ヨシノ サオリ

好きなもの:猫、コーヒー、日本酒、美しくて冷たい水、清らかな神社。そして、やさしい言葉…

ヨシノ サオリ

好きなもの:猫、コーヒー、日本酒、美しくて冷たい水、清らかな神社。そして、やさしい言葉 /苦手なもの:犬、ジュース、強い洋酒、人付き合い。そして、やさしい言葉を使うこと

最近の記事

あなたの魔法┃詩

いつも不安でいっぱいで 怖がりなわたしを なだめてくれる、あなた 少し眠ってみる? そう言って、 あなたはわたしに魔法をかけた だんだん、ふわふわしてきて 怖さがなくなってきた 不安に思うことも何もない ふわふわと気持ちが良くて あなたと楽しくしゃべる あなたもわたしも笑ってる あなたの魔法は とても不思議 魔法がかかったままじゃ 良くないよ と、あなたは言う ふわふわしていたのに だんだんとはっきりしてくる 魔法が切れる ふわふわしていたのが嘘みたい どう?大

    • うわごと|詩

      霞んだ世界のなかを ひとり彷徨う 暑くもなく寒くもない ちょうど良い心地で ぼんやりふわふわしている うわごとで呼ぶのは 誰の名前? うわごとで伝えるのは どんな想い? 心に秘めたことを 聞き出そうとするの? それは誰にも聞かれたくない 言ってはいけない 心のなか 現実と夢の間で わたしはわたしを保とうとする 本当は聞いてほしい 本当は言いたい わたしの心のなかを 霞んだ世界が そんなわたしをあざ笑う 目が覚めた時 わたしは何も話さないだろう うわごとで全部

      • あなたがいるところ

        駅の近くの建物 あなたがいるところ いつもそこにいてくれて いつでも行こうと思えば行ける 逢いに行こうと思えば逢いに行ける あなたがいるところは いつも食べ物の匂いがする 油っこい安そうな匂い あなたがいるところは いつも賑やかな声がする バカみたいにはしゃぐ声 そんなところなのに あなたがいるところだけは 別の世界みたい あなたの優しい手 わたしは安心する あなたの特殊な力 わたしは夢見心地になる 朝とも夕ともなく 建物の前を通る ふと立ち寄りたくなる あなたに

        • これで・・・┃詩

          見つめない 探さない 追いかけない 求めない 甘えない 打ち明けない 忘れる 手放す 諦める これで・・・ これで、いいの

        あなたの魔法┃詩

          とんとんとん|詩

          やさしい手 とんとんとん 背中にふれてくれる やさしい手 とんとんとん わたしを落ち着かせてくれる やさしい手 とんとんとん そばにいるよ 誰の手でもいい とんとんとん やさしくふれてくれると わたしは安心できて 眠ることができる とんとんとん とんとんとん やさしくしてくれてありがとう 甘えさせてくれてありがとう とんとんとん とんとんとん

          とんとんとん|詩

          ひらひら|詩

          わたし羽を広げるとね きれいな色をしてるのよ わたし小さいけど きれいなのよ わたしのきれいな羽を見てね きっと嬉しくなると思うの わたし小さいけど そんなわたしを見つけたら きっと勇気も出ると思うの あなたのまわりで ひらひらしてるね 邪魔なものを ひらひらと除けてあげるよ だからね あなたはやりたいようにやればいい 迷わなくていいよ わたしが見守っているから ひらひら ひらひら ほら 幸せが舞い込んできた ひらひら ひらひら あとは 自由に飛んでいく

          しゅいろ|詩

          しゅいろ、 それは別世界へ誘われる色。 しゅいろの中は、 ふわふわする。 しゅいろの中は、 良い匂い。 しゅいろの中は、 華やか。 しゅいろの中は、 怖い。 しゅいろの中の音は、 心地がよい。 しゅいろの中に入ると、 幸せな気持ちにもなって、 わたしも違う誰かになったよう。 わたしは、しゅいろが好き。

          雨の日|詩

          雨の日は山へ行かない 雨の日の山は怖い 雨の日は淵へ行かない 雨の日の淵はたぶん怖い 雨の日も山や淵へ行きたいけど やめておく 雨の日は力が強い わたしは力が弱い だから わたしは雨の日はじっとしている 静かに雨の音を聞きながら おとなしく過ごすの

