、子どもたち同士のつながりを強めようと考えています。異年齢の子どもたちが、鬼ごっこや大縄跳び、その他レクリエーションを使ってお互いに協力してゲームを楽しみます。

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 今年に入ってからは、募集人数が定員でいっぱいになってしまい、参加できない方も出てきているので、デン・ハーグ以外の場所も含め実施回数を増やしていきたいと思っています。

○ワークショップ(WS):中長期の休み期間

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 こちらは、中期・長期休暇を利用したテーマ型のワークショップです。

 夏休みを利用した「都道府県調べ」や「歴史人物新聞づくり」など、日本に関することを調べて発表までを行うプロジェクトがあります。
 また、低学年の子どもを対象とした「初めてのひらがな学習」「秋のものづくり体験」などを実施しています。

 日頃の教室での学習とは異なり、完全にテーマにそった遊びや学習に特化して取り組みます。そして、最後には子どもたちが作成した作品を持ち帰ってもらいます。

講師の紹介

 日本語学習のサポートは三島義則が担当しております。趣味は読書とスポーツです。

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 私は、日本の公立高校に教諭として8年間勤め、学校教育の中で疑問を抱いた「本来あるべき学びとは?」を追究してきました。テストが終わったら忘れるような安価なものではなく、物事を深く多面的に考える力や試行錯誤を繰り返す力、そして自らの学習を振り返る力を身につけてもらうためには、どのように学べば良いのかを考えて実践してきました。

 その試みとして、定期テストでは全問記述・論述試験を導入したり、授業をアウトプット型の学びに転換するために、調べ学習やディスカッション、プレゼンを多く取り入れ、生徒たちが主体となり協同する喜びを感じられる授業づくりを心がけてきました。
 また、大学受験に備えた勉強においても、生徒の主体性を重んじ、一方向的な学びを最小限に抑え「共に学び、共に育つ」勉強方法を導入してきました。

 また、就職や進学における小論文や面接指導も請け負ってきました。その中で大切にしていたことは、ただ試験に合格するための指導法ではなく、その生徒が次のステップに進んでも自立して学習し続けられるように、相手に合わせた回答をするのではなく、自分の気持ちを自分のことばで伝え、自分という人間を知ってもらうために必要な「正確な表現」をするトレーニングを実践してきました。

 高校生の授業をしていて、長年受け身姿勢で学習を続けてきた生徒たちが高校に入っていきなり主体性を発揮するのは難しいということが分かりました。言語習得を始める時期から「自立した学習者」の育成を意識したアプローチをする必要があり、このEduble日本語教室では、就学前の時期から高校生の年齢までの「継続的な日本語学習のサポート」をしたいと思っています。

クラス・カリキュラムの紹介(通常授業)

○プレクラス

 小学生の学習をスタートさせるのに必要な、文字の読み書きの基礎を学習をします。このクラスでは、「ひらがな、カタカナ」の習得が目標になりますが、ある程度読み書きができるようになることがポイントです。お子さんにプレッシャーをかけることをせず、楽しく遊びながら学ぶことを心がけています。ここで「日本語が楽しい!」と思ってもらい、小学生の学習につなげていきます。

○小学生クラス

 各学年に応じて、国語の教科書を使った学習やスキルアップトレーニングをします。日本語での表現力向上を中心に、先ほど紹介した「生徒の興味関心に合わせた学習」も行います。 4年生クラスからは、自ら設定したテーマを深く学んでいく「探究学習」を導入して、自分の関心があることを深く掘り下げていく学びを進めていきます。

○中学生クラス

 日本語の表現力をさらに高めるために、論説文や小説などを読み、その内容や解釈について議論を重ねることによって、子どもたちが見えている世界を広げていきます。また、生徒自身が関心を持っていることを深く掘り下げていく「探究学習」にも取り組むことによって、生徒を主体とした学びを継続させていきます。その他、生徒の状況に合わせて「帰国へ向けての高校入試対策」や「IB入試対策」も行っております。

○IBDPチュータークラス

 日本語Aの最終試験に向けての学習状況の管理と試験対策準備を行います。具体的な内容としては、学校で課された課題のチェックや、最終試験の評価の観点を確認したり、過去問などを用いた演習をします。
 このクラスは、学習者と相談し学習状況に応じて適切なサポートを考えて実施いたします。

オンラインクラス(中学生、高校生)も充実しています

 現在オンラインでの学習サポートは、中学生の「小論文トレーニング」とIBDPの「日本語Aのチューターサポート」をしております。

 オンラインの授業は、対面とは違い講師と生徒の距離感が微妙に遠くなってしまいます。そのため、生徒に対する心のケアを忘れずに、対面授業よりもよりメリハリをつけて実施しています。

 オンライン授業は、対面授業とは性質が異なります。メリットとしては、距離の制限を受けないことがあります。しかし、デメリットとしてはずっと画面の前に座って画面を見ていないといけないので、「オンライン学習疲れ」や、コミュニケーションが円滑に進まないことによるストレスを感じやすいところにあると思います。そのため、対面授業以上に生徒がリラックスをして授業を受けられるように、まずはじっくりと話をして授業計画を一緒に立てながら生徒との関係づくりを大切にしています。また、リラックスをして自由に意見を交わす時間と、講師の話をしっかり聞く時間を明確に分けることで、学習者が今何をするべきなのかがわかるようにしています。

 もし、オンラインでの日本語学習サポートを希望される方がおられましたら、一度お問い合わせいただき、どんな方法でのサポートが可能かを提案させていただきます。距離の制限を受けず、いろんな場所の生徒につながりが生まれるというオンラインのメリットを最大限に活かしたいと思っております。また、一緒に学ぶメンバーが増えると生徒同士の議論も活性化されるので、既存の生徒にとってもありがたいです。

オンライン専用のホームページはこちら(EdubleのHPでも確認は可能です)

最後に「日本語の学び方は子ども一人ひとりによって異なります」

 「海外での日本語の学習どう進めれば良いのか分からない」と悩んでおられる保護者からのご相談をお受けすることがあります。一人ひとりの性格や日本語の能力がそれぞれ違うため、私たちの日本語学習サポートはそれぞれに合った授業の進め方を模索し実践しています。

 私が日本語教室での学習を通じて子どもたちに伝えたいのは、海外での日本語学習はとても大変だということ、それでも家族とのつながりを保つためには年齢相応の話ができるためのトレーニングが必要であること、そのためには小さな学習を日々積み重ねていかなければならないことです。

 しかし、幼い年齢のお子さんでそれを自覚して行動に移すのは困難です。だからこそ、「日本語で話すのが楽しい!」と思ってもらえる機会を用意して、継続的に学べるようにサポートしていきたいと考えています。

 もし、日本語の学習サポートで何かお力になれることがありましたら幸いです。

Edubleの活動報告や最新情報をチェックしていただけます。

 Edubleの日本語教室の授業や、あおぞら教室やWS(ワークショップ)に関する最新情報に関して、Facebook、Instagram、Eduble HP、Twitterに掲載しております。ぜひフォローしていただき、情報をご確認ください。

 これからも日本語学習のサポートを充実させられるように頑張りたいと思います。もし日本語学習のサポートにご興味がありましたら、Edubleまでお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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