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古代のチーズ!?「蘇」

2021年あけましておめでとうございます!(遅)
かなり久々の記事となっておりますが、今年は奈良の知識をより深めるために、アウトプットの場としてもnoteを活用していけたらと思っています。

2021年最初の記事は丑年ということで、牛乳を原料に作られた古代のチーズとも言われる「蘇(そ)」について書いていきたいと思います。

蘇って何?

昨年もニュースで話題になったことがある「蘇」ですが、そもそも一体どんなものなのか?

簡単に言えば「牛乳を煮詰めて作った食品」です。

とは言っても、製法が現在にまで伝わっている訳ではありませんので、あくまでも現在「蘇」として扱われているものの定義と言った方が正しいかもしれません。
古代のチーズと比喩されていますが、発酵はさせていないものですので、実際にはチーズとは言い切れないかもしれませんね。)

wikipwdiaによりますと…

古代の日本(飛鳥時代~平安時代)で作られていた乳製品の一種で、乳汁をかなり乾燥させ長期保管に耐える加熱濃縮系列の乳加工食品と考えられている。

と「蘇」について書かれています。
ただ煮詰めただけでは、長期保存できず腐ってしまうとも書かれているので、煮詰めた上で更になにかしらの処理をしていた可能性もあります。
(それこそ、今のチーズのように発酵させていたかも??)

歴史

wikipediaの内容を参考にしながら、ここで簡単に「蘇」の歴史について触れておきたいと思います。

「蘇」は、古代中国で生まれた、牛乳の発酵食品「酥(そ)」を元祖とする説が有力。

昔は殿上人しか食べられなかったとされ、食用のほか、滋養強壮用の薬や仏教行事の供物として、親しまれてきた。

蘇は朝廷への貢ぎ物だったとされ、かつて正月に開かれていた天皇の家臣たちによる酒宴「二宮大饗(にぐうのだいきょう)」「大臣大饗(だいじんのだいきょう)」で甘栗などとともに、蘇が振る舞われていた。

これらの食品は、朝廷の使者が、「牧(まき)」と呼ばれる全国の生産場から運び出した。

朝廷は奈良時代から平安時代、諸国に対し蘇の納付を義務化し、3~6年に一度のペースで順番に徴集。
各地の牧では、正月に間に合い、かつ完成品が腐らないよう、例年11月頃には作業を終えていたとみられている。

 一方で、質が粗悪だったり、納付期日を守れなかったりした場合、杖でたたかれるなどの罰則もあった。


西暦700年、文武天皇により「蘇」をとして全国で作るように使いが派遣される。
生産は典薬寮(てんやくりょう)乳牛院という機関がを担っており、薬や神饌としても使われていた。
仏教祭事には蜜と混ぜて原料として使用した。(何の原料なのかは記載がありませんでした。)

食べてみたい!!どんな味!?


文献には見えるが製法は失われてしまった「幻の食品」
だからこそ、どんなものだったのか味わってみたいというのが人間の性でしょうか。

製法が不明とはいえ、「蘇は乳を煮詰めた乳製品で美味しいもの」という点は諸説で共通しているそうで、『延喜式』には、生乳一斗を煮詰めると一升の蘇(10分の1になる)が得られるとの記述があるそうです。
(生乳の固形分は12%程であるため厳密に原料乳比10%に濃縮することは不可能であり、『延喜式』の記述は目安量であるとのこと)

そのため、それらの記述を参考に「蘇」を再現した商品や、「蘇」を食べられるお店が奈良県内にはいくつかあります。


古代チーズ飛鳥の蘇|みるく工房飛鳥
ラッテたかまつ・古代の蘇
奈良の雑貨とカフェ&BAR ことのまあかり


私も何度か「蘇」を食べたことがありますが、味は「甘みのないミルキー」という感じでしょうか?
甘みがないと言っても、牛乳から感じるほのかな甘みはあります!
食感は少しザラザラとしていた記憶が…!?
このあたりは商品によってバラつきがあるかもしれません。

余談ですが、牛乳を煮詰めて作っているので、カロリーは高めと思われます。

(…と思っていたら、保管していた「飛鳥の蘇」の説明書きを発見したので、内容を転載させていただきます。)

「飛鳥の蘇」とは、牛乳から作った幻の乳製品です。
しぼりたての牛乳を焦げ付かさないように7~8時間火にかけ、水分をとると、赤みをおびたベージュ色のかたまりが出来ます。これを型枠に入れ、形を整え、約5cm×6cm、厚さ3cm(80g)の大きさにして食べやすくしています。
牛乳としての栄養価を保ちながら。水分だけをとった自然食品で添加物等は、一切使っていません。
味は、まろやかでほんのり甘みがあって大変香ばしく美味です。
「蘇」100g当たり
エネルギー410cal
タンパク質19.4%
脂質22.3%
と栄養価値が高い食品です。
2mm~3mm位の厚さに切ってご賞味して下さい。


自宅でも牛乳を煮詰めるだけで作ることができますので、一度試してみるのもいいかもしれません!

参考HP

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%98%87
https://www.sasahachi.co.jp/sasanotomi/so_column.html


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