拝むと下半身の病気が治る!?『弥勒石』(明日香村)
明日香村に「弥勒石」と呼ばれている石造物があるらしい…。
その存在をずっと認識していたにも関わらず、所在地が分からないままだった「弥勒石」をようやくこの目で見てきました。
場所は甘樫丘近くの飛鳥川にかかる「飛鳥橋」北側の細道を東に入ってすぐのところです。
地図で見るとすぐに見つけられそうな場所なのですが、車道を走る車からは少し認識しづらい場所にあります。
弥勒石とは?
「弥勒石」とは果たしてどんな石なのか?
近くに案内板がありましたので引用させていただきます。
「弥勒石」Mirokuishi Stone
この「弥勒石」は、真神原の西を流れる飛鳥川の右岸に位置する石柱状の巨石である。石には仏顔面もほとんどないが、わずかに目と口とみられる部分が加工されているだけである。
弥勒石を拝むと下半身の病気が治るといういい伝えがあり、今も地元や周辺の人々の信仰を集めるとともに、「ミロクさん」と呼ばれている。
毎年旧暦8月5日に飛鳥大字がお祭りを行なっています。
弥勒(菩薩)といえば、釈迦牟尼仏の入滅後にブッダとなることが約束された未来仏のことなのですが…
どうしてこの石造物に「弥勒石」という名が付いているのか?また、“弥勒石を拝むと下半身の病気が治る”ということに関しても、どうしてそのようないい伝えができたのか?は案内板からは分かりませんでした。
形状は、高さ約2.5メートル、幅約1メートル。
条里制の標石であったという説もあるようですが、詳しくは不明です。
ネットで調べていると、他にも「飛鳥川の上流から流れて来た」「近くの飛鳥京苑池のもの」「現在は百メートル程上流になっている木の葉堰の石である」など様々な説がありました。
また、お祭りが旧暦の8月5日に行われるのは「弥勒石が川から引き上げられたとされるのが旧暦の8月5日」だとされているからのようです。
ちなみに平成30年(2018)からは9月の第一日曜日に日程を変更してお祭りが行われているようです。
※『奈良・桜井の歴史と社会』さんの「飛鳥(大字)の弥勒法要」というページに法要の様子などが詳しく書かれていましたので、気になる方はぜひリンク先の記事をご覧ください。
ミロクさんをじっくり観察してみる
さて、ここからは「弥勒石(以下、ミロクさん)」の表情などをじっくり観察したいと思います。
まずは左右のお顔から。
アップ!
うっすらと目と口が彫られているのが見えるような…?
ジッと眺めていると、なんだか愛くるしい表情に見えてきますね。
続いて横顔(ミロクさんから見て右側から撮影)。
反対側。(ミロクさんの視点から拝んでいる人を見るとこんな感じ?)
更に貴重なショットで、後ろへも回り込んでみました!
ミロクさんの足元。
こちらもあまり見かけない貴重なショットではないでしょうか!?
ちなみに、材質は花崗岩と言われています。
せっかくなので正面の足元も。
小さなお地蔵さんやお不動さんのような置物も置かれていますね。
更に周囲を観察してみる
ここからは少し蛇足になるかもしれませんが、ミロクさんの周囲の写真もいくつか載せておきます。
お堂横の休憩スペース?
恐らく靴下のハギレで編んだと思われる座布団が、なんともいえない情緒を演出しております。
そして、先ほどからチラチラと映っていますが、ミロクさんの周囲には草鞋がたくさん奉納されています。
下半身の病気が治るといういい伝えからでしょうか?
「弥勒石」は足の仏さんとも言われているそうです。
住所が書かれた草鞋を見てみると、かなり遠方の方も奉納に来られている様子でした。
近くには彼岸花も咲いていましたよ!
これからが見頃のようですね♪
「弥勒石」の情報
所在地:奈良県高市郡明日香村大字岡
駐車場:道沿いに駐車できるスペースが近くにあります