          ぽたり┃詩

          ぽたり わたしの肩に水が落ちてきた ぽたり 雨なんか降っていない ぽたり けっこう大きな、ひと粒の水滴 ぽたり 少しだけ冷たくて、気持ちよかった ぽたり あの水はどこからきたの? ぽたり 誰かが見てくれているのかな? ぽたり ありがとう なんだか、わたし、頑張れそう

          あのこ | 詩

          大きな通りにいつもいる、あのこ 少し体の小さい、あのこ 怯えた表情をしていた、あのこ ガラス玉のようなきれいな目をしていた、あのこ 仲良くなりたかったけど仲良しにはなってくれなかった、あのこ あのこがいなくなった どこか遠くへ行っちゃったのかな? 夕暮れの大きな通り 黒いものが落ちていた あのこだった 艷やかな羽を持っていた、あのこ あのこは、もういない

          小さい愛|詩

          もっと、逢いたい。 もっと、一緒にいたい。 もっと、繋がっていたい。 もっと、わたしを知ってほしい。 もっと、わたしを愛してほしい。 これ全部、小さい愛。

          いきる|詩

          仕事が面白くなくても、 男に相手にされなくなっても、 今の環境に息苦しさを感じても、 星占いの結果が悪くても、 それでも、生きるの。 家族が居なくなって、 友達も居なくなって、 知り合いも居なくなって、 嫌いな人さえも居なくなったけど、 それでも、生きるの。 何が本当で、何が嘘か分からない。 みんな好き勝手なことばかり言っている。 よく分からない世界で、 それを信じるしかなくて、 それを日常として、生きるの。 生きていくの。

          風の吹くとき┃詩

          強い風が吹くと 木が揺れる 水面が波立つ 雲が無くなる 強い風が吹くと 立っていられない 目も開けられなくて、耳も痛い この風は 袋から出たもの? それとも あなたが飛び回って起こしたもの? さらりとした風は すべてを清めてくれる うねる風は いろんなものを巻き上げて 全部どこかへ持っていっちゃう 風を起こすとき あなたは楽しんでいるの? それとも怒っているの? 風が無くなった 木は揺れていないし 水面も穏やか 雲も戻ってきた あなたがいなくなった 風の吹くと

          風の吹くとき┃詩

          ふってあげる丨詩

          次、生まれ変わるなら、 男がいい? 女がいい? わたしは、 次も女がいい。 また女に生まれて、 今よりもっと、 女を楽しむの。 女としての、 女だけにしか味わえない喜びを、 めいっぱい味わうの。 だから、 あなたは、 次も男として生まれてほしい。 男を選んでほしい。 それで、 また、わたしと、 出会ってほしい。 そしたら今度はわたしが、 あなたを思いっきり、 ふってあげる。 もう二度と、 わたしに近づけなくなるように、 ふってあげる。 あなたが、わたしにしたように、 ふ

          ふってあげる丨詩

          待つの|詩

          清潔な服や寝具、 整えられた部屋、 かわいい子どもたち、 好きなおかず、 そして、 笑顔で、 あなたの待つの。 無駄なものを省いて、 それでも散らかしているけど、 たった一人しかいない、 お酒にあう料理しかできないけど、 笑顔で、 あなたを待つの。 あなたはどっちが好きなの? 私なの? わたしなの? 心が癒されるのは、どっちなの? 私なの? わたしなの? 帰る場所は、 私のほうでしょ? カラダが求めるのは、 わたしのほうでしょ? 私は わたしは あなたを待ってい

          不思議なところへ|おはなし#1

          不思議なところへ行ってきました。 訪ねた場所が不思議なところだったのではありません。 その場所へ行った帰り道、坂道を通りました。 その坂道が不思議なところだったのです。 わたしは、その坂道を下っていました。 舗装もされていない、昔話に出てくるような土の道でした。 わたしと、もう一人の人しか、その道を歩いていません。 もう一人の人は、わたしを探し、わたしを誘い出した人でした。 二人とも話をすることもなく、ただただ、その坂道を歩いていました。 途中、冬枯れになった木が1本あり

          不思議なところへ|おはなし#1